第10話 ヘアパック戦争!?②

セドリックさんの案内で広めのホールに案内されるとエリーと数人の女性がホールに並べてある商品の前で楽しそうにお喋りしている。


「アン!お父様とのお話は終わりました?ゴメンなさいね、お父様たらアンとお話したいと急に言い出したりして。」


こちらに気づいたエリーが心配そうにしてくれている。

「大丈夫でしたよ。とても良くしていただけて助かりました。」

まぁ、とりあえず娘の友達として、商売人として最低限の合格ラインはクリアしていると思って貰えたハズだ。


「それならば良かったわ。ねぇアン見て、ロドリゲスの商品はどれも素晴らしいのよ!」

正直私は目利きは出来ないがどれも1級品であろう事はわかる素晴らしい品が沢山並んでいる。


「本当ですね。こんな素晴らしいお品ばかりを集められるなんてロドリゲスさんはとっても素晴らしい方なんですね。」

見え透いたおべっかかもしれないが、事実素晴らしいので他に言いようもない。


「お褒めいただきありがとうございます。私はロドリゲス・マルコスと申します。エリザお嬢様のお友達とお伺いしておりますが、お名前を伺っても?」

エリーはあらかじめ私がウェルズ家のものであるとは伝えてなかったようでロドリゲスさんはにこやかな笑いを浮かべてはいるが目は全く笑っていない。


「初めましてロドリゲスさん、私はアンシャンテ・ウェルズですわ。以後お見知り置き頂ければ嬉しいわ。」


私が名乗るとさすがの商人もちょっとびっくりした顔を浮かべるが大商会の会頭、スグに営業スマイルにもどった。


「まさか、今話題のウェルズ男爵家のお嬢様ですかな?」


百戦錬磨の商人との駆け引きが始まる。

アンは戦いのゴングが『カーン』と頭の中でなった気がしたのだ。

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