第18話 花火大会翌日②
次に目を覚ました頃には昼を迎えていた。
目の前には見慣れた白い天井と横を見れば、色白い肌に銀髪をした明日香……んん?!
俺は慌てて飛び起きる。
なんでだ? なんで明日香が俺の隣に寝ているんだ?!
たしか明日香は隣の和室にある布団を敷いて寝ていたはず。それなのに今隣を見ると、俺のベッドで気持ちよさそうな寝息を立てながらすやすやと寝ている。
――え? ワープした?
ふとそう思ったが、そんな非現実的なことが起こりうるはずがない。
「んん〜……」
明日香が寝返りを打ち、目を覚ます。
俺の方に一度視線を向けると、大きなあくびをして、瞳を手で擦る。
「おはよう……。はるくん……」
「あ、ああ……おはようって、なんで俺のベッドに寝てるんだよ!?」
そう訊ねると、明日香は眠気眼になりながらもぽつぽつと答える。
「はるくんを起こそうかなと思ったんだけど……寝顔を見ているうちになんだか眠くなっちゃってね。ぼくとしたことがついつい二度寝してしまったよ」
明日香はそう言いつつ、上体を起こす。
「二度寝することは別にいいんだけど、せめて和室で寝てくれよ……」
「う、うん。次からは気をつけるよ」
明日香はそう言うと、先にベッドから立ち上がり、俺の部屋から出て行った。
俺もベッドから腰を上げ、カーテンの向こう側を見る。
空は相変わらずのどんよりとしいて外は薄暗い。今はまだ雨は降っていないが、もうそろそろ降り出してもおかしくないだろう。
昼を過ぎているとはいえ、寝ていたせいか腹は減っていないけど、念の為軽いものだけでも食べておいた方がいいよな。
俺もどのくらいかした後、自室を出て、本日二度目の顔を洗った。
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