第20話 シスター・パニック
「ただいま〜」
家の鍵を開けようとすると、それは既に開いていた。先に蜜は帰っていたのだろう。
だが、その
「……居ないのか?」
玄関には蜜の靴があったのに1階にはいなかった。
もしやと思い、俺の部屋がある2階へと
そして部屋に上がると
「あ、おかえりお兄ちゃん。早かったね」
案の定、先に帰宅していた制服姿の
しかし、そうも安心していられる状況ではなかった。
「あ、あの……蜜?蜜さん?」
俺はとにかく恐ろしかった。
「どうしたのお兄ちゃん、そんな怯えた顔をして」
「蜜さん、その左手に持ってるものって……何かな?」
蜜が手に持っているものがとにかく恐怖でしか無かった。
「いま、チャチャッと片付けちゃうからちょっと待ってね〜」
「その左手に握ってるトンカチでチャチャッと一体何する気!?」
俺を見ず、鍵をかけていたはずのガラス扉が開けられた棚をじーーっと見つめる蜜がとにかく怖かった。
「お兄ちゃんのお部屋をこれで片付けちゃうって言ったじゃない」
何よりも
「絶対それぶっ壊すって意味の片付けるだよね!?やめて!?その子たちは俺の宝なんだ!いや、むしろ大事な嫁なんだ!」
数十個とある、兄が大事にしているフィギュア達を
俺は慌てて棚の前に滑り込み、フィギュア達、もとい、“ 嫁達”を守る。
そんな俺の様子に
「無機物を嫁とかありえないんだけど……」
「うん、そこは蜜ちゃんに同意」
蜜のみならず、俺の味方をすると思っていた紫月まで冷ややかな目を俺に向けた。
「2人ともひでぇ……」
いつもの事とはいえ、やはり美少女である2人に冷たくあしらわれるのは辛い。
「ただ壊しちゃうのはやりすぎだと思うよ」
心の中で俺がショボショボと泣いていると、紫月がようやく蜜に注意をする。
もう少し早めに動いてくれたら良かったなぁ、と心の中で呟きつつもこれで蜜の奇行が収まると思い、俺は一安心していた。
そう一安心していたその時だった、紫月が爆弾発言をしたのは。
俺も、そして蜜も予期しなかった紫月からの発言。
「いくらみっちゃんが
悪意の無い、純真さしかない紫月の爆弾発言に一瞬その場が凍りついた気がした。
しかしそれも、
「ちょ……!しーちゃん!?それ内緒だって言ったよね!?」
慌てて紫月の口を抑えようとするが既に遅かった。
「蜜、お前、俺のこと好きだったのか!?ブラコンだったのか!?」
ハッキリくっきりとこの場で聞いてしまったからだ。
が、紫月の発言は問題だったが、それ以上に俺の反応も悪かった。
それ故に
「あーもううるさいうるさい!!!フィギュアのパンツくらい興奮する童貞お兄ちゃんはちょっと黙ってて!!」
「何もそこまで言わなくいいじゃん……。ってやめろ!トンカチ持った状態で腕を振り上げるなぁ!!!」
蜜は半べそ状態になりながら興奮して腕をぶんぶんと振り回す。
遠目からこの様子を一部始終見ていた紫月は
「ええっと、なんか、ゴメンね?」
そう言って小さく謝っていた。
謝るのなら、口を滑らせないで欲しかったなぁ……。
俺は蜜を
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