第22話
女性だけでミーティングをするとサチさんから連絡が来た。
夕方店へ集まる熟女達。
ミーティングが始まる。
サチさんが仕切る。
『ユリア、なぜルリちゃんに嫌がらせをするの』
と唐突にサチさんが聞く。
『愛されている事が許せない……』
と答えるユリア
『それで?』
とサチさん
『私は生まれた頃から醜かった、ずっとブスだと言われ続けてきた。
20歳になり私は整形した。
それから25年私はこんなに綺麗になったのに誰からも愛されない。
男は私を抱いて飽きたら捨てる。
この店の女を見て。
みーんな私と同じ。
愛されない、抱かれて捨てられた女ばかり。もう抱いて貰えない女さえもいる。
それなのにみんな此処でしか生きられない。
ルリ、此処は、誰からも愛されるあんたの居る場所じゃない。
私はあんたを見ると愛されない自分がより醜く見える』
と、ユリアが言う
『言いたいことはそれだけ?』
とサチさんが言う。
『ルリには、虐げられて金に執着して生きる私達の気持ちなんて分からないわ』
とユリア。
ユリアの後ろにいるみんながルリを睨み付ける。
ルリが、静かに話始める。
「私の旦那さんは、ここに居る誰かと浮気し左遷されました。
彼が心を奪われた誰かを私は毎日探していました。
どんな素敵な女性だろうと思っていたけど、そんな人は居なかった。
それが誰かという詮索はもう止めます。ユリアさんが言う通り私はみんなんと違う、同じにはなりたくない。自分の不幸を育ててここに留まる理由はもう無いです」
『ルリちゃん……』
とサチさん。
「皆さん、今までありがとうございました」
とルリが言う。
『……私が間違えてたわ……』
と呟いたサチさんがユリアに向かい言う。
『ユリア、あんたはクビよ』
『サチ、あんたにクビにされる覚えはないわ』とユリア
『ユリアのクビが不満で辞めたい人はいますぐ辞めてもらっていいわ』
とサチさん。
『サチ、あんた何様?……』
サチに詰め寄るユリア
『この店のオーナーは私よ』
とサチさん。
『なんですって?』
驚くユリア
『この店は、3か月前に私が父から受け継いだのよ、ユリア、あんたのことはもっと早くにクビにするべきだった』
とユリアへ言うサチさん
『私が辞めたら客が減るわよ』
強気のユリア
『心配要らないわ、ここ3ヶ月あんたのヘルプ私がしてたのよ、気付かなかった?』とサチさん。
『……あっ』
思い返すユリア
『あんたはクビよ!』もう一度言うサチさん
バンッ、壁を叩きつけ出ていくユリア
『皆さん、この店は今月で閉店します』
とサチさん。
ざわざわするキャスト達、
『ミーティングは、終わり、解散』
とサチさん。
ミーティングが終わる。
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