第13話 盗賊団

奴隷解放後 ステータス

レベル22 所持50000c

筋力 501 +100

知力 476 −50

俊敏性 505 +100

魔法 光魔法

特性

勇者「全ての能力大幅アップ」

魔剣補正 筋力+100 知力−50 俊敏性 +100

技能

剣術レベル 23 補正値レベル4 筋力8 敏捷性 8



次の日


・ハナ

「おはようございます、裕樹さん。

今日もいい天気ですよ。」


ハナが起こしてくれた。

確かに、いい天気だ。

少し重い身体を起こして背伸びをする。

思えばゆっくり出来たのって久しぶりだな。


・ハナ

「朝食の準備が出来ています。」


ハナの言う通り、既にスープとパンが準備してあった。


・「ありがとう、助かるよ」


久しぶりに笑顔になれた気がした。

ハナの料理、俺はすごく好きだ。

めちゃくちゃ美味いっていう感じではないが、安心すると言うか、、、


・ハナ

「これから、どうしましょうか?

お金はライル団長に渡された、

白金貨    3枚=30000c

金貨    10枚=10000c

銀貨    50枚=5000c

鉄硬貨  400枚=4000c

銅貨  1000枚=1000c

合計50000c程あります。」


・「ふむ、、、それって、大金?

あまり相場が解らない、、」


・ハナ

「そうですね、一回の普通のお食事を食べるとして、一般食堂なら200cあれば足りますね。

普通の武器なら200~800位が相場ですし、、食事抜きの宿泊なら一泊15~100cって所でしょうか。」


無駄使いしなきゃ1年位は余裕って所か、、、

大金だな、感謝するぜライル。


・ハナ

「更に2人分のアイテム鞄を預かりました。

これでお金の管理もしやすくなります。

最悪の場合、この鞄を売れば最低でも10万cはくだらないかと。」


・「凄いな、この鞄。

売る気はないけどな、、、

とりあえず、ざっくりとしか考えてないが、まずは獣人の国に向かおうと思う。

ハイランド共和国だっけ?」


・ハナ

「はい、ハイランド共和国で合っています。

獣人の国へ向かうのですか?」


・「あぁ、そうだ。

世界情勢が解らない今、情報収集をメインでやって行きたい。

とりあえず冒険者になって世界を渡り歩きたいと思っている。

小銭を稼ぎながら情報収集、そして来るべき戦争に備えて力をつける。

冒険者が適任だと思うんだ、、どうかな?」


・ハナ

「素晴らしい考えだと思います。

では、まず冒険者登録の出来る場所に向かいましょう。」


・「近場にあるのか?」


・ハナ

「実はあまり詳しくは無いのですが、、、このまま進み、オルドラ領に入ってから北西に向かうと【カラクル】と言う村があると記憶しています。

そこに向かうのはどうでしょうか?」


・「そうだな、そうするか。

ところでハナ、俺たちはもう軍人じゃない、それに勇者でもないし、、、これからは同じパーティーの仲間として接してくれないかな?

パートナーとしてやって行きたい。

敬語とか無しにしてさ、頼むよ。」


ハナが一瞬戸惑う。

しかし直ぐに快諾してくれた。


・ハナ

「嬉しい、、、ありがとう裕樹。

これからもよろしくね。」


嬉しそうに微笑んでくれた。

ハナ、、、優しい子だな。

俺たちは朝食を終わらせてから、オルドラ領を目指して動き出す。


・ハナ

「裕樹?荷台に入ってていいのよ?」


ハナの順応力が高い、もう自然に話してくれてる。

ありがたいな、変に気を遣う事がなくてやりやすくなった。


・「もうお客様じゃないからな。

それに対等の立場の仲間だ、操縦を教えてくれ。

この先の事を考えると、俺も扱えた方が良いだろう」


こうして、俺はハナから馬車の操縦を教わった。

、、、、、馬車って言うか、魔車だよな?

調教済みの魔物が引っ張ている車だし。

ん~まぁ良いか。


馬車は俺の操縦で進んでいく。

最初は上手くいかなかったが、ハナ先生のお陰で上手く扱えるようになってきた。

ちょっと楽しくなってきたな。


・「疲れたら荷台で休んでいても良いからな。

お互いに交代でやるのも良いし。」


・ハナ

「今日は、裕樹の傍に居るわ。

一緒に居させて、、、」


ハナ、、、

その言い方だと勘違いする奴も出て来るぞ?

