騒がしいのも。

今日もいつも通りにカメラを構える。

シャッターを押そうとした瞬間。

「いぇーい!」

っていきなり現れてピースする先輩。そのままシャッターをきる。

「びっくりするじゃないですか!」

「へへーん、どうどう?いい写真とれた?」

「しっかり撮りましたよ。」

「うわぁ〜!凄い!さすがだね!」

僕が撮った写真でこれだけ喜んでくれる先輩。

「もう1枚、撮りますか?」

「え!いいの?!」

嬉しそうにニコニコしていて、僕も笑顔になる。

「なんか、恥ずかしいね。」

恥ずかしそうにする先輩を撮る。可愛いな、と思って微笑む。

「あ!待って!今の撮ったでしょ!!」

「いや!撮ってません!」

「撮った!」

「撮ってません!」

「原くんのカメラ見ちゃおっかな〜?」

先輩との距離が近くなる。ドキドキしている僕の心臓。

横に座ってカメラの画面を覗く先輩は、僕のこの気持ちを知ってるんだろうか。いや、知らないかもな。

「ほら!撮ってるじゃん!!」

「撮りました…ごめんなさい。」

「あははっ、まぁいいや!うーん……やっぱり消しといて!」

「嫌です!」

「えぇ!!」

「嫌です!」

「あははっ、じゃあ原くんの中だけで、ね?」

秘密、ってしてから無邪気に笑う先輩に、僕の心臓はさっきよりもドキドキしていて。おかしいくらいで。こんな騒がしいのも嫌いじゃないな、なんて。

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