女神様からもらったスキルは魔力を操る最強スキル!?異種族美少女と一緒に魔王討伐目指して異世界自由旅!
覇翔 ルギト
第一章 始まり、それは希望と後悔
第1話 プロローグ
普段は人気のない路地裏で薄暗く、少々声を出しても聞こえることはないし喧嘩など日常茶飯事なので気にする人は居ない場所で人が集まっていた。いや、集まっていたは正しくはない。どちらかと言うと追い詰められた、だ。
「ふんっ!!」
「グッ!!」
鉄と鉄がぶつかり合う高い音と火花が飛ぶ。
屈強な男が振るう剣にこの世界ではひ弱そうに見える体型の男、『鳴海』がその手に持った剣で受け止める。
「横ががら空きだぜ!!」
「っ!?」
これは演劇でもなければ訓練でもない。喧嘩などではない命をかけた戦いだ。
「……鳴り響け『電撃』!!」
「がはっ!?……く、いってぇなぁ!」
何か体に機械を仕込んでる訳でのないのに電流が発生して男を吹き飛ばす。しかし、詠唱が足りないのかそこまでダメージは無いようだ。
彼女は鳴海の後ろに隠れて魔法を放った。
そう、ここは日本どころか地球ですらない。剣と魔法の世界である異世界だ。
「ふっ!!はっ!!」
「甘い!」
鳴海は相手の剣を受け流し、その首目掛けて振るう。
しかし相手は腐っても剣士。そう簡単には仕留められない。
「ふんっ!」
「「火よ、我が敵を燃やせ『火球』!!」」
「「っ!!」」
屈強な男が鳴海を弾き飛ばし後ろに下がった瞬間、詠唱が終わった魔法使い風の男二人が魔法を放つ。
絶体絶命。まさにその言葉が当てはまる状況だった。
「……こんなところで負けられるか!」
鳴海はそう叫びながら魔法に向かって手を伸ばした。
魔法がこちらに飛んでくる様子を見ながら、今までのことを走馬灯のように思い出す。
♦♦♦
「はいおつかれー、きみ、死んじゃったよー」
「……えっ?」
……えっ?えっ?待って待って、いきなりすぎね?え?いや確かにこのよく分からない空間に来る直前に、信号渡ってたらトラックが突っ込んできたけれども。ぐしゃって聞こえたけれども。
「あーも〜、ハイハイ、おつかれ……じゃない、災難でしたね。あんたは……じゃない、あなたはトラックにぶち当たって〜でもない、不慮の事故によってお亡くなりになりました〜っと、これで満足?」
「え?あっ、いや、はい……」
はっきり言って何が満足なのか全くわからなかったが、「は?まだなんか言わせんの?」みたいな目で、しかも美少女だからか、余計冷たく見えるその目で睨まれたら「はい」としか言えない。
「はぁめんど、さっさと終わらせたいけどこっちも困ってるし、頑張るかぁ……」
困ってる?どうしたんだろう……そこに付け込むほど落ちてないはずだが普通に気になる。というか、今の状況的に俺に頼ろうとしている?
「あ〜、あんなたってオタクだよな? あっ、いい意味でいい意味で! あ〜もう、もうちょい語彙力あればなぁ、あ〜もう、いつもどうりの私でいっか!」
なんか自分で自己解決してる……。
「えーと……」
「ん?ああ、ちょっと待ってね。ちょっと考えるから」
えぇ……こういうのって、事前にはなしはきまってたりするもんじゃ……。いや、この状況が何なのか把握しきれてないけど。
「……よし、まとまった!じゃ、続けるね~」
「よ、よろしくお願いします?」
「ちょっと私から頼みごとがあってね、あんたにチートあげるから私が邪魔だって言ったやつ消して欲しいんだー」
ちーと…チート…チート?……チート?!
「チートって、あのラノベとかで見るアレっすか?」
「そそ、そんな感じ」
「ま、マジっすか?」
「うん、マジマジー」
う、うおぉぉぉ!まじか?まじかぁ!チートってことは最強無敵で無双できるってこと?!