結構可愛い子なんだから自覚しないと、、

そんな事を考えつつ、二人で操縦席に座りユラユラ進む。


・ハナ

「オルドラ領境界が見えてきましたね。

あの川を渡ればオルドラ領地です。

川を渡って北西に向かって下さい。」


・「解った」


俺は言われた通りに舵を切る。

そしてオルドラ領に入り、川に沿って進む。

日が傾いてきた辺りで気付く。


・「ハナ、操縦を変わってくれ

一瞬だが、殺気を感じた。」


急いで入れ替わる。

俺はいつでも出られるように身構える。

すると、背後から明らかな敵意が迫って来た。


・「ハナ、このまま進め。

もう少し引き付けたら迎撃する。」


・ハナ

「気を付けてくださいね。」


俺は気配を探る事に集中した。

、、、成る程ね、背後は陽動だな。


・「作戦を変えるから聞いてくれ、

恐らく敵は4人。

まず背後から襲わせて、迎撃している間に側面から一人来る。

慌てて前に逃げたところで、前方に隠れている2人で制圧するって所だと思う。」


・ハナ

「どうすれば・・・?

止まりますか?」


俺は少し考える、、最低限の被害で済む方法を

①順番に迎撃する

後方は問題なく倒したとしても、側面攻撃の際に馬車の魔物が驚き、前方に走り出す危険性がある

②このまま進む

背後の攻撃を受け、その時に迎撃したとしても、側面の連携で①と同じことになりうる

③側面から攻める

俺達が気付いていることを察知され、囲んだ後に総攻撃を受ける

④、、、、


・「よし、このまま進め。

恐らく背後から攻撃がある。

驚いたふりをして前方に逃げる、そうすれば側面から追撃が来るだろう。

ここで一気に2人落とす、そして馬車を停止させて待機だ。

後は前方で隠れている2人の出方次第だ」


・ハナ

「解ったわ、馬車を制御するのは任せて。

貴方は敵の対処をお願い。」


段取りは組んだ、、さぁ、来い。

それから少し進むと、背後から爆発音がした。

来たな、、、


・「ハナ、少しスピードを上げてくれ。」


・ハナ

「了解!」


馬車は少しスピードを上げて進む。

すると側面から矢が飛んできた。

俺は剣気で軌道をズラす。

矢の飛んできた方を確認、、、、見つけた。


・「行ってくる、、、

馬車は約10メートル進んで待機」


ハナの返事も待たずに俺は飛び降りる。

矢を放った奴を目で捉えると一気に間を詰める。

距離にして約30メートルって所かな。

木の上に居やがる。

一気に間を詰め、木を切り倒す。

上の奴がバランスを崩して落下、俺は落下途中の奴に一撃を食らわせる。


・「次だ!」


急いで馬車の方を向く。

馬車の後方で魔法を放とうとしている奴がいる。

火属性の魔法だな、、、

魔法発動の方が早いか?

ならば、


俺は一旦馬車の方にダッシュする。

魔法が放たれる、、、、

馬車と魔法の間に入り一気に剣を振りぬく。

魔法が真っ二つに切れて消滅した。

術者は驚いている、、、、そこを、


・「驚いてる暇なんてねぇだろ!」


魔法を切り裂いた俺は、そのまま術者に接近して斬り伏せる。

そのまま馬車へと帰還。


・ハナ

「やっぱり、裕樹は凄いね」


ハナが褒めてくれた、、


・「さぁ、あいつらはどう出るかな?」


俺とハナは敵の動向を探る。

もう相手も気付いているだろう、、、

すると前から2人歩いてきた。

武器は持っていないな。


・眼つきの鋭い女性

「降参だ、、、

都合の良いことを言うけどさ、許してほしい」


・大男

「おい、馬鹿か?

セイナよ、俺はまだ負けてねぇ。

戦う前から何言ってやがる」


・セイナ

「バカはあんただよ、見てなかったかい?

