第7話 冒険者ギルド
「よし、行くか!」
そういいながら冒険者ギルドに入った。
ギルドの中は意外と人が多らず、先程入ったのを見た冒険者らしき人達と、紙が沢山貼られた掲示板のようなものを見ている人や受付に並んでいる人達。ギルドの中は意外と広かったので余計少なく見えた。
俺はまずは登録と思い、受付に座っている受付嬢に話しかけた。
「あの、すいません」
「はい、なんでしょう?冒険者登録でしょうか?それとも、依頼でしょうか?(ニコッ)」
おお、なんと美しい営業スマイル。いや素か?わからん。プロの技術だろうか。違和感なく擬音が聞こえてきそうなぐらいニコッて笑った。すげぇ。
「あの、大丈夫ですか?」
「はっ!すいません、ちょっと考え事してて…」
あまりにも完成され、美しい笑顔に魅了されていた。危ない危ない。
(さすが異世界、こんな美人さんがいるとは)
よく周りを見たら、受付嬢さんたちは全員美人や美少女が多い。
思い返してみると、ここまで来る時にすれ違った人達も男女問わず顔が整っている人が多かったが、目の前の女の人はひとつ抜けている気がする。
今気がついたが、何人か俺に嫉妬の視線を送ってくる冒険者がいる。きっと美人揃いの受付嬢さんたちの中でもトップレベルで人気なんだろう。
視線とか『気配感知』のおかげか異世界に順応した体だからか、そういうのがはっきりとわかるようになったようだ。まあ、気配を消されたらスキルがないと分からないだろうけど。
ちなみに、『気配感知』スキルは今はつけていない。さすがに一日中スキルをつけていられるほど魔力量は多くなければ、これだけ人がいるのにスキルを発動したままだと情報量が多すぎてスキルや気配自体に慣れてない体だと気が狂いかねない。まあ、心配しすぎかもだが。
「門番さんに言われて冒険者登録をしようと思って来ました。出来れば色々説明してくれると嬉しいのですが……」
「なるほどわかりました。ではギルドについていろいろ説明します。ちなみに服装を見るに旅人さんですか?」
「はい、田舎から来たのでギルドなどには疎くて……」
「なるほど〜」
よしよし、この異世界転生ものではありふれまくった設定はこの世界にも通じるみたいだ。この女神様から貰った旅人の服もごくありふれた感じの服のようだ。
「ではまず冒険者ギルドの仕事に着いて教え致しますね。冒険者ギルドは簡単に言えば何でも屋です。物探しや部屋の片付けから魔物退治まで色々なことをします。ギルドはギルドに登録された『冒険者』と、
漠然と冒険者と言われると魔物退治だと思っていたがそうでもないらしい。
勿論魔物退治もするが、最初の弱い頃は肉体労働をするようだ。
「依頼者には一般人から貴族、登録したばかりの冒険者にはあまり関係ないことかもしれませんが、王族からの依頼もあります。そして冒険者はランクがあり、上からS.A.B.C.D.E.F.Gとありまして~……」
「なるほど」
うん、俺が知ってる(ラノベ知識)冒険者ギルドとほぼ一緒だ。ただ1つ、なんで異世界なのに英語があるのかなぁと考えていると、女神様がわかりやすいように翻訳してくれた、という知識があった。まぁ、そういうことなんしょう。
それから説明が続いた。それをまとめたのがこんな感じ。
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・ギルドは『冒険者』と『依頼者』の仲介役。
・ランクは上からS.A.B.C.D.E.F.Gとある。
・ランクはC以降から試験がある。
・ギルド内での冒険者同士の争いはペナルティが発生する。
・ランクには維持期限があり、その期限がすぎるとランクが下がる。
・ギルド外での冒険者同士の争いは目に余るほどの大きな騒動に発展したり、依頼されたりしない限り不干渉。
・一定数の人数でクランを作成可能。
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「あと、暗黙の了解的なやつがあるんですが、それはのちのち覚えてください」
「はい、ありがとうございます」
まあ、受付で普通にやめて教えられたら暗黙の了解でもなんでもないしなと思い、苦笑いしながら頷く。
説明を聞いていろ色々質問してみた。例えば他のギルドについて。詳しくはそのギルドで聞けと当回しに言われたが、簡単に説明されただけで何となくわかった。つまり、売上の一部を払う事によってギルドが商売の後ろ盾になってくれるようなものらしい。
「ちなみに、Gランクのような身分証明書のためだけのランクみたいなのは冒険者ギルドだけなんですよ」
「へぇ、そうなんですね」
「説明もあらかた終わったことですし、そろそろ登録しましょう。登録費に銀貨3枚ですがよろしいですか?」
「はい、大丈夫です。」
そういうと受付嬢さんは机の下から紙と門出みたような水晶のようなものを取り出した。
「……んしょっと、はい、これが冒険者登録に必要なものです。文字の読み書きは出来ますか?」
女神様から貰った知識で文字も読めるしかけるので「はい」と、答えた。
「わかりました。ではご記入お願いします。書きたくない場所は書かないでもいいですが、名前と種族は書いてください。どうしても書きたくない場合は書かなくてもいいですが、書かなかった場合ランクの試験などに呼ばれにくくなります。要するに信用の問題ですからね。年齢や出身地などについては個人情報は絶対に漏らすことはありませんが人によっては書くこと自体嫌な人もいますから。ですが、必要最低限は書いてくれると嬉しいです。あ、何も無い場合は『なし』で構いません」
「なるほど、わかりました」
そう言い、羽根ペンを渡してきたので受け取り、証明書の様な物に自分のプロフィールを書いていく。
名前、年齢、種族を書いてスキルは『鑑定』だけ書いて、職業は……そうだな、『旅人』でいいか。出身地は書かないでおこう。
「書けましたか?では、この上に手を置いてください。」
「これは?」
「これはですね。魔力を感知する魔法道具で、魔力は人によって波長のようなものが違うので、それを調べて記録しておくことで、本人かどうか調べられるようにしてるんです」
「なるほど」
なかなか便利だ。俺が魔法道具に触れたのを確認すると、受付嬢さんは水晶と紙を持ってギルドの奥へ入っていった。
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