第44話
なぜ―――自分達が、
なぜ―――自分達が、
記憶の
このPT内では一番の知力を誇るササラですらも『判らない』としていたことに、他の者達が判ろうはずがありませんでした……
ただ―――ササラは“何か”に気付いているかのようだった……
それが、彼女のみに流るるとされている『天使の血』―――
それも、この
その血が、語らずとも教えてくれるかのようだった―――
確かに、“この場”に、ミカエルと同等の
* * * * * * * * * *
場所は一転し―――今回与えられていた使命を果たし終えた者は……
{今戻りました―――早速ながら、ミカエルに報告したいのですが―――}
{あの方なら今
{(……)まだ、“戻って”きてはいない―――と?}
{そのようです―――}
{本来なら直接目通りして報告を―――と、共に“ある事”の奏上をしたかったのですが……あなたに頼めますか? 『ラファエル』―――}
{いいでしょう。 それより『彼の者』共の尻尾は掴めましたか?}
{残念ながらそこまでは……言い訳をするようで心苦しいのですが、眷属の子達に怪しまれてしまって……}
{気付かれた―――と?}
{いや、幸いと言っていいのか……怪しまれたのは私達の“仮の姿”なのです。}
{“だけ”なら、よろしいのですけれどね―――}
{『ガブリエル』―――!?}
{何か……?}
{彼の場所にはヘレナ―――どうやら“今”はあのベサリウスの
{(ハア……)『神仙族』のNo,2である『あの者』ですか……そう言えば、
{今、話しを突き詰めるべきはそこではない―――現に下位の者でも現れている以上早急に戦力を集めなければ……}
{“それ”が、奏上の内容ですか―――判りました、ミカエルには戻り次第伝えておきましょう。}
この場所は―――『天使族』の“領域”―――『エデン』
その場所に、“戻ってきた”とした存在こそあのウリエルでした。
そう、この天使は“上層”からの命に従い、神仙族の『ある者』と協力し“
しかし用心深くなった残り一体が中々見つけられなかった……それと同時に与えられていた猶予期間の終了も間近だったため、不承不承眷属達の手を借りなければならなくなった……
そして、ようやく完遂できたと思っていた処に、“ある者”に怪しまれてしまった―――
そこからどこか歯車が狂い始めてしまった……と、言っていいのか―――
とは言え、それでもあわよくば自陣の戦力強化を見込めていた為、
* * * * * * * * * *
そうした
そしてまた“もう
「どうやら、“あなた”の方も―――?」
「ええ―――“ここから”は、競争相手ね。」
『華麗なる勘違い野郎共』再び―――けれど“これまで”の関係構築は最早なく―――“ある者”を巡っての壮絶な(?)バトルが展開されようとしていたのです。
では―――彼女達が
「ども~~☆ まぁた、お会いしちゃいましたね~~。」
――は?――
「誰だ? お前―――……」
「ヤだなあ~~☆私ですよぅ―――ワ・タ・シ♪」
「いや……もう、『
「しょんなあ~~さげぽよぉ~~~★★」
「(『さげぽよ』? どっかで聞いたような……)」
“自称”天使騎士のアンジェリカ―――が、シェラザードに接触をした……ものの、のっけから変な目で見られてしまったようで―――けれども、印象は強く残せた??
……と、思っていたら―――
「ハァ~イ☆ ようやく見つけました―――私のデェスティニィィ~~!♪」
――~ピコン☆ ピコン☆ ピコン☆~――
「(な……なんだあ?き……今日は、変態ばっかし私に寄ってくる日かあ??)」
「さあ~~私と共に歩みましょう!レジェンダリィー・ロードをっっ!!」
――~ピコン☆ ピコン☆ ピコン☆ ピコン☆ ピコン☆ ピコン☆~――
「(こいつ……ヤヴアイ―――ヤヴァすぎるぞう??)あ゛っ―――あそこに……っ!」
「えっ―――?!」
・ ・ ・ ・ ・ ・ 。
「なあぁっ!こっ……この私を欺くとはっ―――! ですが、必ずや見つけ出して見せましょう―――わ~~たし~~の~デェスティニ~~~♪」
#44;シェラザード受難の日
その日の始まりは、のっけから変人二人に追い掛け回される―――と言ったことを、クランのメンバー達に相談してみると……
「ふぅ~ん……変な人―――ねえ……。」
「さあっすがの私も背筋が“ゾッ”としちゃったよ……急にさあー知らない赤の他人から『また会えたね』て、言われてみ?んでもって―――“運命”だの、言われてみ?寛大な私でも腰引けるわ。」
「あなたが“寛大”……ねえーーー」
「あによう。」
「いえ、なんでも。」(しれっ)
「ま……まあーそれはともかくとして、その~~変な人達……って?」
「シルフィ……あんた、時たま私に対してすんげえ失礼なことを言うよね……。 まあ、りゃいいんだけど―――“自称”を『天使騎士』だのと
「ですねえ―――」(ムヒ☆)
「なんだか……私も、不思議とそんな感じが……」
「一度、調べてみる必要があるでしょうか?」
シェラザードに絡んできた『変人2人』、しかもその特徴を聞いていく内にメンバー全員が同じ感覚に陥ってしまったのです。
そしてそこから例の2人の調査に乗り出してみると……
「なんか―――やたらめったら
「ギルドからの情報によりますと、新手の『キャッチー』ではなかろうかとの声も……」
「ここは―――あなたの出番のようね。」
「ほあっ?!なんでそうなる―――」
「あら、だってあなた、ここの『顔役』“的”な部分があるでしょうに。」
「あんのさあ~~その『顔役』ての?止めてくんない? ただ私は筋を通そうとしているだけで、悪い事なんて一つもやっちゃいないよ?」
「しかし―――お母上が申していましたが……シェラさんが裏業界に進出してくれるようになってからと言うものは、規律も
「そう言う褒められ方すんのも
勧誘されていたのはなにも
しかも至る所での不正商法紛いの行為―――の、被害報告がなされており、ならば“こういう時”に隠された一面を出すべきなのでは―――との声もあったようなのですが……
どうもご本人様にとっては自身がやっている事は『筋を通す為』……つまり、道理から外れることを善しとはしていないから―――の、ようなのですが……
* * * * * * * * * *
そんな、
それは
“いつも”の喧噪――――――――――――
“いつも”の娯楽――――――――――――
“いつも”の生活――――――――――――
その“いつも”が瓦解しようとしていた―――
その意を
『実態の掴めない超知的生命体』
に、よって……
“それ”は『驚異』――――――――――――
“それ”は『驚愕』――――――――――――
単体の特徴―――ではなく、複数体の特徴を持ち合わせたる『魔獣』……『キマイラ』。
しかし“それ”は、今までにも見たことのない未知の存在―――でした。
だからこそ、“何”であるか特定できない……
けれど、知っているから特定できる……
その者は、“ぽつり”と、こう――――――漏らすのです
『オピニンクス』
と……
つづく
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