無人島でサバイバル!小学生が極限生活!?

斉藤一

第1話 浜辺

「う……ここはどこだ?俺は確か、船に乗って……」


意識がはっきりしてくると共に、気絶する前の記憶が蘇る


「そっか。船が沈んだんだった」


僕の名前は勅使河原 正樹(てしがわら まさき)。家族と、クルーズ船で旅行をしている最中に嵐に遭い、船が転覆してしまった


僕は救命ボートで脱出することができたけれど、波によってボートに乗っていた半数の人が、ボートの外に投げ出されてしまった。僕は運よく浮き輪に掴まることができたけど、この浜辺に流されてきたのは僕だけのようだ


僕は服についた砂を払い落とし、靴の中の海水を出そうとかがんだ時、足元にペンダントが落ちていることに気が付いた


「誰のペンダントだろう?」


茶色く錆びたペンダントは、最近漂着したものでは無さそうだ


「一応、持っていこう」


僕は、ペンダントをズボンのポケットに入れると、歩き出した


しばらく砂浜を歩くと、リュックが見つかった。中には、水筒や小道具、お菓子などが入っていたので、少なくとも今日は食べるものが無いという状況にならずに済みそうだ


さらに砂浜に沿って歩いていると、人の声がした


「誰か、いませんかー?」


その声は、少女のようだ。声の方に向かって歩いていくと、小学生くらいの女の子が居た。ただ、金髪なので、おそらく日本人ではないだろう。まあ、日本語をしゃべっているからコミュニケーションは取れそうだ


「君も、生存者?」


僕ができるだけ怖がらせないように、優しく女の子に声をかけると、女の子はホッとしたような顔をした


「よかった、最初に会えたのが変質者とか怖そうな人じゃなくて」


「僕は、勅使河原正樹、10歳だ。君は?」


「私は、向陽エミリ。あなたと同じ10歳で、アメリカ人と日本人のハーフよ。エミリって呼んでね。あなたは、名前が長いから、マサキって呼ぶわ。いい?」


「別にいいけど。君も、クルーズ船に乗っていたの?」


「あなたも?それじゃあ、この島の住人に会えたってわけじゃないのね……」


エミリは少しがっかりした表情をした


「ここの砂浜を見る限り、もしかしたら島かもしれない。そろそろ暗くなるし、何があるか分からないから、夜を過ごせる場所を探さない?」


「賛成、下手に真っ暗な中を動くと危ないものね」


エミリは、自分のリュックを担ぐと膝についた砂を払った








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