第2話
テイラーが胸のボタンを押すと、まず彼の足場となっていた飛空戦艦が、突如として空中分解し始めた。
当然の如く空に投げ出され、両手を広げて落下していくテイラー。
――その両腕と、船の両翼部が、
――その両足には船の後尾部が二つに分かれ、
残る戦艦の主要部位たちはそれぞれがテイラー自身をカバーするパーツとなり、両腕両足に超電磁接続!
科学の力が、機体の表面に輝ける回路を浮かび上がらせ、同時に各接合部からは白煙が噴出される!
最後に、胸部へ装着された船の先端部が大きく後方へと回転すると――中からニンゲンの顔を模した頭部が現れ、その両目がビュキィィィィイイインと光を放つッ!
変形の最後、背部から抜き取りたるは竜骨のブレード。
その湾曲した刃に科学の光が灯る時、あらゆる悪を両断する宇宙最強の機神が、爆誕するのである……!
「完成ッ! 超電機空神……テイラぁぁぁぁああああ……エックスッッ!!」
ドォオォオオオオン! と、背後で謎の爆発が起こり――かくしておよそ一分ほどの変身バンクを経て、巨大な人型戦闘機『超電機空神テイラーX』がウグメの前に降臨したのである。
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【TIPS】
◆魔法の発現
腕を大きく振り、空気抵抗などによって摩擦熱を生じさせる。この現象を魔素により増強することで、例えば炎を発生させることができる。これが炎熱属性の魔法の基礎となる。
魔素の操作は術者の想像力に強く依存するため、発火や発熱をイメージしやすくする道具を併用する者も多い。或いは、炎自体を科学的に生み出してから、魔法で増強するスタイルを取る魔術師もいる。
それ魔術師って呼んでいいの? というのは、王立魔法協会でも度々激論が交わされているんだって。
◆魔法の属性
魔法によって引き起こされる現象に合わせて設定される。主なものは以下。
「炎熱」
炎や加熱・発熱に関する魔法。魔法の中では初歩的だが、極めれば派手。
「迅雷」
光や電気に関する魔法。かなり高度であり扱える者は少ない。戦闘向けとして最強。
「結晶」
氷、鉱物、吸熱などに関する魔法。炎熱の応用版。難易度は高い。
「具象」
形成、改造に関する魔法。最も一般的だが、同時に最も奥深い。
上記区分は一般的な魔法使いたちが属する基本属性であり、独自の魔法体系を確立し自分だけの属性を生み出す者も、ごく少数ながら存在している。
特異な属性は、一目置かれるよりも、異端視されることの方が多いけどね。いつの時代、どこの世界もそういうものだ。
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