「ち、チートってことはやはり剣とか魔法とか異世界ですか?」
「ああ、そうだよ。それに私のっていうか神からのお願いを叶えてくれたら自由に異世界で生きてもいいよ。君の体は死んじゃったから新しく作ってあげるし、ある程度異世界の知識もあげるから言葉が話せなくて困ることもないし、常識の違いに困ることもない。あっ、前世の記憶もちゃんと残しとくよ? どう? 君が望むならハーレムだってできるよ?」
ふむ、めちゃくちゃ行きたい。むしろ拒否権が有りそうなことに驚きを隠せない。だが一応聞いておこう。
「なぜわざわざ頼み込むのですか? 女神様なんでしょ? 何となく分かります。こう、神気?的なやつで。神様なら僕に頼むことも無く無理やりどうにかできそうですけど」
「あ〜、実は出来なくはないんだけど、神が直接世界に干渉しちゃうと力が強すぎて世界のバランスとかそんな感じのものが壊れちゃって世界自体が崩壊しかねないのよ。こんな感じ」
すると女神様が手のひらを前に出す。もしかしてそこに手を置けばいいのかな?と思った直後、手のひらから半透明なディスプレイの様なものが飛び出る。
そこには野生の動物が住む綺麗な自然の景色が見え、よく見ると人間の街や海、山や谷が見えた。
そんな世界の全てを写した様な光景に少し和んでいると、突如として世界が真っ白に輝きだした。
突然の出来事に理解が出来なかったが、よく見ると空が割れてそこから神々しい光が差し込まれていて、そしてその光を浴びた生物や植物は一瞬で朽ち果てては復活し、海は荒れて高速で満ち引きし、山は崩壊と再生を繰り返した。
その光景に目を離せずにいると気が付けば空は元通りの空に戻り、謎の現象も収まっていた。
しかし残った大地の地形は元の姿とは大きく変わり、半分は森で残りの半分は砂漠で半分は海。生き物は見たこともない異形に変わり、人工物は跡形もなくなっていた。
「わかった?神が世界に直接介入したらどうなるか」
「り、理解しました」
普通にトラウマ映像だった。テレビや動画配信サイトで見たことあるタイプの動画とは全く別タイプの。
まるで一瞬で世界の終わりと始まりを見た気分だ。実際にそうなのかもしれない。
「まあこれは本当に例外的な話で、神がどうしようもなくなった時の対処法。所謂リセットだから本来ここまではならないんだけどね」
「それでも流石神様って感じですね……」
「つまり、世界を壊そうとする魔王が生まれちゃったりした時でも私たちは手出しできないの。だからそれを予知させたりするために信託を送ったり、世界が崩壊しないギリギリの神の力を持たせた存在を送ったりする訳。所謂勇者ってやつ。それが今回あんたって訳よ」
つまり神様が直接手を出して世界が壊れたら本末転倒だから信託とか勇者とか作って世界を守ってる訳か。
「なるほど、じゃあなんで僕が選ばれたんですか?」
「それはね、まずあんたの出身地とタイミングが関係してる」
「出身地とタイミング?」
タイミングはまだしも、何故ここで俺の出身地が関係するんだ?別に近くにパワースポットがあった訳でもないし、特殊な修行したわけでも特殊な血を引く家系でもなかったはずだ。
「あ〜、出身地って言ってもあんたの住んでる国で言う県単位どころじゃないぞ。あえて言うなら世界単位。あんたの世界は魔法が存在しない癖に魔法よりとんでもない結果を一瞬で起こすことができるレベルにまで発展したからねぇ。だからそこに生まれた存在は他と比べて例外なく上位存在になる訳よ」
やっぱり魔法は存在しなかったか……。いや、落ち込んでも仕方ないか。
それに転生したら魔法がある世界っぽいからむしろうれしいかも。
「だから元々魔法とかの素質が無い分チートとか与えやすいし、上位世界の生物を下位世界に送る時にそいつの存在レベルを下げるんだけど、その時に貰えるポイント的なやつでチートも強化できるんだよね。あと日本人は神達の間で転生させる人間で人気なんだよねぇ。だから私も何となく日本人を選んだ。タイミングに関してはちょうど探してた時にちょうど事故ったこと〜」
「……なるほど」
つまり要約すると、俺が選ばれた理由は俺の住んでた世界は他と比べて上の存在だからチートを与えやすいことと、日本人が人気なこと、事故ったタイミングがベストだったことってこと……でいいかな?
