第65話新しい先生
マリーとシリルはしばらくトーマスさんの元お勉強していたが…数日後しっかりと新しい教師が決まった。
何やらお父様とトーマスさん…それに何故かテオドールお兄様が面接をしてじっくりと吟味して決めたらしい。
初め会った時に何故か少し怯えていたのが気になるがとてもいい先生だ!
なんせ男の先生!しかも若い!
時折休憩中に厨房の見習いのコックのサムさんと楽しそうに談笑してるのを目撃してからかなり気になっている。
サムさんの為にも彼には辞めて貰っては困るので私は勉強をかなり頑張った!
猫神様に貰った参考書(?)のおかげで文字は問題なく読めるようになったし、元の知識もあるので文字が読めれば勉学には問題ない!
さすがに小学生並の問題なら解けるが…高校レベルになったらアウトだ…
まだ書くのは自信ないが読解できれば問題ないだろう!
今日も一生懸命勉強して休憩時間になると先生が部屋を出ていった…
さてと…
私も観察…いや偵察…違う…警備?そう!愛の警備に向かうべく部屋を出ようとすると…
「マリー…いつも何処に行ってるの?」
シリルが寂しそうに見つめて声をかけてきた。
「え?あ、あの…お花摘み?」
「それさっきも行ったよね?それになんで疑問形で返したの?」
寂しそうな瞳でうるうると見られると言葉に詰まる。
こんな無垢な瞳で訴えられて…嘘なんてつけない!
で、でもまだ幼いシリルにBLを教えるなんて…
私が葛藤していると…
「僕には…話せない事なんだ…」
シュンと肩を落として下を向いてしまった。
「ち、違うよ!えっとね…ほらブレス先生が休憩中何処に行くのか気になって…」
よし、嘘はついてない…
するとシリルが今度は眉をひそめ不機嫌そうに顔をあげた。
「マリーはブレス先生が…好きなの?」
「好き?うん、いい先生だよね!頭もいいし教えるの上手だね」
それにサムさんと仲良いし…
そう言うとシリルがさらに不機嫌になってしまった。
「ぼくだって…マリーに教えられるぐらいにすぐになるよ…」
「えーそれは困るなぁ~シリルは弟なのにお姉ちゃんが教えてもらうのかぁ」
なんかかっこ悪いなと笑っていると
「お姉ちゃんじゃない!」
シリルが怒りながら大きな声を出した。
「シリル…確かに血の繋がりはないけど…」
姉じゃないと言われてキュンと胸が締め付けられた…
シリルが屋敷に来てから自分なりに可愛がって仲良くなれたと思っていたが…そう思っていたのは自分だけだったのかも…
「そっか…こんな頼りないお姉ちゃんじゃシリルも嫌だよね…」
「あっ!ち、違っ…」
シリルが何か言おうとするがここでさらに気持ち悪いなんて言われたら…三日は沈む…
「ごめん!ちょっと外の空気吸ってくる!」
私はシリルの顔が見れずに部屋を飛び出した!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます