興味本位で小学校に入った結果予想外の出来ごとだった

らかん

第1話 ホラー好きと俺

 ある日、学校の昼休みにて。

 俺こと山下祐は、椅子に座り窓の外を見ていた。

 俺の学校は四クラスある学校。

 一階が勿論三年生、そして二階に二年生、三階には一年生がいる。

この学校は四階建ての学校。なので部活の話を一年生にしようとすると一年生の教室が一階(あと四クラスある)ので、とても遠い。

この遠さ何とかしてくれないかな………と思う事が多々ある。

俺は今二年生。

 で、俺には友達が少ない。

 勿論居ることはいるのだが………なんというか、その友達はホラーがものすごい好きでね。

 一回俺はそのホラー好きの友達の家に遊びに行ったことがある。

 その友達の部屋を見ると、まあホラーの本とかビデオとかいろいろあった。

 俺は(こいつホラーオタクか?)と思ったりした。

「はぁ………」

 俺はため息交じりで前を向くと、

「よう祐」

「うお!?」

 いきなりの登場だったのでびっくりした。

 こいつが例のホラー好きと言われる草凪壱季。

 こいつとは小学校からの付き合いだ。

「何してんの?」

「へ?いや、何もしてねぇけど………」

「ふぅん………そういやお前っていつも外ばっか見てるよなー」

「ああ………あんまり喋る人がいないもんでね」

「あ?俺がいるだろ?」

「ははっ………」

 俺は苦笑いをした。

 というかいつも喋る人は壱季ぐらいだからな。

「なぁなぁ、そういえばさ、この辺の近くに

使われなくなった小学校あるだろ?」

「あー、あそこか………なんかの事件で廃墟になった小学校か」

「そうそう、それでな………そこの学校に今夜忍び込もうと思ってだな」

「なぜ忍び込む?」

 俺は普通のツッコミをすると、樹季は笑って、

「なんかな………そこの学校出るらしいぞ?」

と嬉しそうに言った。

「出るって何が?」

「あ?出るってのは勿論お化けに決まってんだろうがよー」

 なぜか壱季は嬉しそうに言う。

 多分あれだろう………ホラー好きなためそういう所に行けると、とてもワクワクするんだろうな。

 俺にとっては、なぜそう思うのかが分からん。

 「てか、そこの学校入っていいのかよ?」

 俺は次の問題を壱季に問い出した。

「ああ、もちろん大丈夫だってばよ」

「あ、ああそうか………」

 ほんとに大丈夫なのだろうかと思いつつも俺は了承した。

「それと壱季」

「あん?」

「その情報どっから聞いた?」

「え、いや、風のうわさ」

「…………」

 壱季の情報源ってどこなんだろうね。

「あといつそこに行くの?」

「ん?ああ今夜だよ」

「分かった」

 俺はそういうと樹季は自分の席に戻った。

俺は次の授業の用意して移動した。


 放課後にて。

「ねえ祐君?」

「はい?」

 俺にそう聞いてきたのは、翳月鈴。

 俺はなぜか分からないが女子相手だと敬語になってしまう。

 そんな事はどうでもよくて。

「あのね、壱季君から聞いたんだけど、この後小学校に行くんだって?」

「あーうん一応…….」

「そうなんだ!」

 鈴は顔をぱあぁと明るくした。

 鈴については、壱季ほどでもないがホラーが好きな女子だ。

 俺の学校ってホラー好きな人が多いんだね。

 違う、俺のクラスはかもしれない。

「ええと、もしかして鈴もいくの?」

 俺は若干の恐怖がありつつもそう聞いてみる。

「うん!だって、面白そうじゃん。それに、私この後暇だしー」

「ああ………」

 面白いから行く………ね。

 俺としては、面白半分で行くとよくないことが起こると思う。

 実際に行ったことはないが。

 まあとりあえずその小学校に行くのは俺と鈴、壱季の三人だ。

「それじゃあまた後でね!」

「う、うん………」

 鈴は俺に手を振りながらそういう。

 俺もそれに応えるべく軽く手を振った。


「へぇぇ、ここが………」

「なんかボロいねー」

「まあな、事件から数十年もたってるんだからな」

 俺たちが居るのは、その小学校の校門前。

 事件と言ってるがその事件について。

 

 ある日その小学校で殺人事件が起きたらしい。………あくまでもこれは俺の家の人が離していたことなので本当か分からない。

 その殺人事件と言うのは、大人がやったのでは無く、生徒がやったもの。

 簡単に言えば、ある生徒は気にくわない生徒(ここでは、殺人をした生徒をAとする)

 そのAが気にくわない生徒を次々とバールかなんかでやったらしい。

 それはそれはひどいありさまだった。

 先生が駆けつける頃には、数十人やっていたらしい。

「あははっ」そのAは不気味な笑いをしてその生徒たちを見つめていたとかなんとか。

 先生たちはそのAを必死に取り押さえようした。

 するとそのAは「邪魔すんじゃねぇ!」と大声で言ったそうだ。

 その後はどうなったかは分からない。


「あの事件………ね」

 俺は恐ろしさのあまり声が弱かった。

「ああ………なんというかすごいな」

「ほんとだよ………」

 壱季に続き鈴も一言。

「それでどうする?」

「何が?」

「今なら引き返せるぞ………中に入ったら多分、出られないぞ」

「ええぇ………」

 鈴がそんな弱い声を出しながら俺は考える。

 

