51 うすいむらさき色の空の下 灰色のコンクリートの荒野の上で

荒野に幾人ものもう一人の僕が立っている

寂しげにそっぽを向いて

僕はもう一人の僕をみんな、みんなを抱きしめやうとして

そっと手のひらをのばす

けれども、次の瞬間

手のひらは固いこぶしに変わって

もう一人の僕をたたきのめし、たたきつぶして

虫けらのやうに追い払おうとする

二度と僕の目に入らないやうに、二度と僕を苦しめないやうに

固いこぶしはますます固く、口をぎゅっと結んで

虫けらのやうに追い払おうとする


けれども、もう一人の僕は相変わらずそこに立っている

寂しげにそっぽを向いて

僕はもう一人の僕をみんな、みんなを抱きしめやうとして

そっと手のひらをのばす

けれども次の瞬間

手のひらは固いこぶしに変わって



もう僕はどうすればいいのかわからない

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