第2話

普通の教室だった。ドアがあり、普通の先生が普通に覗き込んで、生徒の仕掛けた黒板消しに引っかかるような木造の教室。

窓も大きく、蜂どころかトンビや鷹が入ってこれるほどの大きな採光を取った普通の窓。実際には蜂すらも入ってきたことはないだろうが、そうアピールすることで自然との触れ合いを強調してる普通の学校だ。

生徒もまた至極、普通。

バカでもアホでもなく。普通の少年少女たちが集まっている。

「でさぁ、言ってやったわけよ。これは俺の本です!って」

北側純二(きたがわ じゅんじ)という、また、普通の少年が声を上げていた。

「店員は何て言ったの?」高野勇気(たかの ゆうき)というこれまた特徴のない普通の少年が相槌を打つ。

「別に…申し訳ありませんでした!的な?

これって完全犯罪だろ? 俺、成し遂げちゃった?」

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普通の少年 林悟 @ogutsugu

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