7頁

平和であることも 破壊することも

神でさえ どうにもならないことなのか?

ならば 何を頼みとすればいいのだろう


青年の非凡な才能は  賜物ではないのか?

見出された才能は 運命ではないのか?

頂き物を どうして返せばいいのだろう


消えるためだけに 生まれてくるなんて

儚い まで至りもしないうちに

ただ 消えてしまっていいものなのか


僕は 釈然としないんだ

ただ 消えて行くだけの才能なんて

意味を失くした 一生なんて


集会場に置かれたピアノは

村で唯一のグランドピアノだった

青年に生きる糧を示した


せめて 僕は 繋ぎとめよう

弾痕の生々しい そのからだを

心を失くした その声を

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る