第18話 ブラッド・ムーン強襲イベント
道なき道を〜ノシノシ切り開いて〜出来立てほやほやの獣道を〜その巨体でクッキング〜。
「ゴンちゃーん、どこへいくんだーい? 」
「ガーウー」
「そっかー、わかんねえー」
のんびりとした鳴き声にのんびりと返して、さてさて自分のやりたいことも済ませますか。
【フリーダム・リアル・オンラインをプレイいただき誠にありがとうございます ※※日より開催予定のイベント ブラッド・ムーン強襲イベントのおしらせを公開しました】
ゲームの画面を開けば上らへんにてまかでかと真っ暗闇を背に真っ赤な満月の描かれたバナーを指でタ〜ッチ、お、文章過ごそう、やだー。
「ガーウ♪ ガーウ♪ 」
「んーしょ、んーしょ」
右手はゴンちゃんに手を引かれて、もう片方でゲーム画面の操作に、そして前など当然見てない、多分途中で転ぶ。
「グールル♪ 」
「へいゴンちゃん、あたしゃ今前見れないから転びそうな道いかないでね」
「ウガッ!」
よいお返事を聞けた、よし、続きざっくり読むぞよ。
【季節外れの中秋の名月イベントを終え、皆が秋の終わりを感じようとした矢先、欠けるはずの満月がその輝きを放ち続けていた、そして今宵、純白から血のように赤く変貌した満月は魔物たちに興奮と残虐性を与えプレイヤーたちに襲いかかったのだった 】
ほんほん、物語のはじまりみたいね……中秋の名月とかあったの、へぇー。
【期間中全エリアにて敵エネミーが凶暴化! 通常の3倍の強さでプレイヤーの皆様に襲いかかります! パーティーをしっかりと組み挑みましょう】
え、やだー。
【そしてこれらのエネミーたちは杖上では落とさないレアな素材をドロップしやすくなってますので今後のプレイに是非活用しましょう】
……へえー、レアかどうかよくわかんないけど、レアって響きはとても良い、心が潤う。
んで? しっかりした情報は〜?
【注意点! ブラッーー「ウガァ!! 」】
おん? ゴンちゃんの怒声が。
「どしたのゴンちゃ……ん? 」
「グルアアアア!!!」
【戦闘を開始します】
「あん? 敵? 」
【ゴブリン(兆し)レベル10 】
【ゴブリン(兆し)レベル13】
「え、」
【ゴブリンの宝玉×2をドロップしました】
「えっ”」
兆しってなによ不吉だねぇ……レベルもなんか気持ち高いしもーやだー、なんて呑気な頭を回したところ戦闘が終わってました……うん?
あ、今の戦闘三人称でプレイできるの? さっすが、戦闘記録再生ボタンポチー。
えーと? 獣道ばりの森の中ギリギリゴブリンを認識したところでゴンちゃんが雄叫びあげてゴブリンたちに急接近、後は……なんかぐしゃあってした。
「ウガッ♪ 」
「あー……あらぁー」
そしてできたのがお手々が真っ赤のごんちゃんと、なるほど納得……おい。
「ばっちいから手を洗ってきなさい」
「グフッ」
ピクピクと横の耳を動かしてるのには愛嬌を感じなくもないけどばっちいのはだめ、確か近くに川流れてたっぽいからそっち行きましょ、ね?
確か〜ゴンちゃんのレベルが30近くで今のが10ちょっと……ははーん、レベル差で轢き殺されたのね……なむ南無。
ちなみに自分は? ……5か、ふうん? すごい淑女じゃん。
「が〜う〜」
にしても明日からなんかあるのかー……え? めんどいなシンプルに。
「ねーゴンちゃーん」
「ウガー? 」
「明日ねーもしかしたこれないか「ガルルルル」 あ、はい、頑張ってくるね」
「グゥ! 」
ねえなんか主従関係揺らいでない? 我主人、ゴンちゃんペットナウぞ。
いやゲームのキャラにしては自我強くなーい? きのせーい?
……まあまあまあ、こういうのもペットセラピーのひとつと見れば悪くはないかと、ペットに振り回される程度の余裕は自分にもある!
はず!!
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