私のブラジル日記(Meu diário brasileira )
Noah92
第1話 豚汁 ?
「ブラジルに行く事になった 」
ーー私の父親が真面目な顔でそう言った。
その日はお父さんの夜の仕事が休みで親子水入らずの久しぶりの夜ご飯だ。
そして私の大好物のカレーと唐揚げだったのを今でも良く覚えている。
あっ、因に夜の仕事は車関係の工場の事で変な仕事では無い。
隣に座っている母親は涼しい顔で味噌汁をすすっている。
私は頑張って聞き取ろうとする犬の様に首をかしげながら、
「
と聞くと
「ブラジル!!」
と返された。流石我が親、息もピッタリだ。
正直ブラジルはテレビで一応聞いた事はあるけど日本のどっかの町かと本気で思っていた位 、ブラジルに対しての知識が本当に浅かったのだ。
すると母は持っていた味噌汁をテーブルに置くと 、父と同じく 、私を見つめて話し始めた。
「ブラジルはね 、お母さん達が昔住んでいた場所で来週行くの。でも茜が嫌なら伯母さんと一緒に住んでも...」
「 別に良いよ 、私行ってみたい」
私は母の言葉を遮る様に即座に返答した。
その時の二人の
ーーえまじで??
な顔は良く覚えている。
私がこんなにもすんなり受け入れるとは考えていなかったのだろう。
父はその後
「そっかぁ 」
とだけ言って、胸を撫で下ろし、安心した様な顔で目の前の唐揚げに箸を伸ばした。
ーー確かにその時の私は
まあ隣町だし大丈夫でしょ!と思っていたし 、
そしてその時、一番の決定打となったものがある。それは...
ブラジルに行くその当日。
学校のテストがあったからだ。
転校となれば色々と忙しくなり、勿論テスト当日私は行けない。
なので:
ブラジルに行かない➡テスト勉強をしなくてはいけない➡テストをする.
でもブラジル行けば?➡テスト勉強しなくて済む➡テスト?何それ美味しいの?.
と言うとてつもなく極端かつ勉強嫌いな人が考えそうな思考で、私は自分の人生の大きな選択を"テストがしたくない"と言う理由で決めた。
その時の私はそれしか考えていなかった。
ただ私は後で後悔する事になる.
ーーテストをやっておいた方が何万倍も楽だったって事に...
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