第42話 勇者の凱旋

~ダンジョン攻略時~


ライオット ステータス


レベル25 所持金 16309c

筋力 115 +40(パッシブ

知力 130 +100(パッシブ

敏捷性 129 +30(パッシブ


・スキル

自動マーカー、マップ、精神自動回復、順応力 


・魔法

癒しの鼓動

風魔法 レベル31

炎魔法 レベル28

水属性 レベル29


・技能

剣術レベル17 補正レベル3 筋力 6 敏捷生 6

杖術レベル12 補正レベル2 知力 10

盾術レベル7 補正レベル1 筋力 5

槍術レベル10 補正レベル2 筋力 6 知力 2

体術レベル19 補正レベル3 筋力 8 俊敏性 12

射撃レベル 9補正レベル1 筋力 2 俊敏性 2


・特殊技能 補正値パッシブ(特

採取レベル12 補正レベル2 筋力 10 知力 10

採掘レベル11 補正レベル2 筋力 10 敏捷性 10

魔装術レベル26 補正値レベル5 知力 50

操舵レベル12 補正レベル2 俊敏性 20


・加工技能 補正値パッシブ(加

裁縫レベル10 補正レベル2 知力 20

鍛治レベル10 補正レベル2 筋力 20

錬金レベル10 補正レベル2 知力 20



ダンジョンの攻略を終えてオルドラ王国に戻ってきた一向、帰ってきてからは片付けも早めに切り上げて今日は休む事となった。


色々な事がありすぎた、、、。

それぞれ思う事があったのだろう。

そんな一日も終わり次の日がやって来る。


・サリス

「ふぅ、今日が良い天気でよかった、雨でも降っちゃったらやる気が起きないもの。ねぇ、セリス。」


・セリス

「そうだな、昨日は本当に大変だったからな。今日からリーシュも軍の方に戻っちまったし私達でさっさと片付けちまおうぜ。」


二人は片付けをしようとする。


・「おはようございます、お二人とも早いですね。メイドさんに聞いたら朝早くにギルドに向かったって聞いたので慌てて来ましたよ、俺にも手伝わせてください。」


昨日は死にかけた時もあったがランバートの『オールケア』により全快した、おかげで今日も元気なのである。


・セリス

「ライオット大丈夫か?あまり無理するなよ?疲れたら遠慮なく休めばいいからな。」


・サリス

「ほんとセリスはライオットさんには甘いのね、そんな事ばっかり言ってるとハリスさんが泣くわよ?」


会話している3人の元に馬車から荷物を持って出てくるハリスさんの姿が。


・ハリス

「お?ライオット君おはよう。大変なダンジョン攻略だったが君のおかげで得る物も多かった、無理しないでゆっくりとしていればいい。」


優しいなぁハリスさん。

そら惚れちゃう人も多いんだろうなぁ。


・セリス

「あ、ハリス、そいつはギルドじゃなくて城のやつだ、サクッと持って行ってくれ。」


・ハリス

「おっとそうだったのか、了解だ。じゃあちょっと行ってくる。」


結構な大荷物を持って歩いていく。

働き者だなぁ~、、、。

おっと、こうしちゃいられない。


・「ハリスさん手伝いますよ、半分貸してください。」


・ハリス

「本当かい?ありがとう。いやぁ~助かるよ、正直きつかったからさ。」


ハリスさんには厳しいなセリス。

それだけ信頼しているって所かな?


・「じゃあ俺も城まで行ってきますね、マルチとミミさんがもうすぐ来ると思いますので、、、多分すぐ来るかと。」


ちょっと不安だ、、、。

朝から二人してお肉争奪戦をやってたからな。


しかし二人は相変わらずよく食べるよね。

あの体のどこに入っていくのだろう?


・セリス

「解った、いつもありがとうなライオット。

気を付けて行けよ」


セリスが声を掛けてくれた。

振り向くと少し驚いてるハリスさんが


・ハリス

「俺には声を掛けてくれないのか。

ふふ、そんなところも素敵だぜ。」


変なこと言ってるけど大丈夫かな?

まぁ良いか。


ハリスさんと俺は城に向けて歩き出す。

しばらく歩いていくと、、、。


・マルチ

「あっライオットだ、急に居なくなるからびっくりした。」


・「ごめんごめん、お肉争奪戦が思いのほか凄かったから声を掛けずに来てしまった」


・ハリス

「お肉争奪戦?朝から元気だね。」


・「マルチとミミさんの対決ですけどね、あのミミさんの動きに付いていくマルチが凄かったです。」


・ハリス

「あのミミさんに?マルチさん魔法使いだろ?何と恐ろしい才能だ。」


・マルチ

「お肉は全て私の物、でもライオットのはちゃんと取ってある」


ドヤ顔で語るマルチ、いや皆の分はちゃんと別けてあるから変なこと言わないで。



・「そう言えばミミさん一緒じゃないの?」


・マルチ

「ミミなら屋根の上を走って行った、こっちの方が早いからって。私は道を歩いてきた。」


成る程ね、、、。

屋根を飛び移るミミさんか、、。

ミミさんのイメージにピッタリな通勤方法だ。


ハリスさんも頷いている、とりあえずギルドの方はミミさんが行ってくれたから安心かな。


・マルチ

「ライオットはどこに行くの?」


・「お城に荷物を返しに行くんだよ。」


・マルチ

「私も行く。」


・「そうだね、マルチが来てくれると助かるかも。帰りにハリスさんに話があるし。」


・ハリス

「俺に話?何の話かな?愛の告白ならノーセンキューだぜ。」


おどけながら変なポーズをして俺を指さす、そしてマルチに蹴られる。


・マルチ

「ライオットは渡さない、変なこと言わないで。」


いや冗談だからね?

ハリスさんも冗談で言っただけだから。

ほらちょっと涙目じゃん。

大丈夫ですよ、俺には解ってます。


・「と、とりあえず荷物を置いてからで」


3人は歩き出す。

早朝だからか人は疎らだ、、、。

お店の準備をする人がちらほらいる程度だね、ギルドから城まで歩いて1時間前後の道のりを3人はゆっくりと歩いた。


・マルチ

「ねぇねぇ、ハリス

聖剣はどうしたの?」


・ハリス

「よくぞ聞いてくれました、俺の右手の指に指輪があるだろ?それが聖剣だ。驚きだろう?俺の意思で変形させられるんだ、本当にどんな仕組みなのか。完全にオーバーテクノロジーだよな。」


指輪を見ながら語るハリスさん。

本当にどんな仕組みなんだろう?

後で見せてもらおう。


・マルチ

「ほほぅ凄いね、聖剣もすごいけどそれに気付いて使いこなしているハリスも凄い。」


マルチが興奮気味に褒めまくる。

そう言えばマルチって加工職人なんだよな。

俺ですら魔法使いのイメージになってたよ。

そりゃ珍しい物には目がないわな。


・ハリス

「ありがとう、何だか凄く嬉しい。

仲間に褒められるって良いね。

荷物を運び終わったら見せてあげるよ」


ハリスさんが嬉しそうだ。

聖剣が思わぬところで役に立ってるな。

そして城に到着する。


城に着くと早々に兵士さんが飛んできた。


・兵士

「お疲れ様です、確認なのですがセリス殿のパーティーの方ですね?ハリス様はおられますか?」


むむ?

ハリスさんに指名入りました。


・ハリス

「俺がそうだけど、どうしました?」


・兵士

「貴方様が、失礼しました。申し訳ありませんが謁見の間までお越しいただきたい。」


深々と頭を下げる兵士さん。

急いで走って来たんだな、はぁはぁ言ってる。


・ハリス

「何となく、聞きたい事は解った。

リーシュさんが話したんだな。

まぁ、当然か。いや、話さなければならない事だろうな。人間族の行く末を左右するかもしれん事だ。」


ハリスさんは納得する。

そして俺を見る、、、何故に?


