第11話 マッサージを開始しよう! お客様はゴブリン三名(*´∇`*)

これより開始するのは戦いではない、リラクゼーションである。


この世で最も大事な事は休息。


仕事に娯楽に人間関係、大抵の行動には体力の消耗が付き物、だからこそ心身を癒す休息が必要であるからして、さあこの世に未練たらたらなゴブリンたちには永遠の休息を与えようではないか。


脳内BGMの用意は完璧か、今宵特別マッサージ講座を開始す。るのは超初心者のレオにゃん、耳かっぽじって聞きやがれ運営。



「ギシャ……!」

初のお客様はいかにも色々と凝ってそうなゴブリン三名様、目がギラギラと光って見るからに疲れていらっしゃる。


しかも中腰姿勢でゆらゆら揺れて腰の負担が悪そうだこれはいけない、遂に凝りを解したいあまりに襲いかかって来たお客様三名の突進を避けて鞭を取りだし足を引っ掻け転んで頂こう。


「グギャっ……!」

「ギャ……!」

「ンギャ」

喜びのあまり嬉しい悲鳴を上げてくれた、素晴らしき事だ。


蝶のように舞い蜂のように刺すマッサージをご覧に入れよう。



「「ギャ……!!」」

『【ゴブリン】レベル1を討伐しました 経験値を得ました』


頸動脈を摩擦で切れば凝り固まってる体も血流の流れも一瞬で良くできる、これは天才的発想。


「おいしょお!!」

もし一発じゃきついなら更にもう一手お見舞いして差し上げようきっと頑固な首も納得してくれる筈さ。


早速一名様が昇天なされた、これは幸先が良い。


「グギャア゛……!!」

一発で仕留められなかった反省はあとに起き上がってしまった別のお客様に取りかかろう。

お客様二号もあと一発首を打てば大丈夫! きっと昇天される!

「ギャー!! ギャー!!」

「グッギャ……!」

初マッサージの余韻もそこそこにお客様二号三号が奇声を上げながらこん棒を振り回し始めたぞ! きっとこれはアンコールに違いない。


片方は私に突っ込んできてもう片方はその場に固まっている……あ、煙でて消えた。


『【ゴブリン】レベル2を討伐しました、経験値を得ました、おめでとうございます、レオにゃん様のレベルが3に上がりました』

あ、ふーん……。


「あらよっとっ」

突進してきたゴブリンを避けて鞭を構え、そして思い切りしならせた、がそれはお客様に届くことは無かった。


馬の鞭の長さは精々1メートルあるかないか、対してゴブリンはそれよりも向こうでスッ転んでいる。



「…………よし」

サービスの行き届かないなんて元営業マンの私が許さない、助走をつけ地面とハグをかましている背中めがけ全体重をかけた渾身のマッサージをプレゼントをしようではないか。


「フギャ……!」

鞭がダメなら足を使えばいいじゃない、この御時世ひとつのもので満点の仕事なんて出来るわけもなく、お客様を満足させられるならどんな手でも使おう。


それこそがマッサージ師の職人魂。


「本日はご来店頂きありがとうございましたぁ!!」

口から何かを出したお客様の首に一門打てば完了!


「ふぅ…… いい汗かいたぜ」

誰かが喜ぶ姿はいつみても気持ちが良いものだ、煙に包まれて消えたけど。


『【ゴブリン】レベル2を討伐しました、経験値を得ました、アイテム【ゴブリンの肉】を得ました』

「ゴブリンの肉?」

なんぞそれ。


『【ゴブリンの肉】 ゴブリンから取れるゴブリンの腹肉、臭みがあり食用には適さない』

「さいですか……」

いらないな、そのうち捨てよう。


『戦闘記録が完了しました』

「所で運営、今の私凄いマッサージしてたよね?」

『回答不能』

ええ……。



「 まぁいいや……ちょっと勉強しよ」

それはともかくもう15分経った? 経ったねヨシ。


ログアウトっと。














  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る