第22話 俺の同級生と妹が修羅場すぎる!!
純血。純粋なる血。混じりっけの無い血。
そういう意味で蜜が『 純血』と口にした訳じゃないのは俺はすぐにわかった。
「純血を捧げるって、
「わかってるわよ!わかってて言ってるのよ!」
「いや、だからってなぁ……」
俺はどうすればいいのか分からなかった。
そんな時だった。
「ねね、みっちゃん。ちょっといい?」
どうやら助け舟を足してくれるようで、チラッと俺に目配せをする。
これで少し気を休められる。
そう思った矢先だった。
「なんですか?というかしーちゃんには関係ないですよね?なんでいるんですか?」
きっと悪気は無いのだろうが、だいぶ興奮しているからなのだろう、かなり怒りのツボを押しそうなことを蜜は紫月に言った。
いつものように爽やか元気な紫月であってくれ、そう思ったが……
「関係ない?それになんでいるのかって?……それ、私が聞きたいんだけど」
そうは問屋が卸さないようで、紫月はガチギレであった。
「元々今日は私のコスプレの撮影日だったはずよ?それを邪魔したのはみっちゃんじゃない!」
そう言って、カバンに忍び込ませていたコスプレ衣装を取り出す紫月。
あっ、持ち歩いていたんですねそれ。
俺はその衝撃の事実に驚きを隠せなかった。
とは言っても、彼女が着るものはとても簡素的なもので装飾があまり付いていないため、丁寧に畳めばさほど影響のないものである。
そんなコスプレ衣装を見た蜜は不敵に笑う。
「邪魔?ふふふ……そう。今日のこれを邪魔って言うのね?だったら、しーちゃんこそずっと、ずーーーーっと邪魔してるじゃない」
「私がみっちゃんの邪魔?どうしてよ」
蜜の心当たりがないのだろう、紫月は困惑の表情を浮かべる。
しかし蜜は止まらなかった。いや、止まる気がそもそもないのだろう。
でなければ
「どうしても何も、私とお兄ちゃんを全然2人っきりにさせてくれないじゃない!!!」
こう言い切ることなんて出来ないのだから。
「いや、それは……!」
あまりにもハッキリとした言い分にたじろぐ紫月。
それをチャンスと捉えただろう蜜が、更に一歩踏み込み
「ねぇしーちゃん?いったい邪魔してるのはどっちなのかなぁ……?」
紫月を追い詰める。
その光景を見た俺は絶望しか無かった。
「あぁ……オワタ……」
もはやこの先にグッドエンディングがあるとは思えず、俺はこのまま徐々に気を失い始め床に倒れ込んだ。
あまりにも勢いよく倒れ込んだからだろうか
「お兄ちゃん!?大丈夫!?」
「桜夜!しっかり!!!」
修羅場になりそうだった所を中断し俺の傍に駆け寄ってきた。
2人がこのまま何事もなければいいや……。
そう思うと、プッツンと意識が途切れた。
そして次に意識が戻り、目を開け1番始めに映ったのは、蜜でも無くはたまた紫月でも無く……
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