「ん〜、まぁそんな感じでいいかな〜」
「わかりましたって、え?俺声に出てました?」
「ん?ああ、私神様だから相手の心ぐらい読めるに決まってるでしょーが」
「な、なるほど」
まあ、読まれても困るような事は考えてないからいいか。
「最後に一つだけいいですか?」
「え〜また?まあ、いいけど。何が聞きたい?」
「えっと、どうして魔王とか生まれるのかなと思いまして」
勇者が生まれる仕組みはわかったけど魔王が生まれる仕組みはわからなかった。
「えっとね。神の中にも悪い奴がいる訳よ。例えば自分の世界が人間たちのくだらない戦争で滅びたりして逆恨みして他の人間の世界壊そうとするやつとか、神の癖に生き物が滅ぶ様子に快感を覚えたやつとか、同じ神に恨みを持つやつとか、そういう奴らに作られた下位の神とか。分かりやすく言うと邪神って奴らね。そいつらが世界を滅ぼすために魔王とか送り付けたり、悪魔を作ったりするのよ。ちなみに、無理やり世界に干渉して壊すとかはできないようなってるから魔王とか送ってくるわけ」
なるほど、そういう原理だったのか……それに神様は他にも沢山いるってのがわかったな。いい意味でも悪い意味でも。まあ、あんまり俺には関係ないかもだけど一応覚えておこう。
「はぁ〜説明疲れた……。ね、いいでしょ?ここまで説明したんだからやってくれるよね?」
「ええそうですね。流石にここまで聞いておいて怖くなったので嫌なんて言いませんよ」
「ほんと!? いやー嬉しい、あんがと!」
おおう、さすが女神様、さすが美少女、笑顔がめちゃくちゃ可愛い。
「そ、それで、どんな能力くれるんですか?」
「そうね〜、なんか案ある?」
お?もしかして作ってくれるのか?ん〜、突然言われても思いつかないなぁ……まあ、適当にぶっ壊れ能力適当に言ってみるか、どれぐらいが限界か聞きたいし。
「そ、そうですね〜。全ての魔法とかスキルとかを操る、とかですかね?って、あはは、そんなのダメですよね〜」
「……だ…」
え?今何か言った?
「女神様?何か言いました?」
「そ…だ…。」
「ん?」
「それだー!」
「うわ!」
どどど、どした!なにかまずいこと言った!?
「それだよそれ! そーゆーのが欲しかったんだよ! どーして思いつかなかったんだろう!どんな魔法も操るとか最強じゃないか!いいねいいね!授けてやろう!」
「えっ!?」
えっ? えっ? えっ? マジで? マジで言ってんの? 適当に言ったチートすぎて絶対漫画には出ないだろうチート言ったのに、マジで?!
「そうだなぁ、力はそのまま、『魔法、スキルなどの特殊能力の操作権を奪い使用する能力』って感じでいいか!スキル名は流石にそのままだと長いから…うーん……、『全能操作』と書いて、《オーレス・フィーフィカイツ》とか?! 長いかな? なら、《オールアビリティ・オペレーション》は、もっと長いなぁ…、《ゲター・アフゲル》とか?!いやここは、《アビリティタクト》でいいや」
あぁ、そう落ち着くんだ………。
女神様は俺の方に近づき、俺の頭に触れる。いや、そこが頭なのかはわからないが頭のあたりだ。
「じゃ、付与するねー。あっ、めっちゃ痛いと思うから我慢ね?」
「へっ?」
え?ちょっ、まっ……
「……いっ!ぐがっ!あっあ"あ"あ"あ"あ"あ"!」
いてぇぇぇええええ!なんだこれ!頭がかち割れそうだ!全身もまるで体がぐちゃぐちゃにされてるみたいだ!
「おー、がんばれー。確か美少女に膝枕されるのは男の幸せだのなんだのほざいてたヤツいた気がする。仕方ない、今回特別にやってやるかー。え〜と、暴れないように体を固定して〜……」
鳴海の激痛が治まって目が覚めるまでその膝枕は続いたのであった。
……………………………………………………
どうもこんにちは覇翔楼技斗でございます。
このどこにでもありそうな題名の作品『ぶっ壊れチートで魔王討伐目指して異世界自由旅!〜異種族美少女達を添えて〜』は私の初投稿です。
他にも幾つか書きたい物が沢山あり、そのうちこの作品のリメイクも出すかもしれません。今は語彙力も文の書き方も初心者丸出しですが、温かく見守ってくれると嬉しいです!
出来れば最後まで見て言ってくれたら嬉しいです!良ければ♡と☆を押してくれるとありがたいです!ではでは!
現在、新作である『紋章斬りの刀伐者〜ボロ刀を授かり無能として追放されたけど刀が覚醒したので好き勝手に生きます!〜』を投稿しています!時間があればぜひ読んでみてください!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます