###への応援コメント
率直に言います。
ものすごく面白かったです。
この小説を読んでいるとき、あらゆる可能性が頭を巡りました。
「夏」というのは、彼女の名前でありその彼女を殺したのか。
それとも「夏」を象徴するプール、夏祭りなどとともに彼女も爆発させたのか。(残骸、という表現があったため)
しかし、最後まで読んでわかりました。
主人公は"夏"を殺したんです。
存在しないはずの"夏"を。
その"夏"を殺すために彼女を殺さなければいけなかった。
けれど、彼女が持っていたマフラー(マフラーは暖かくする効果があるため、夏をさらに強める)が夏を強め、殺すことができなかった。
多くの人が夏にいろんなことを託している。
そんな夏は、暑く、煩く。そんな夏に嫌気がさした主人公。
いや、主人公はこの世界に嫌気がさしたのかもしれないとも捉えられる。
作者の方がどんなふうな気持ちを込め書いたのかはわからないが、こういういろんな可能性を考えられる作品はわたしは好きですし、良い作品なのだと思います。
作者からの返信
レビューとコメントをありがとうございます。
正直、書いた当初は描写が曖昧過ぎでないかと心配だったのですが、楽しんでいただけたようでホッとしています。とても嬉しいです…!
編集済
###への応援コメント
サイコパスを否定しながらも、犬派〝だけど〟と後に続く文章の流れが気持ちえがったです。誰も猫より犬のほうが好きだからってカッターを喩えに持ち出してきたりしないよ……その発想が出てくるのはサイコだけだよ……。
出会いは夏の象徴の一つとも呼ぶべきプール、身に纏ったサマーカラーに、ひまわりを思わせる笑顔……語り部の少年にとってもはや夏そのものなのではないかと勘繰れるほどに夏を表象させる彼女が、最後に贈り物のマフラーを残し、夏殺しを果たせなかったことの唯一の証拠になり得るそれを語り部の少年が捨てられずにいたことに、個人的にはぐっときました。
タグ見てみましたが、これまた夏の象徴と呼べる甲子園にタイトルからしてアンチ夏の気配が迸る作品──意図してのことなのか否かは分かりませんが、勝手にぐっときました。読めてよかったです。
作者からの返信
コメントありがとうございます。意図して書いた部分を丁寧に掬っていただけて嬉しいです。
マフラーを捨てられなかったように、人の良心や理性は、完全に失われることは無く、どこかで働いているのだと思います。人間のそこが好きです。
「夏が思い出の買い時」で、甲子園の応募作品一覧は「購入したもの/したいものリスト」のように見えます。
私はなんにも買わないぞ、とひねくれた決意表明のつもりでこの作品を置いたのに、ミイラ取りがミイラになる…とは違うかもしれませんが、夏を過ぎてもなお、井桁さんや他の方から嬉しい言葉を頂き、「学生時代の良き思い出」を貰い続けてしまっています。