第6話 油断

 それから彼らは順調に冒険をこなしていった。


 単純なモンスター退治だけでなく、簡単なギルドからの仕事を受け素材採取なども行った。


 収入は安定し、装備も充実して自信もついてきていた。




「そろそろ、オーガを倒して一人前になりたいね」




 いつもの様に危なげなくゴブリン達を倒すとリーフが陽気に言った。




「『オーガを倒せたら一人前』ってヤツか! いいな俺達ももう一人前だろ! オーガ退治に挑戦してみるか」




 アレクは陽気に賛同する。




「もうっ! ちょっと上手くいったからってすぐに調子に乗って」




 パティは呆れ顔だ。




「でも、チャレンジしてみるのはいいと思う。ハヤトはどう思う?」




 ハヤトは腕を組みうーんとうなる。


 自分自身が攻撃を受けてる分にはみんなには危険がない。


 他のメンバーには攻撃に専念してもらうだけだ。




「一匹だったら何とかなるかもしれないな」




 その一言にみんなが沸き立つ。




「よっしゃ! じゃあ、今日はもう少し奥まで行ってみようぜ!」


「うん。もっといい宝が手に入るかもしれないよ」


「私たちもギルドの人達に認められるかもしれないね」


「まあ、ハヤトがいれば何とかなるかもね」




 しかし、その安易な一言をハヤトはすぐに後悔することになる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る