ギア・メイク・オブワールド〜歯車で作られた世界の行末〜
アリエッティ
第1話 情報を力に
かつて街であったその場所は、更地
黄色い砂で埋めつくされた広大な砂漠に成り果てた。
人間観でいつか起きるといわれた戦は国を滅ぼし世界を沈め、何もかも跡形も無く消し去った。
人類は打ちひしがれ絶望し、逃げ続けるもやがて行き場を失い泣き崩れた。
激闘の最中、とある国が一時の戦利品として持ち帰った機械の部品と科学技術を結集し、人体実験が行われた。
機械を身体に移植し、戦争に耐えうる人造体を作る。
核のその後を生き永らえる
サイボーグ体となる人体改造。人々は人のまま息絶えるか、身体の仕組みを変えて生命を超越するかの二択を迫られる事となった。
人体実験は一通り成功したが、それを望まず人であり続ける事を選んだおよそ半分の人類が死滅した。
改造に使われた部品は「メモリギア」と呼ばれ、僅かであるが記録機能が施されている。保存された記録はモノによって異なるが、人造体に能力として組み込まれている。
「……僅かに映像解析をすると視える
戦争のときの銃声か、それと爆撃。」
夢もモノもない変わり果てた世界では思想の品度も随分落ちた。
メモリギアはそれを叶える可能性が有る、過去の記憶を宿したギアを集めて結合し新たな人造物を作れば未来の記憶へと、新たな記憶へと昇華できる。
興味のそそられない昔のデータも応用が効くというものだ。
「原理は良く分からないけど、ギアを集めて過去を辿れば未来を創る事が出来るらしい。」
自らの機械化を受け入れた青年ポピラ
彼が求めるものは新たなる希望。
「一から新しい街や世界は創れるだろうか、再建というより創設か。」
広大な砂漠が、街となり国となり世界を取り戻す日の
幾つ貯まれば出来るのか、どれだけ時間を掛ければ実現可能なのか。
0に1を足し考えなければまるで分からず手掛かりも無いが脚は既に砂漠の砂を踏みしめ歩いてる。
「ギアを集めるとなるとイヤが応にも争う事になる。..だとすればやっぱり〝覚醒〟する必要があるな。」
ギアの価値は以前の金と近しいものがあるが、そう幾つも持つ事の出来ないもの。だからこそ取り合いかき集めているのだが生物は進化を遂げる。
ギアのメモリに保存された能力を強く反映させ覚醒させる事で、戦える要素として身体に付与させる。
己自身をギアの一部の付属品とする事で、身を守る選択肢を得た。
「覚醒を早く促せるとしたらやはり」
「バウ!」「またか..。」
砂漠の真ん中で山に座って考え事をしていると嗅ぎ付けたように寄ってくる
「一、二ぃ三...六体か。
囲まれると少し厄介だな」
機械で出来た四脚の犬が唸り円で囲む
安らぎや癒し効果はまるで無い。
「ギアが回るように意識して戦ってみるか、どうしたら動く?」
機械で出来た肩の関節をグルグルと回し鉄の拳を握り締める。
「バウ、バウバウ!」
「ごめんね野蛮だけど、単純に素手で殴るから。スクラップにするよ?」
犬の世話は苦手だ。
モラルを持たず、鉄拳制裁してしまう
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