じつは10年ぶりくらいに秋田に帰ってきて、いろいろ様変わりした故郷をぷらぷら眺めながら過ごしていたところでこの作品を発見しました。
秋田県(民)あるあるが凝縮されていて読んでいてニヤニヤすることがしったげ多かったです。そんな秋田がもし異世界にまるごと転移したら、というのがこの作品の肝ですが、なんだかふつうの異世界転移ものとちょっと違う。
秋田県民は異世界に転移しても魔法は使えないし、頻繁に裏庭に湧くモンスターを退治する以外はふつうの生活を続けるしかないし、それどころか日本からの物流は寸断されるわ常夏で作物もまともに育てられないわ、現実的な問題でてんやわんやです。ほぼ陸の孤島となってしまった状況で唯一救いがあるのは電気やインターネットといったライフラインが生きていること。ままで今の秋田県そのものでねが。
10年以上前、秋田出身の作家・西木正明さんの『ガモウ戦記』という小説を読みました。その作品もやはり秋田県の風土や県民のおおらかさが物語の核になっていました。10年たった今でもまったく新しい作品でそれが描かれるというのは、なんだかうれしいものですね。
番外編、続編と楽しみにしているので、ぜひ執筆がんばってください。