地球滅亡。第二の世界ありました。~バカな俺は偉人と共に人類を最強へ導く~

華夏猫

第一部 第二の世界

第一章 地球滅亡と織田信長

第1話 地球滅亡。俺だけ知るの遅れました。

「何だ?」


 2月16日土曜日。突然家中のスマホのアラームが鳴りだした。


「宗人大変! ヤバいってどうすんだよこれ!」


 父の叫び声が耳を伝う。


 俺の名前は左河宗人ひだりがわむねと。高校2年生。


 何やら騒がしいな。土曜日なんだから9時くらいで起こさせないでくれよ……。


「外見てみろよ! 隕石がっ! 地球に隕石がああ!」


 はあ。外を見たら静かにしてくれるのかな。


 俺はへばりつく布団を全力で薙ぎ払う。


「うひょ~寒いいい」


 そう言いながら俺は外を除く。

 すると外には、隕石……というより壁のようなものが押し寄せてくる。


「はい。見たでしょ? お休み」


 俺はそう言って再び愛する布団のもとへダイブ。いつでも布団は俺を招き入れてくれる。


「何言ってるのよ! 地球が滅亡するんだぞ?」


 えっと、滅亡ってなんだっけ……


 俺はスマホを手に取り、『滅亡』と検索しようとする。


「何してんだよ! そんなん持って! どうするんだよ! これ!」

「何って、『滅亡』を検索しようって……いや、何世界の終わりみたいな顔していってるんだよ。ふはは」


 俺はそう笑いながら答えると、親は化けものを見るような目をして外へ飛び出していった。


「一体何だっていうんだよなあ全く」


 あれ、俺何しようとしてるんだっけ……。


「まあいいや」


 俺はひとまず手に取っていたブロッコリーを横に置いて再び布団の中に潜った。


「ってかマジでこのアラーム何の音だよ」


 俺は永遠とアラームが鳴っていることに気づく。

 するとその瞬間、家のテレビが勝手につく。


「ええー! ただ今、地球に! 隕石が!――」

「う……嘘だろ……」


 すぐにスマホを手に取り、アラームを止める。そして、とある人物に電話を掛ける。

 なんてったって世紀の大ニュースなんだもんな。


「もしもし! 雪宮! やばいよやばい!」


 電話を掛けたのは雪宮隼人ゆきみやはやと。俺の友達だ。


「ほんとにまじで! やばすぎる!」


 俺は相手の反応に疑問を抱く。


 何でうちの事情知っているんだ……まあいいや。事情を知っているなら話は早い。


「ほんとに……勝手にテレビがつくなんてなあ! これ幽霊と会えるんじゃね? まじで」

「はあ! 何言ってんだよおめえ。とち狂ったか? もう切るぞ!」

「ええ。何でえぇ」


 ツーツーツー。


「っち、切れやがった。どいつもこいつもっ」


 テレビが勝手につくなんて大ニュースじゃねえかよ。

 あ、そうか。信じてくれないのか……。


「まあ、まさかテレビが勝手につくなんて思いもしないだろうからな。ふはははは。これは俺の胸にしまっておくか」


 俺は一人で笑いながらテレビに目を向ける。


「お、バトル映画か? すっげえリアルだなぁこれ。えぇえぇ。血も噴き出てやんの」


 普通バトル映画や、ドラマは殺される寸前にカメラをそっぽに向ける。

 だからどこか新鮮さを感じる。


「けど、カメラワークがなぁ」


 見ている限りカメラは一台で、全くカメラが動いていない。


「あー。画面外に……」


 演出は凄いけどカメラワークが微妙。

 まるでなってない。下手糞だ。素人だ。


「こりゃあSNSで叩かれているだろうなあ」


 俺はSNSを除いた。


 するとSNSのトレンドを見ると、まさかのテレビについては全くと言っていいほど皆無であった。


「なんて珍しいんだ。こりゃ雪が降るな」


 とも思ったが、2月だし雪が降るのは当たり前か。

 じゃあ、槍が降る……いや、トレンドなんて超どうでもいいことでも乗るくらい過剰なはず。それなのに、今はトレンドに『死体何体見つけられるかチャレンジ』とかあって


「え、それって自分で殺すのありですか?」

「ありじゃないですか?」


 とか言って盛り上がっていた。


「隕石でも降ってくるんじゃねえのかぁ」


 俺は良い感じな表現が思いついて満足げに何度も頷き、再び布団へともぐりこんだ。


 そして1時間後。隕石が降ってきた。

 俺は気付かずにずっと寝ていたようだ――。



 俺は目が覚めると、見慣れない景色が並んでいた。


「どこだーここ」


 俺はボソっと呟きながら一度立ってみる。横に続くのは永遠と続きそうな空間。地平線すらない。

 グルリと一周あたりを見回すと、一人の少女が椅子に腰を掛けて座っていた。


「左河宗人さんで間違ってないかしら」


 目が合うなり直ぐに少女が話しかけてきた。


「あっ、はい。そうだと思います。多分」

「多分て……私の名前はリーリストロイトよ。簡単に言うと神の一つ下の存在ってところかな」

「ふむふむ」


 正直何を言っているかさっぱり分からないが、取り合えず聞いてみることにした。


「そんなことより、あんた何者?」

「って言われてもなぁ……」

「はぁあ。あんなことあっても動揺しずにいつも通り過ごしていたのは貴方だけなのよ?」


 全く筋が見えない。あんなこととは、何かあったのだろうか……。


「まあいいわ」

「そうですか……」


 ここで少し沈黙が続く。この場での沈黙は何の音もなく、時の流れを感じ取れるようだ。


「人類は地球上最も優れた生物だと神は判断したの」

「え、どういうこと?」

「まあいいから聞いて聞いて」


 黙って私の話を聞けという事か。


「貴方たちは第一の世界。つまり地球上の生物の中で最も優れているって神は判断したの。よって、人類のみに第二の世界にステップアップする権利を神は与えたのよ」


 ……。


 ……。


「何か言いなさいよ!」

「だって黙れって」

「いや言ってないから」

「確かに……」


 だけど何か言えと言われても、よく分からないとしか言いようがないんだが……


「どういうことだ」

「何でこんな理解力が無いのかねえ……こんな奴が人類最強なんて大丈夫なのか――」


 リーリストロイトは大きくため息をつく。


「最初から説明するわね」

「おう」

「えっと」

「うん」

「地球がさ」

「地球が?」

「隕石によって破壊されたじゃんか?」



「は?」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る