8月 15日 ドミノ式

10:30

 早速、電車にのって里帰り。

 だが乗り換えに失敗し、一時間の待ち時間が出来てしまう。

 子供がいれば、時間通りにならない方が当たり前。ちゃんと中継駅での過ごし方も用意済みだ。


 この駅は駅ナカにコンビニやお店が入っている、ちょっと大きな駅である。

 その中のひとつであるパン屋さんにお昼をかねて、お買い物。それを買ってベンチで食べるのもふだんはしないことなので、子供たちも楽しそう。

 乗り換えの線路はそこが始発駅で、早めにホームに降りたので人がほとんどいなかった。なので多少はパンを食べても大丈夫だろう。


 この電車は約一時間乗っているので、今のうちにお腹いっぱいにして長男の眠気を誘いたかったのだ。騒ぐとうるさいから予防線だ。

 それが成功して、ありがたいことに乗って早々うとうしだした。子供たち全員が。


 ドミノのように長男、三女、次女、長女と肩に頭をのせて眠っていたので、挟まれた子達が冷房車なのに汗まみれ。いつもは下に敷かれると怒る三女もすやすやと寝ていたので、可愛いから写真をとった。

 後で長女のLINEに送っておこう。



15:30

 無事に実家に着き、早めにデマントバスの予約。地域密着がたなので、タクシーを頼むよりも安いのが魅力的。

 今回は近場の温泉施設に行こうとみんなで話し合っていたのだ。なので、お夕飯に間に合うように、早めのお風呂に入りに来たのだ。

 長男は初めての大きなお風呂である。


 だが。


 楽しみにしてたのに、入りたがらない。

 入り口の、のれんをくぐらずにもじもじしている。

 彼は普段、トイレなどは男の子の方に入っているが、始めての温泉のロッカーには、女の人しかいない。

 つまり、女湯に入ることに抵抗があったのだ。

 

 だが、未就学児は保護者同伴必須。そしてその施設は七歳になるまでは男女どちらでも大丈夫な施設。

 ちょっとデリケートな問題だし、無理強いもこの場合は良くない。

 性別が違う子がいると、こういうところがちょっとした問題になる。


 そういう理由で、諦めて三姉妹だけで入ってもらおうかと話し合っていたところ、同じような年齢の男の子がさっさとのれんをくぐっていくのをその横で長男が見た。


 長男、速攻でロッカーに向かって満面の笑みで進んでいくではないか。

 ものすごく、悩んで損した……。

 

 温泉のマナーなども常日頃から教えていたので、なんとか静かに入ることが出来た。途中サウナの水風呂に入って大きな声を出してしまったが、その一度だけで後は大人しく入ってくれた。

 三姉妹も久しぶりの大きなお風呂で、とても楽しそうに見える。

 頑張って連れてきて良かった。


 夜はさすが山の麓、風が涼しくて自宅とは大違いだ。

 子供たちも予想以上に星がたくさん見えたみたいで、いい思い出になったことだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る