閑話休題
まかないタイム
楓が厨房に戻ると、磐音と燈哉の姿が見当たらなかった。
「ガンちゃんは」
「燈哉さんが送っていったよ」
真美が食器を洗いながら答える。
「真美ちゃん、申し訳ありませぬ。お料理を運ぶお手伝いだけでなく、お皿洗いまでさせてしまって」
「大丈夫だよ。楓ちゃんは、少し休んで」
「コロッケ、全部楓ちゃんの分だからね」
勇貴はフライパンにふたをして、楓に微笑みかける。楓もつられて笑ってしまい、まかないの里芋コロッケを口に入れた。里芋のなめらかさと玉ねぎの甘み、ひき肉の代わりのベーコンの塩気がハーモニーを奏でる。ケチャップをつけて食べると、また違う美味しさになった。勇貴としては、お客様に提供するには納得がゆかなかったようだが、楓は満足だった。
ソルベの味見もさせてもらい、さっぱりしたところで、オリーブオイルと鶏肉の香ばしい匂いが漂ってくる。魚料理も準備されている。
メインディッシュでございますね。
自分が食べるわけでもないのに、楓は大きな胸をときめかせた。
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