ボクラノミライ
日景の餅小豆
プロローグ
街のハズレに小さな映画館がある。人知れず営業しているその映画館では、新作の映画なんてものは上映されない。オーナーがどこからか仕入れてきた古い映画を流すのだ。
この映画館は珍しく、ドーム型をしている。映画館というよりプラネタリウムだといわれたほうがしっくりくる。しかし、オーナーはかたくなとして"映画館"だというのだ。
その、ドーム型の天井いっぱいに星を散りばめ、そのうえで、オーナーの好きな古い映画を流す。
サラッと聞くと変な感じだが、私はそこが作り出す独特の世界観が大好きだった。
ドーム型の映画館で音が反響して、夜空の星々が私を包み込んでくれる。
小さいけれど、それが私だけの世界が出来た気がして、すごく安心した。
ある日、オーナーから連絡が入った。「古いSF映画を見よう」という誘いだ。
オーナーから連絡が来るのは珍しかった。よほど、いいものが手に入ったのだろう。
私はワクワクしながら映画館へ向かった。
オーナーに挨拶をして、いつもの位置に座った。オーナーも準備をして座った。
さあ、映画が始まる。
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