第19話 それでも声をかける
「誰彼かまわず声かけちゃダメなんだよ」
そう子供に叱られた。
誤解がないように先に言っておくが、ナンパの話ではない(笑)
不自由な身体になってからだろうか。
困っている(いそう)、大変そうな人が視界に入ると、気になって気になってしかたがない。
「大丈夫ですか?」と声をかけてしまう。
お礼を言われることもあれば、不審がられたり、逃げるように「大丈夫です」と言い残して立ち去っていく人もいる。
子供に叱られたのは後者の方だ。
曰く、私の外見は不審者なのだそうだ。
確かに、同級生の親御さんのように髪染めしたり化粧をすることができず、いつもラフな格好で、体調が優れないときは深々と帽子を被っている。
コロナが蔓延する前も、一人だけ活性炭入りの分厚いマスクもしていた。
── あれ? 不審者かも……(苦笑)
そんな見ず知らずの不審者が突然「大丈夫ですか?」と声をかけてくるのだ。
もしかしたら「あんたの方が大丈夫か?」と聞き返したくなる人もいたのかもしれない……ごめんなさい(汗)
反省していると、子供が何故か大爆笑している。
「とにかく、知らない人に声をかけるときはきちんと考えてからにしてね」と言われた。
しょぼん顔で「はぁい……」と項垂れる私。
どちらが親なのかわからない。
── でもさぁ……やっぱり声をかけてしまう自分しか想像できないのよ……。
そう言えなかったのは内緒(笑)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます