第23話

2階の事務所


サチさんに呼ばれて事務所へ居るルリ。

社長席に座るサチ。


『おはよー』

ミーティングへ参加せず事務所へ来たアキさん。


『どうした?』

とサチさんに聞く。


声のトーンと表情がまるで別人のサチさんとアキさん


『ルリちゃん、』

「はい」

『私の幼馴染みのアキ子』

「え?」

『なに?ルリちゃんにバラしていいの?

サチ子』

『あき子の実家は銀座でクラブを経営してるの、そしてあき子はママ』

『まあね、今ママ休業中……店は大ママとチーママのやよいに任せてる』

「やよいさん……」

『そう、あのやよい』

『私があき子に頼んだのよ、この店の再建を』

『私には無理だったけど……どうするの、これから』

『もういいの、店は今月で閉めるわ』

『閉めてどうするの?』

『来月またオープンする』

『キャストを入れ換えるのね』

『そう』

『じゃ、私は銀座へ帰るわ、此処ほんと大変だった……』

全てが解ったルリ

「お二人が私を助けて下さったのは、このお店を再建する為だったんですね……」

『そう』

『そう』


『じゃ、私はホームに帰るわ。

来年銀座に自社ビル建てるから、ルリちゃん次はうちの店へ来てね~』

と言い残しアキさんは、事務所を出ていった。


本物のホステスの表と裏の顔を見たルリ……。


『ルリちゃん、この店は腐りきっていた。あき子一人じゃどうも出来なかったときにルリちゃんが来た。

ルリちゃんは次々と毒を出してくれたわ、ありがとう』


「そんな…私は、面接で社長に言われた通りに働いただけです…」


『パパが?』


「私に教えて下さいました」


『そうだったの……私は日に日に強くなっていくルリちゃんを見てこの店の毒を全て出すことを決意したのよ』


「私、そんなに強くないです」


『この店は、全ての毒を吐き出す、そして生まれ変わる、私はこの先もずっとルリちゃんに働いて貰いたいと思ってる……』


「ありがとうございます、

でも私は3ヶ月の約束なので、今週で辞めます」


『ルリちゃん……』


「サチさん、ありがとうございました」


サチさんにお辞儀し、事務所を出て店に出るルリ。


『ルリちゃん、待って……』


一階の店へ出るルリ。

店の営業が始まる、いつもと変わらない時間

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