第13話 落とし物

 落とし物をした。男は慌てて屈み込み足元のそれを懸命に探した。それがないと今夜も眠ることができないからだ。だが見つからない。仕方がないので男は不眠を覚悟したが、花の髪飾りをした少女がそれを見つけ両手で掬いながら言った。「落ち葉のように軽い愛ですね」

#140字小説

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