第14話 想いの重さ

想いには境界線があると思っている。

自分の内と外という境界線。

内にあるうちは自分だけのモノだ。

自分という器の中で、いくらでも膨らませたり、逆になくしたっていい。自由である。


難しいのは外に出すとき。

外に出すなら、その想いの重さを知っておかなければならない。

外には自分以外しかおらず、人の数だけ想いがあり、まぁまず自分の想いと同じ重さということはない。



ここ最近、身近なところで恋愛絡みの話題が何件かあって、とても疲弊したばかりだ。

疲弊した理由は至極単純。

私の恋愛事ではなく、知らぬ間に他人の恋愛事情に巻き込まれていたからだ。

一方的に『想い』を伝え続ける側と、一方的に『重い』を押し付けられている側。

その両者に挟まれた私は、彼らの認識と温度差に始終失笑である。


程好い想いは心地よく爽やかだが、重い想いは迷惑以外の何者でもない。

想いを口にしながら、自分への結果だけを執拗に求める。そこまでいくと想いですらなく、ただのエゴ。


自分の想いは爽やかでありたい。

多少重くなったとしても、都度調整できる程度で止めたい。

そんなことを考えながら、マンション中庭の桜を愛でる今日。

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