目は口ほどにものを言う?

舞風つむじ

プロローグ

午前三時。草木も眠る丑三つ時、つまりは深夜。

町はしんと静まり返っていて、誰もいない道路を電灯が寥々と照らしている。

「うーん……。もう少し腕とか使って胸寄せた方がいいのかな……?あ、そうだ前髪ちょっと直しとかないと……」

 しんとした部屋の中で、私は時折スマホのカメラで写真を撮りつつひとりごちる。明かりのついた部屋の中では、自分の小さな声がはっきりと聞こえた。見つめる画面の中には下着姿の私。……ほんと何してんだろ。

まぁいいか。みんないっぱいコメントしてくれるし。

もう何度かシャッターを押してから、スマホのカメラを閉じた。いい写真が撮れたと思う。それからアプリを起動。

「背景ぼかして……目と鼻隠して……。よし……こんなもんかなっと。送信っ」

一通り確認してから、私は投稿ボタンをぽちっと押した。数秒もしないうちに『今日はちょっとダイタンな一枚を載せてみるよ♪』という文面とともに先程撮影されたばかりの、胸元を強調した写真が画面に表示される。やっちゃった。

まぁいいよね。別に誰も私だってわからないし。

そう思っていると、小さなあくびがくぁっと漏れる。眠いなぁ。ああ、明日から新学期なんだっけ……。めんどくさいなぁ。まぁ、ママに怒られるの怖いから行くんだけどね……。

もう遅いけど出来るだけ早く寝ないとな、と思って私はベッドに潜った。

 今回も反応いっぱい貰えるといいなぁ。

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