「よし、行こう………」

 俺は考えた結果、やはり行くことにした。

「え、祐君………?」

「ここまで来た意味がなくなるだろ?」

 俺鈴の顔を見ながら言う。

「あ、うん………じゃ、じゃあ私も行くよ」

「よし決まりだな………言っとくが、入っても後悔するなよ?」

 壱季がそういう中俺は、

「分かってるさ」

 校門をくぐりながら言うのだった。

 そこで帰っていたらああならなかったのにな。


「うっわ、怖…………!」

 学校のドアというか扉を開けるとそこは闇だった。

「お、おい祐………ライトは?」

「ああ勿論あるよ」

 俺はそういうと、ライトをバッグから取り出し明かりをつけた。

 そのまま樹季に渡した。

「よしそれじゃあ、離れんなよ」

「分かってる」

「う、うん………!」

 樹季を先頭に俺と鈴の順で並んで校舎の中に入って行った。


「うわぁやっぱりボロいな……...」

 俺たちが入ったのは生徒たちが入る昇降口。

 そこは、みごとに荒れていた。

 それに靴箱なんかは埃をかぶり、板が割れていたりしていた。

「うわっ、掲示物もそのまんまなんだ………」

 鈴が指差した方を見ると、確かに掲示物が貼ってあった。

 俺はその掲示物に近づき何となく目を通してみた。

「学校通信………生徒の名前、先生の名前………」

 その紙に書かれていたのは、この学校の生生の名前や生徒の名前などが書かれていた。

 俺はその紙を触ってみた。

 すると紙に付着していた埃がパラパラと舞い上がってしまった。

「うっ、所々読めないな………」

 樹季はライトをその紙に近づけながら読んでいた。

 確かにその書かれている内容は、所々汚れていたりして読めなくなっていた。

「普通に怖い………」

 鈴がそういう中俺と樹季は、次はどこに行こうかと言いあっていた。

「やっぱり職員室とかか………?」

「ああ、そうだね………」

「なあ鈴、これから職員室行くけどそれでいい?」

 樹季がそういう中、鈴は怖がりながらもこくりと頷いた。

「そんじゃ行くか」

 樹季の一言で俺と鈴は一緒に職員室まで行った。

「うわ、トロフィーだ」

鈴はそう言ったので俺と樹季は足を止めた。

「ほんとだ………」

 ほんとに当時のまま物品が置いてある。

「なんで物持って行かなかったんだろうね………」

鈴が言う中俺は言った。

「多分………大変だったんだろうな」

「大変?」

 鈴が目を丸くしながらそう俺に聞いてくる。

「あーそいつはあれだ………事件があったから片付けられなかったんだろうなきっと」

 俺の代わりに樹季が言ってくれる。

そして樹季はトロフィーに指をさした。

「どこ指差してんの?」

 俺は疑問げに樹季が指したところを見てみると………

「え………?」

「分かったか?」

 なるほどね。

 樹季が指差したトロフィーにはわずかの血痕がついていた。

「え?なになに?」

 そして鈴が不思議そうに見ようとする。

「鈴には刺激が強いと思うな……..」

 俺はやめとけと言わんばかりに、鈴を一歩下がらせた。

「それじゃ行くぞ」

「うん………」

 俺は少し疑問に思った。

 このまま行っていいのかと。

 今すぐにでも帰った方がいいと思った。

 だけど、樹季がこの学校に入る前に言ったことを思い出した。

「中に入ったら多分帰れないぞ」と。

 なので今帰ろうとしても無駄だという事が分かるだろう。

「な、なあちょっといいか………?」

 俺は歩き始めた樹季に質問する。

「なんだよ?」

「例えばだけどさ………今帰ったらどうなるかな………?」

 すると鈴がそんなことを言い出した。

「俺この学校に入るとき言っただろ?帰れないって」

「で、でも………!

 多分鈴は、恐怖で帰りたいのだろう。

 いくらホラー好きだとしても樹季のようなオタクではない。

 なので恐怖が先に勝ってしまったんだろう。

「なあ樹季、その根拠は?」

「根拠………ね。うーん、俺が聞いた話だと、この学校に入った人は帰りたくて昇降口から出ようとした。でも鍵がかかってたんだと」

「鍵かけてないのに?」

「そう。あとは、職員用の昇降口もダメだったみたいだ。これも鍵はかかっていなかったんだと。それと非常階段とか、体育館の出口もやったけどダメだったとさ」

 俺はその樹季の言葉にゾクリと背筋が凍った。

「全部出られるところはダメだった………?」

「そうだよ。あとは、物理的に窓を割って出ようとした。それも失敗に終わったとさ」

「マジで………?」

「マジで」

 鈴が言ったことに対し、樹季は即答した。

「なんで割れなかったの?」

 俺の質問に対し樹季は顔をしかめて説明した。

「俺、言っだろ?この学校には出るって」

「うん言ってたけど………」

「噂というかその話によれば、その霊が窓を壊させないようにしてるんだと」

「なぜそんなことを?」

「入ってきた人を出させないようにするため………としか言えないな」

 顔をしかめて言う樹季に対して、俺は冷やりと恐怖で汗が出てきた。

「や、ヤバいじゃん………」

 その樹季の説明に鈴は、ちょっと後ずさりしていた。

「しっかし、この学校やべぇな………それとその話どっからとってきた?」

 俺の疑問はそれだった。

 どこからその話を聞いた?

「俺は………というかお前らに言ったけど、俺はホラーが大好きなんだよ。それで、いろんなホラーな話とか調べている内に、この話が書かれた記事があったのさ」

「その記事は?今もあるの?」

「もう無いよ?」

 樹季が放った言葉に俺は、恐怖のあまり固まってしまった。

「つ、つまりは………?」

 鈴が追加で質問する。

「つまりは、その話がほんとすぎて消されたとかなんとか」

 ………。

 樹季の言葉に俺と鈴は恐怖で固まってしまった。

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