あの子、何人束になっても勝てやしないよ。」


・大男

「くそっ、んな事ぁ解ってる。

だがよ、何もしないで負けを認めるなんて、、、

死んじまったブンとラッタになんて言えばいいんだよ」


・セイナ

「仕方ないさ、私達が先に襲ったんだ。

殺されたって文句は言えない、そういう世界に入ったんだ。」


少し涙目で訴える大男、、、

項垂れるセイナ、、泣いているようだ、、、


・「勘違いするな、あの二人は死んでいない。

とは言え、確実に昏倒するように殴ったから軽傷でもないがな」


セイナと大男がこちらを見る。

そしてやられた2人を見ると直ぐに走っていく。


・「悪いがあいつらを治してやってくれるか?」


・ハナ

「裕樹が言うのなら、、、」


俺たちも後を追う。

魔法使いの方にはセイナが、弓使いの方には大男が、、、


・「話が通じそうなのはセイナってやつだな。

ハナ、先にこっちからだ」


魔法使いの元に着くと、セイナがこちらを見て叫んだ。


・セイナ

「頼む、傷薬か何かを譲ってくれ、、、

金は必ず後で払う、、頼む」


懇願してくるセイナ。

それを無視して俺は魔法使いの様子をうかがう

、、、良かった、死んでは居ねぇな?


・「ハナ、頼む」


・ハナ

「はい。」


ハナはゆっくりと回復魔法を施して行く。

程なくして魔法使いの息使いが安定してくる。


・セイナ

「これは・・・?一体何を?」


・「良いから、もう1人をここに連れてこい」


セイナは頷き弓使いへと走っていく。


・ハナ

「命の心配はなくなりました。

怪我も完治、起きると面倒なのでここら辺で止めておきますね」


・「良い判断だ、流石ハナ

頼りになるね」


ハナが俺に向けて笑顔をくれる

そしてもう一人が運び込まれた


・ハナ

「離れてください」


直ぐに治療に掛かるハナ

同じように起きない程度にやるのかな?

さて、俺は状況を把握する事を優先するか


・セイナ

「あの、、、すまなかった。」


・「気にするな、確かに殺気は感じたが本当に殺す気は無かったんだろ?

殺気の中に迷いを感じた、あれじゃ人は殺せない」


セイナはビクッと全身を震わせる。

俺に怯えてるんだな。


・大男

「お前は、、、何者なんだ?」


・「人に尋ねる時はまず名乗ってからにしろ」


沈黙が流れる、、、


・ハナ

「命に別状はありません。

傷も完治しました、暫くしたら二人とも目を覚ますでしょう。」


・セイナ

「本当かい?

ありがとう、、、本当にありがとう」


ハナにお礼を言うセイナ。

一方で俺に警戒している大男、、、


・大男

「いくらだ・・・?

金は必ず払う、ただし時間が欲しい。」


・「また馬車を襲うのか?

俺に負けたんだ、すぐに殺されるぞ?」


・大男

「貴様に、、、貴様に何が解る!」


殺気を放つ大男、、、だがな


・「知らん、て言うか分かるわけないだろう?

知ってほしいのなら話せ。

これも何かの縁だ、話くらいは聞いてやる」


結構な大声でやり合っていたからか、

先ほどの魔法使いと、弓使いが目を覚まし始めた。

それを見た大男とセイナが慌てて2人を起こす

すると、大男が俺に話しかけてきた


・大男

「知るわけない、、、か、確かにそうだな。

すまなかったな、少し落ち着いてきた

まずは2人を助けてくれたこと、礼を言う。

俺の名はビルド、そしてこっちはセイナだ。」


セイナが俺達に頭を下げる。


・セイナ

「本当にすまなかった。

アタシらが襲ったのに、助けてくれて、、

何とお礼を言えばいいか」


・「気にするな、助かったのはそっちの2人が強かったって事だ。

弱い奴なら死んでいただろうな、あんまり余裕なかったし。」


・ビルド

「いや、結果的に助かった。

それで十分だ。

紹介しよう、そっちの魔法を使ってたやつが「ブン」、弓が「ラッタ」だ。

今は訳あって盗賊家業をしている。」


ブンとラッタも目を覚まし、俺達に頭を下げた。

元々悪い奴らではないのかな?


・セイナ

「折角だ、アタシらの隠れ家に来て話を聞いてくれないか?」


・「まぁ、急ぐ旅でもないし、

情報が欲しいのは事実だ。

では、世話になろう。」


こうして俺とハナはセイナ盗賊団の隠れ家へと向かう事になった。

そこで、新たな情報を得る事となる。


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