・ハリス

「良いだろう、今すぐにでも行こう。ただしこの二人も連れて行く、君に判断が出来ないだろうから、とりあえず謁見の間まで一緒に行こうか。そこで俺が直接話すから安心してくれ、君には迷惑を掛けない様に考慮しよう。いつも兵士として頑張ってくれてありがとう、国民と共に君に感謝の意を。」


ハリスさんは兵士さんに膝をついて頭を垂れる。

兵士さんが少し泣きそうになってる。

解るよ兵士さん、俺も泣きそう。

ハリスさんって本当にすごい人だな。


そして、そんな姿を見ちゃったから断るに断れないです。兵士さんを含めた4人は謁見の間へと向かう、しかしお城ってやっぱりおっきいな。来るの2回目なんだけどやっぱりすごいと感じるよ。謁見の間に着くと直ぐにハリスさんが動き出す、案内してくれた兵士はそこまで行くと自分の持ち場に戻って行った。門番の方と話しているハリスさんの背中に敬礼をしていた姿が印象的だった。


・門番

「話は分かった、しばし待たれよ」


門番の1人が謁見の間に入っていく。

ハリスさん一人で行っても良いんですよ?しかしそんな願いも叶わず、暫くすると門番さんが戻ってきて入っていい事となった。


王様か、緊張してきた。

部屋に入っていく俺達3人。

すごく緊張します。


マルチが普通にしているのが意外だった。

あれ?俺が一番ビビってる?

だ、大丈夫だ、主役はハリスさんだ。

俺はただの従者、素知らぬ顔で過ごそう。


そしてついに玉座の前の段差の下まで来た。

ハリスさんが膝を着き頭を下げる

俺も慌てて真似をする。


マルチは、、、。

やだ普通に立ってるよ、度胸がすっごぃ。


・ハリス

「2人を連れて行きたいと、無理を言って申し訳ありませんでした。冒険者ハリス、只今到着いたしました。」


・国王

「いや、無理を言ったのはこちらの方だ、願いを聞き入れてくれたこと感謝する。」


いい感じ、、、だったのだが。


・内政府貴族 その1

「そこの女、頭が高いぞ!この無礼者めが」


・内政府貴族 その2

「衛兵!そこの女をひっ捕らえろ。」


・内政府貴族 その他多数

「以下同文・・・・・。

おいこら作者、しっかり書かんか。

お前も打ち首にするぞ。」


やっぱりうるさい奴らも居るね、何となく上流階級の人たちってあの人みたいなのをイメージしちゃうからさ。

前の時も重鎮達がうるさかったよな。

あ〜嫌だ嫌だ。


さてとウチのマルチさんに暴言吐いた奴ら。

どうしてくれようか?


一応、作者の事も気にかけておこう。


俺は立ち上がりマルチの前に出る。

マルチは俺の服を掴んでピッタリとくっ付く。

ハリスさんも立ち上がり殺気を出し始める。

王は動いていない。

様子を見ている感じだ。

んじゃ俺も動きますか。


・「人様を呼んでおいてこの仕打ち、無礼なのはどっちかな?出方次第では帰るけど、帰っていい?」


・衛兵 ①

「あれ?あの人ってハンダと決闘してた人じゃないか?」


・衛兵 ②

「本当だ!ラッキーボーイ・ライオットさんだ。マジか、俺ファンなんだよ。」


・衛兵 ③

「あの試合は最高だったぜ。」


・衛兵 ①

「という事は、あの美少女はマルチさんじゃないか?魔法大使タスラーを手玉に取った大魔導士!」


・衛兵 ③

「本当だ、大魔導士様だ。こうしちゃいられない俺たちの英雄を守るんだ。」


何故か衛兵さんたちがこちら側に着く。

てかラッキーボーイ・ライオットって何?

そんな二つ名とかマジで辞めてよ?

しかしどうなってるのかな?


内政府の貴族さんだよね?あの暴言吐いてたの。

普通は貴族を守ろうとするんじゃないかな?


ん~、この世界は良く解らん。


・国王

「ふふふふ、ふっふっふ、

はぁ~はっはっはっは。」


王様が盛大に笑い出す。

どうなってんだ?


・国王

「いやいや、申し訳ない。まずは我々の無礼を詫びよう、誠に申し訳なかった。しかし衛兵達がそちらを守りに行くとは、ライル団長の言う通りだったな。ライオット君だったね?兵士たちは君の味方だ。普通なら衛兵達を処罰しなきゃならないんだろうが今回は違う。」


王様の纏う空気が変わった。

なんだ?この剣を突き付けられている感じ。


・国王

「良いかよく聞け、この者達に来て欲しいと願い出たのはこちらだ。今回は命令ではなく『お願い』なのだ。その願いを聞き入れてくれた者に対してお前たちは何故そんな態度を取るのだ?良いか、生まれなど関係ない。願いを叶えてくれた者たちに敬意を払わずしてどうするのだ?確かに生まれで左右される時もある、だがそれを変えて行かねば国は亡びるぞ。

我が願いは一つ、平和だ。

国の繁栄を願うのはその次だ。

私が王の内はそれを通してもらう。

意義のあるものはここから立ち去れ。

今回限りは不問とする。

話を聞きたい者だけ残られよ。」


すると一人、また一人と去っていく。

なんか上手くいってないのかな?

この国大丈夫かしら?

この王様が居なくなったらと思うと不安だ。


ざっと見て11人の貴族らしき人が出て行った。

残ったのは5人、半数以下だね。

ぁ、ニュートの知り合いの人も残ってる。


・オーランド

「まったく、王よ。その頑固さ何とかならんのか?お前の言う事もわかるが貴族たちにもプライドがある、その辺りを上手く理解してだな。」


・国王

「そう言うなオーランドよ、こっちの方が話しやすいだろう?人間族の一大事に面倒な奴らなど要らん、話が進まんしな。」


・オーランド

「ふぅ~まぁ確かにあいつらは要らんな、でも後で根回ししておけよ?」


・国王

「わかっておる。さぁハリス殿にマルチ殿、ライオット殿。我が国の貴族たちの無礼、誠に申し訳なかった。」


相変わらずいい人なんだよな、すぐに出てこなかったのは必要のない人と必要な人を厳選していたって所か?この国王は中々の策士とみた。


・オーランド

「今回のダンジョン攻略で多くの成果を上げたそうだな、サリス殿の手紙とリーシュの話で聞いている。それに、こちらの者がどうしても聞きたいって言ってな。ほら出てこい。」


いつの間にサリスさん手紙出していたんだ?

行動が早い。

リーシュさんに渡していたのかな?


そして、玉座の方に動きがあった。

玉座の後ろからイケメンが出てきたぞ。


なんだ?敵か?

イケメンなら敵だな!


・ハリス

「、、、ライル兄さん」


はい?兄さん?

ハリスさんのご兄弟?

確かに、いや、かなり似てるね。


・ライル

「久しぶりだなハリス、お前の活躍は聞いている。兄として鼻が高いぞ、家を捨てていなければ、だがな。お前に聞きたい事はもう解ってるだろ?」


何か複雑な話がありそうだ。

マルチは俺に引っ付いて動かない。


何故に幸せそうな顔してるの?

俺はこの空気に耐えられそうにないよ。

早く帰りたい。


・ハリス

「これだろ兄さん。」


ハリスさんは指輪を聖剣に変える。


・ライル

「よりにもよってお前が選ばれるとはな、頭では理解しててもやっぱり複雑な気持ちだ。その武器はいずれ裕樹が手にするはずだったんだ。」


裕樹って誰だろう?

何か名前が日本人っぽいよな。


・ハリス

「異世界より召喚されし勇者だね?本来ならそうだったのかもしれない。だが俺はランバートに託されたんだ、そして黒龍を倒すのは俺たちだ。」


ハリスさんは言い放つ、するとライルさんの殺気が一気に膨れ上がる。


・ライル

「家を捨てたお前がほざくんじゃねぇ。剣を託されたから勇者だと?だったら貴様を殺して裕樹に俺が託す。覚悟はいいか?、、、ハリス!」


ライルさんが槍を構える

なんだこの殺気、とんでもねぇぞ。

ハリスさんも動けないでいる。


ありえない強さだ、これヤバくない?


・セント・カーティス

「槍を収めたまえライル君、親友を失った君の辛さは計り知れない。だが怒りを向ける矛先が違うんじゃないか?」


・???

「ライル坊や、あんたらしくないね。取り乱し過ぎだ、落ち着いて考えるんだな。どうしても暴れたいってのならアタシが相手になってやろうか?」


・オーランド

「よさんかナナ、ライルも槍を収めろ。戦う相手が違うぞ。だがそこまで精神をすり減らしていたとはな、裕樹はお前にとって弟も同然だったからな。」


精神がすり減っているんだ。

何か大変な事があったのかな?


精神ね。

【癒しの鼓動】掛けたら治るのかな?

一応は精神回復だし。

こっそり試してみるか。


・ライル

「解っています、解っていますとも。だがこれだけは、これだけは許せない!許せるはずがない!例え皆が敵となろうとも、ここだけは譲れなぉふぉぅ、、、。」


やべ、結構緊迫したシーンだったのに。

【癒しの鼓動】掛けちゃった。


ライルさんの顔が真っ赤になる

辺りが沈黙に包まれる。


・ナナ

「っぷ!ぶぁ~っはっはっはっは。いや、すまん、笑っちゃダメなんだぁ~っはっはっは。」


・オーランド

「こらナナ、笑うんじゃない。」


そう言ってますがねオーランドさん。

肩がプルプル震えてますよ?

笑ってますよね?


・国王

「くっくっくっく」


押し殺してるみたいだけど聞こえてますよ?

てかこの部屋の人みんな笑ってるじゃん。

プルプルしてる。

先程顔を真っ赤にしていたライルさんも笑い出す。


・ライル

「ふふふ、は~っはっはっは。そうだよ何でこんなにも荒れていたんだ?確かに裕樹が旅立って辛かったが何故ここまで?む?」


キン、、、、ザシュ


・???

「ライル様より飛び出た魔物を撃破しました。」


・ライル

「ミズキ?俺から飛び出ただと?」


・ミズキ

「はっ!先程ライル様の言葉が、、ふぅ。

ライル様の言葉が、、、、、、ぶっ」


笑いをこらえるのに必死なんですね。

ミズキさん、相変わらず面白い人だな。


・ミズキ

「ライル、さま、の、、、ブハッ!」


・ライル

「やめてくれ、めっちゃ恥ずかしい。」


ライルさんの顔が再び赤くなる

そして暫く笑いに包まれてしまった。


・国王

「いやはや、すまなかったなライル君、、、おっとライル団長。笑い死ぬかと思った。しかし殺伐とした雰囲気が一気に和んだな、さすがはライオット君だ。」


うげ、バレてる、、、何故に?


・国王

「ふっふっふ、私を欺こうなど百年早いわい!あの瞬間、君は何かをしたんだろう?ライル団長がおかしいのは薄々気付いてはいた。裕樹君の事だと思い込んでしまっていたがまさか魔物の仕業だったとはな。」


・ライル

「君が俺を助けてくれたのか?ありがとう、礼を言う。だがもう少しマシなやり方でお願いしたかった。」


・「いや、何と言いますか、俺は何も知りませんですよ?」


・ミズキ

「ライオット師匠なら魔物を感知できたはず。いえ、ライオット師匠にしか感知できなかった魔物でした、流石はライオット師匠。」


いつの間に師匠になったんだ?

何も教えてませんけど?


・ナナ

「師匠?って事はあれか?こいつがお前にあの【秘技】を授けた奴か?」


あ、、、教えましたね【秘技】


・ミズキ

「はっ!この方がライオット師匠であります」


やめて、変に持ち上げないで

そしてドヤ顔やめてマルチ。


・国王

「おお、其方だったか?お陰でどの季節でもミズチの肉を食べれるようになった、心から礼を言う。」


・ナナ

「アタシからも礼を言うよ。あの釣り方は最高だな、めちゃくちゃ楽しいしよ。

そうだ、今度大会を開こうって話も出てるんだ、お前も参加してくれよ。」


何気なく使った【秘技】がこんな事になっているとは、ミズキさんもナナさんも嬉しそうに話している。


あれ?ナナさん?

ん~、まさかね。

同じ名前の人かな。


・ハリス

「何もかもライオット君に持っていかれたな、聖剣の威厳すらも凌駕するとは恐ろしい人だよ。」


・ライル

「おっとそうだった、ハリスすまなかったな。俺はお前を殺そうとしてしまった。元々、家を飛び出て行ったお前を憎んではいたが、まさかそこを利用されるとは。一体いつから?」


皆がライルさんとハリスさんのやり取りに集中し始めた。やっと本題に戻れるかな?しかしあれ程やり手のライルさんに気付かれずに魔物を仕込んだのか。

油断している時ぐらいしか魔物を仕込むなんて出来ないよな?ならば身内に中に裏切者が居るってことになるけど。


マップオープン


、、、居るな、赤い点が一人。

後はこれをどう伝えるか。


・マルチ

「どうしたの?ライオット」


マルチが小声で話し掛けて来る


・「あぁ、この中に敵がいる、問題はどうやって信じてもらうかだな。」


・マルチ

「どいつが敵なの?」


・「、、、あいつだ」


俺は気付かれない様にマルチに知らせる


・ミズキ

「誠ですか?ライオット師匠。信じられないけど師匠が言うのであれば間違いない。」


マルチが頷きミズチと握手する。

二人が解りあえた瞬間だった。


てか、いつの間に?

流石は一流の隠密。


・「んじゃ仕方ない、逃げられるよりはマシかな?二人とも頼みがある、皆の気を逸らしてくれ。」


二人は頷く、そして行動に移る。


・ミズキ

「あぁ!あそこにでっかい虫がぁぁ!」


気の逸らし方が雑っ!


・マルチ

「なにぃ、成敗してくれるぅ。」


マルチさんめっちゃ棒読み!


『マルチバースト』


ちゅどーん


一斉に全員がマルチの魔法に気を取られる

3属性魔法を放ったからね。

そりゃ皆が注目するさ。


俺の【癒しの鼓動】を見破った王でさえも気を取られる。その隙に俺は目的の人物の後ろに回り込む。


・「『フレイム・ブロウ』」


・『???を倒しました。』


ワザと解りやすく行動に移した。

イメージはミミさんの『火の拳』だ。

今は武器を持っていないからこれしかない。

俺の拳は炎を纏い5人残った貴族の内1人の体を貫いた。


そしてその瞬間ハッキリと見えたんだ。

俺が敵を貫いた瞬間、いや魔力を練った瞬間だ。


オーランドさんが容赦なく俺を切り殺しに来た、それをハリスさんが止めようとして吹き飛ばされていた。


ナナさんが俺を殴りに来たが俺の技を『火の拳』と勘違いして躊躇した、そこに王様が一瞬で入り込んで止めてくれた。


ライルさんが俺に槍を向けて殺しに来た。

ミズキさんが必死に軌道をずらしてくれたがライルさんの槍が俺を貫いた。


そして、俺の視界は真っ暗になった。

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