鶴井みちこ(あの少女の保護者 地元のパブを経営)

 ええそうですけど。あの子の今の保護者は私です。

 仕方ないやろ。私やってそんなんしたくなかったが。

 ただね、これは順番なんです。順番守らないと偉いことになるって皆このへんのもんは分かってますんで。

 愛情?あるわけないがでしょう。なんでそんな話するんよ。やめて。心配でも何でもない。そもそも刑事さんに話した以上の事実は分かりませんよ。ただ、あんたは刑事さんたちと違って、信じるタイプやから。


 あの子がほんとはどっから来たんか分からんけん。でもね、少なくとも私のひいおばあちゃんの、さらにおばあちゃんのときにはいたらしいわよ。今と全く変わらん様子でね。

 本当に不気味なバケモノよ。でもね、粗末に扱うと大変なことが起こるって。具体的に?分かるでしょうが。男が死ぬのよ。

 あら、不思議な顔して。別に見ただけで祟るようなもんではないわよ。

 ただ、あれは男を引き寄せるけん。

 あの都会から来たおっさんたち、マナーも悪いしね、皆嫌がってました。だから、誰も教えませんでした。私らを責めないで欲しいが。

 はあ?だから心配とかするわけないわ。あんなバケモノが死ぬわけないがでしょう。

 それどころかやっぱり四人死んだでしょう。刑事さんにはこんなこと言えないし、言ったって信じるわけないし。ふふ。


 なに?なんで怒ってるんですか?

 あっ……。

 なるほどねえ。ふうん。あんたも。何年前?そう。物部さんに。

 はは、だからムキになっとるのね。ほんとに、男って馬鹿やねえ。

 そんなにあのバケモノが良かったん?ふふ。面白い。


 あんた、死ぬよ。今度こそ。

 あんたにとっては幸せかもしれませんねえ。あはは。

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