第9話ママとパパ
その日、ママとリアズさんが帰ってくると凄い騒ぎとなってしまった…
二人は部屋に戻るとそこには居たはずの私は居らず、ベッドはものけのからとなっていたのだ。
ミルクや布が散乱してどう見ても誘拐されたようなあと…
ママは叫び声をあげて気を失った…
そんな騒ぎに皆が集まると、そこには私を抱いたここの当主のジェラート様…みんなの視線を感じて気まずそうにすると…ママが目を覚ました!
「マリー!」
ママは私に駆け寄ると
「良かった…無事で、心配したのよ…」
涙ぐんで私を見つめる…そんな本当に心配してくれるママに私もツンと鼻が痛くなる。
「あ~あ」
ママに手を伸ばすと…
「どうやら君の方がいいみたいだな…」
パパは私を優しくママに手渡した…その時初めてママは私を抱いていたのがパパだと気がついたのだ。
「も、申し訳ございません…」
ママは頭を下げると
「何を謝っている」
パパは顔をしかめると
「私の留守の間にこのような事になりまして…私は母失格です…お忙しいあなたにマリーの世話をさせて…」
ママは顔を下げていると…
「これは…私がしたくてした事だ…お前には関係ない」
ちょっとパパ!もっと言い方があるでしょ!
私はパパを睨むと…パパの表情に困惑したような色を見つけた…
もしかして…パパは気持ちを上手く言葉に出来ない人なのかな?
そういやそんなキャラ沢山いるよね!口下手だけど本当は優しくて相手になかなか素直になれないキャラ!
そうかパパはそういうキャラだったんだ…
私はもう一度ママに手を伸ばすと、パパがママに私を渡す。
ママは今度こそ私を受け取るが…
「えっ…」
もう一方の手はパパの服をギュッと掴んだままだ!
このまま二人はもう少し近くにいた方がいい、そう判断した私は二人を離すまいと必死に手に力を入れた。
「ほら、マリー旦那様はお仕事があるのよ。手を離しなさい」
ママが優しく私の手を離そうとするが必死に抵抗する。
「あー!あー!」
やだと抵抗を続けると…
「しょうがない…マリーが寝るまで少しここで休む。皆ももう大丈夫だから仕事に戻れ」
「は、はい!ほら皆さん行きますよ」
トーマスさんはサッと切り替えるとお手伝い係のもの達を部屋から出した。
部屋にはママとパパと私の三人だけ…
「こっち座ろう…」
パパはママと私を抱き寄せるとベッドへと誘導する…そしてさん人でくっ付いて座ると…
「キャッハ!」
私は満足そうに笑った!
その顔を見てママとパパは顔を見合わせると…フフフ…とお互い笑い見つめ合った…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます