第36話 ダンジョン攻略 2日目開始

~ダンジョン2日目~


・サリス

「おはようライオットさん。

ゆっくり眠れたかしら?」


今日も朝から通常運転のサリスさん。


・サリス

「今日はここからもっと深くに潜ります。どんな事があるかしら、貴方といると何が起こるか分からないからドキドキするわ」


昨日は数々の神器ってアイテムが出た。

目的の原初の果実もだ。

次は2つ目の果実を狙いに行く。


・セリス

「ライオットおはよう!昨日は最高だったな、まだドキドキしてる。早くこの武器を使ってみたいから早く行こうぜ!」


セリスがウキウキしている。

無理もないか。

神器と呼ばれる武器を手にしたんだ。

試したくなる気持ちはわかる。


俺も魔法石が無限に入る鞄を貰えたし。

俺にとっては神アイテムだよな〜。


・マルチ

「おはよーライオット。

今日もよろしくね!」


みんなが起きてきた、リーシュさんとハリスさんは早くに起きていて既に野営道具などをしまっていた。


・リーシュ

「ライオットさんおはようございます!」


・ハリス

「おはようライオット君」


みんな朝から元気だな〜。


・ミミ

「ふにゅ〜、おふぁよほぉ〜、zzz」


1人だけ元気じゃない人が居た。

ミミさん大丈夫か?


・サリス

「みんな起きてきたわね、それじゃ朝のミーティングから始めましょう。朝ごはんは用意してありますので食べながらで良いわね。」


・ミミ

「にゅん!ご飯?朝ごはん♪」


ご飯でしっかり起きました。

ミミさん可愛いな。

受付やってる時のミミさんからは想像出来ない。


その後は全員で集まり朝食を食べる。


・セリス

「食べながらで良いから聞いてくれ、既に1つ目の原初の果実は手に入れた。目指すは後3つだ、だがこの先こんなにも幸運な事はまず無いだろうから気を引き締めてくれ。昨日取れた装備は各々性能のチェックをして使いこなす様にして欲しい、宝の持ち腐れにならない様にな。」


・ハリス

「既にチェック済みだ、軽い傷を自分で付けてみたが中々の速度で回復出来た。敵の攻撃を耐えながら回復を待つ事も出来そうだ、盾役なら何に換えても欲しい物だったよ。」


・リーシュ

「私もチェック済みです、ライオットさんの鼓動みたいに直ぐに回復はしませんが、確実にゆっくりと回復していきます。この先かなり重宝すると思います、素敵な装備を譲って下さって本当にありがとうございます。」


・セリス

「2人とも流石だな。

アタシは今日の進行中に調べたい。

サリス、最初の魔物で試させてくれ。」


・サリス

「了解よ。」


・セリス

「それでは今日のスケジュールだ。

まずは四階まで降りる、そこから敵が強くなるから進行速度を遅くぞ、まずは安全第一だ。そのまま5階のセーフティーゾーンまで進み、今日はそこまで進めたら野営する。陣形は4階に入るまでは昨日と同じだ、4階に入ったらサリスから指示がある、何か気になる事があったら聞いてくれ。」


・マルチ

「みんな水筒出して。

今から水を入れるから。」


・ハリス

「そう言えば今日からマルチさんの水になるんだったね、マルチさんの水は臭みが少ないからそのまま飲めて楽なんだよね」


・サリス

「昨日まではギルドに残ってた味付け水でしたからね、ハリスさんの驚く顔が楽しみだわ。」


・ハリス

「驚く?久しぶりに飲むのは確かだがマルチさんの水の味は忘れてないさ!」


・サリス

「ふふふ」


・ハリス

「???」


・セリス

「なあライオット、そう言えばリーシュも知らないよな?マルチの水。」


セリスが小声で言ってくる。


・「そう言えばそうだね、この中ではハリスさんとリーシュさんが知らないかな。教えておく?」


・セリス

「いや、楽しみは取っておこう、サリスもそのつもりで初日はいつもの水を出したと思うから。」


意外と悪戯好きなんだよなサリスさん。

そんなギャップが素敵だな。


・サリス

「じゃあ進みましょう。

ハリスさんお願いします。」


・ハリス

「OKだ、じゃあ進もう。」


俺たちは3階セーフティーゾーンを後にする。

進んで行くと程なくして敵の居る部屋に出る。


・サリス

「セリス任せるわ、敵はカルラ3体で部屋の中心付近に居るわ。」


・セリス

「待ってました!さてと、どんな武器か試させてもらう。」


セリスは中位の氷塊で攻撃をする

あれ、氷塊が2つ飛んでるぞ?


ドゴーン、、、、


・『カルラを倒しました』

・『カルラを倒しました』

・『カルラを倒しました』

・『ボーナスが入ります』


あ、セリスが固まった、てか部屋の中心部の全てが攻撃範囲になってますが?


・セリス

「ははっ、何だこの武器。」


セリスが引いている。


・サリス

「せ、説明お願いできるかしら?」


・セリス

「お、おぅ。アタシは『氷塊』を一度しか唱えていない、だが2発分の魔法が発動した。魔力は一発分しか減った感じがしなかったが多分コレが『魔法ダブル』の効果だろう。何より驚いたのは威力だ、2倍以上の威力になっていた。

これが神器の武器か。

これヤバイな。

性能がおかし過ぎる。」


・サリス

「神器と呼ばれる武器って凄いわね。

他に持ってる人とか居るのかしら?」


・ハリス

「色々と国を旅しているがあまり聞いた事はないかな、たまに激レアの武器を持っていると言う奴もいたが嘘っぱちだったしな。そう言えば昔、龍鱗の籠手と言う激レアの武器を見た事がある。使い手が居なかったがその時の冒険者が息子に渡すんだって言ってたな。だが見たところあの武器は未完成だったと思う、何かが足りない?そんな気がした。」


・ミミ

「籠手!良いなぁ、アタシもレアな武器欲しい。ライオット、また隠し部屋見付けて!」


・ライオット

「アレはたまたまでしたからね、見付けれたらまた攻略しましょう。」


みんなが俺をみる。

やめて、期待の目で見ないで!


しかし龍鱗の籠手か。

龍鱗の籠手ね、、、


ニュートの武器って、

鱗みたいな籠手だったよな?

今度会ったら聞いてみるか。


それにしても、もしもその籠手をニュートが持っていたとしたら、ハリスさんはニュートのお父さんと会ってるって事だよな?


ハリスさんは何歳なんだろう?

見た目からはもう想像出来ない。

パッと見24、5歳くらい?


・サリス

「では進みましょうか。

セリス、試し撃ちはまだやる?」


・セリス

「後一回やらせてくれ、ハリスを巻き込まない様に調整出来ないと戦闘中に撃ち込めねえから。」


・ハリス

「俺からも頼む、セリスの氷塊はもう食らいたくない。」


ハリスさんが若干震えている、あれって痛いですもんね。神器で威力の上がった氷塊食らったら、ダメだ俺まで震えてきた。


・マルチ

「ライオット大丈夫?震えてる。」


ハリスさんと目が合った。

何故だろう、凄い親近感が湧いた。


・リーシュ

「ライオットさん、具合が悪いならいつでも言ってくださいね。」


・「大丈夫で、ちょっとした武者震いですよ。」


とりあえず誤魔化しておいた。

その後、セリスの魔法調整が数回行われ無事に4階に進む事ができた。


セリス、とっても楽しそうだったな。


・サリス

「これより4階に入ります、事前情報では。

『サイス 霊体

リビングアーマー 無機質

鬼火 エレメント』

この3種類の敵が確認されています。ダンジョン構造は3階とは同じで部屋に3体の敵が生息しているみたい、敵に合わせてここから戦略を変えます。リビングアーマーはハリスさんとミミで撃破、サイスはセリスがお願いね。鬼火はマルチの水魔法で撃退します。実はこの鬼火が厄介でしてね、他のダンジョンで遭遇した時、物理攻撃は効かないし、セリスの氷は効きにくいから私の風魔法で吹き飛ばした逃げてたのよね。でも今回はマルチが居るから水魔法で対処してもらって良い?」


・マルチ

「ん、頑張る!マジックリングも装備したし大丈夫。」


・リーシュ

「ではマルチさんの荷物は私が持ちますね。」


・サリス

「そうね、お願いします。

陣形はあまり変わらないけど、

マルチを前にするわ。

先頭はアタシとハリスさん

次にマルチとセリス

リーシュ、ライオットさん

最後にミミでお願い。」


・ミミ

「りょ〜かい!」


そして一行は動き出す。

筈だった、、、、


ハリス

「待ってくれ!」


ハリスさんがみんなを止める。

どうしたんだ?


・ハリス

「マルチさん一体何をしたんだ?」


・マルチ

「???、何のこと?」


・ハリス

「水だよ、水!何だこれは?」


・サリス

「あら〜?ハリスさん?マルチの水は覚えてるんじゃなかった?」  


サリスさんがやたらと楽しそうだ。

セリスもニヤニヤしてるな。


・ミミ

「美味しいよね!無味無臭のお水だよ?凄いよね〜。」


・リーシュ

「無味無臭?まさか軍で噂になった奇跡の水ですか?」


リーシュさんも水を飲む。


・リーシュ

「凄い、、、美味しい。」


うっとりしている。

マルチのドヤ顔が凄い。


・ハリス

「数々の国を周ったがマルチさんの水を超えるものは無かった、完璧な水だと思っていたんだ。その水をマルチさん自身が超えるとは。」


・マルチ

「美味しいでしょ?ライオットに教わったの。水筒の水が少なくなったら教えて、幾らでも出せるから。」


・ハリス

「このパーティーは凄い幸せだな。

美味い飯に、美味い水、夜には風呂。

更に魔力は使いたい放題。

もう他のパーティーには入れないな。」


サリスさんが楽しそうに聴いていた。

何だか幸せそうな顔してるな。

いつもは書類整理ばかりだから楽しいんだろうな、それから水を飲んだり補給したりと少しだけその場で話してから進み始める。


そして暫く歩くと部屋がある。


・サリス

「鬼火2、サイス1。

いきなり嫌な敵ね。」


・ライオット

「鬼火の事ですが、あれ位のサイズならサリスさんの『ウィンド・バレット』で消し飛ばせないです?」


・サリス

「、、、それもそうね。

やってみようかしら。」


マルチ、セリス、サリスが前に出る。


・サリス

「一マルチは右側の鬼火をお願い。』


2人が頷く。

そして、、


・『ウィンド・バレット』


・『スプラッシュ・ニードル』


・『フレイム・アロー』


・ハリス

「セリスさん、属性が違いますよー!』


・『サイスを倒しました』

・『鬼火を倒しました』

・『鬼火を倒しました』

・『ボーナスが入ります』


技名に混じって、ハリスさんの心の声が炸裂してた様な気がする。


・ハリス

「セリスさん?氷属性でしたよね?今、火属性使ってませんでした?」


・セリス

「ふふふ、驚いたか?アタシも3属性使えるんだぜ。ライオットに教えてもらったんだ、スゲエだろ?お陰で強くなれた。」


セリス渾身のドヤ顔。

リーシュさんとハリスさん、それにミミさんが高速で俺の方を見るので思わず顔を逸らしてしまった。


・ハリス

「ライオット君、今夜のお風呂が楽しみだな。」


・リーシュ

「ライオットさん、お食事の時にでもお話ししませんか?」


・ミミ

「ライオット!お風呂で色々聞かせてね、アタシも強くなりたい。」


ぶほっ!

ミミさんお風呂ってどゆこと?


・セリス

「ミミ、混乱するのはわかるが一緒に風呂は入れないだろう?まぁ強くなりたいって気持ちは解るがな。」


・ミミ

「何で?ライオットとなら一緒にお風呂入れるよ?一緒に寝ても良いし。あ、ハリスが邪魔だね、ハリスは後で一人でお風呂に入って!」


ミミ以外のパーティー全員の時間が停止する。


・マルチ

「私もライオットと入る。

ミミだけ卑怯だよ!」


・ハリス

「ライオット君。

俺、泣いて良いかな?」


パーティーが混乱した。

1人を除いて。


・サリス

「ハイハイ、馬鹿な事言ってないの!

まだ4階なんだから進むわよ。

それにミミ、リーシュ、ハリスさん。

強化の話なら帰ってからにしなさい。」


・ミミ、リーシュ、ハリス

「は〜い」


サリスさんのお陰で正気を取り戻した一行は気を取り直して進んで行く、完全にミミさんにおちょくられたかな?


『一緒にお風呂』発言にはやられたぜ。

何だか一本取られた気になる。


・サリス

「リビングが2体、鬼火が1体。マルチは鬼火でハリスさんは2体引きつけ、ミミは左でセリスは右よ、行って!」


・『リビングアーマーを倒しました』

・『リビングアーマーを倒しました』

・『鬼火を倒しました』

・『ボーナスが入ります』


サリスさんの合図で各々指示された敵を撃破。

数秒で片が付く。


凄まじい連携だ、、、


・サリス

「うん、問題なく行けるわね。

この調子で進みましょう。」


4階に入っても特に問題なく進む。そこから6部屋程敵を倒して進み、5階への階段に辿り着いた。


・ハリス

「ふむ、何も問題なく進めたね。」


・セリス

「そうだな、予定より早く進めている。

この調子で行こう。」


一行は5階へと進んで行く。

ダンジョン攻略はまだまだこれからだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る