第52話再会

「あれ?どこ行ったんだ?」


キョロキョロと部屋の中を見回すが二人とも何処にも居ない…


「課外授業?」


外に行ったのかと思うといいなぁと伸びをする。


「あーあ…どうしたもんかな…」


全然覚えられない文字にため息をつくと…


『マリーさん…』


後ろで可愛い声がした。


「えっ!?」


マリーが振り返ると、そこには白く可愛い猫がちょこんと座っている。


あれ?なんか見覚えが…何処でだっけ?


「ニャン?」


白猫が首を傾げた。


「か、かわいぃ~!」


私は椅子から飛び降りて猫ちゃんのそばに寄った。


猫は逃げる事もしないでじっとマリーが近づくのを待っている。


「可愛いね~どこから来たの?」


マリーが猫ちゃんの頭を撫でようとすると…


『お久しぶりです』


猫ちゃんから声がした…その声には聞き覚えがあった…


「もしかして…猫神様?」


『はい』


猫神様は可愛らしくニャンと鳴いた。


「うそ!?猫神様…」


失礼だがツンと触ってみる…確かにそこには猫神様がいた。


「ど、どうしたんですか!?あっ!その前にお礼を!楽しい世界に連れてきていただきありがとうございます!もうこれから楽しみで仕方ないです」


早口にまくし立てた。


『マリーさんが幸せそうで私もほっとしていたのですが…この度は…すみません!』


猫神様がペコッと頭を下げた!


「ん?なんの事?」


覚えのない私は首を傾げた。


『とりあえず…この空間を一回閉じさせて下さい』


そういうと周りが猫神様と出会った真っ白い空間になった。


「わぁ!ここ…久しぶり‪」


キョロキョロと周りを見ると一つの空間が目に入る…


「あっ!あれ!」


それは如月麻衣子だった時に過ごした部屋だった…


「懐かしい~」


遠くから見ていると…


「近くに行ってみますか?」


猫神様がトコトコと前を歩き出す。


「でも…」


なんとく戸惑どっていると


「もう私が使っていますから変わっているところもあると思いますが…」


「え!猫神様が住んでるの?」


「はい!マリーさんに進められたゲームやら本を読んで過ごしています」


「うそ!私の買ったゲームやってくれてるの!?」


「はい…恥ずかしながらハマってしまいました」


猫神様が顔を恥ずかしそうに可愛い前足で隠した。


「えぇ!嬉しいです!どれですか?どれが一番よかったですか!?」


「そ、そうですね…私としてはこの、ひとしくんとまさくんの恋愛事情と…かまって下さいが好きですね」


猫神様がボソッと呟いた…


「猫神様…」


マリーは真剣な顔で猫神様を見つめた。


「え?あっ!す、すみません…やはり勝手に漁ったの嫌でしたか?」


猫神様の髭がしょぼんと下を向く。


私はそんな猫神様の肩を力強く掴んだ!

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