鈴麗GALsBOUT―RGB ラウンド3
天球儀ナグルファル!d(*´ω`🎀)
第1話 思わぬ来訪者
今にも降り出してきそうな雲行き。
ジメジメした空気が肌にも心にも障る。
もうすぐ梅雨入りか、などと考えていたら
場違いに明るい声が耳朶に触れた。
「へロー♪」
この声には聞き覚えがある。
「ユーとこんな街中で堂々と会えるとは
思ってもみなかったよ」
ロングヘアーの女性が立て続けに話しかけてくる。真っ白なワンピース。陽を透かしてしまいそうな白い肌。最も今は陽はないが。
ガーリーな服装に金髪碧眼のビスクドールを
思わせる顔立ち…に似合わず馴れ馴れしい口調で。
「どちらさん?」
「オーマイガーッ!!!!ガン・トレットだよー♪」
言われてみるとこのオーバーリアクションに
陽気な声質は二人といない。
「…よくウチだって分かったな」
「そりゃ、分かるよ。顔はフードで隠してたとしても。
あんなに見渡す限り
ユーの紛い物だらけだったのが人っ子一人居ないもんね。なぜだか分かる?」
ウチも紛い物なんだけど…
「さあねえ、ウチの人気も下火になってきたってことなんじゃあないかな」
「オーノー!!その逆だよ」
「逆?」
「今ユーは2回戦突破の大人気の選手。
自国の英雄よ、だからなのか最近
鈴麗狩りが流行っているみたいで、
鈴麗の格好をしていると何かと狙われる噂があるみたい。あ、その傷どうしたの?」
「何も狙われてるのはコスプレ娘だけじゃねえってことだよ」
そう応えると何やらブツブツ言いながら
このアメリカ娘は包帯を勝手にほどき出した。これにはウチも面食らって
「ちょ、、、まだ完全にふさがってねえんだから」
「いいからいいから」
全く気にしないようすだ。鼻歌まで歌ってやがる。
すると何かに思い当たったようで「ふぅん。切り口は刃物によるものだけど、かなりの速度で襲いかかられたようだねえ。ふんふん、コレは…」
「間違いないよ、銃口から射出されてる」
「なんだって!?」
「ミーもガンマンだからわかるんだけどね」
ウチを襲ってきたのはシャルロットではないことがガン・トレットの証言により裏付けられた。
襲われた時の事を子細に話すと
「なるほどねえ。つまりその相手は
見とおしの悪い場所からでも正確に標的を狙ってきたワケだ。悪知恵もかなり働くみたいだし。ユーに傷を追わせて、シャルロットに濡れ衣を着せていったい誰が得するんだろうねえ」
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