幼馴染みに振られたので言い寄ってきた小柄な彼女と付き合うことにした
闇野ゆかい
第1話
誰も居ない教室で椅子に座り込んで項垂れていた。
今さっき幼馴染みの町倉紗江に告白して玉砕した。
「奏太とは付き合えない。他に好きな人がいるから」
そう答えて教室を後にした紗江。
あまり好きな人のことを聞いたことがない。まあ、そんなことはもう俺には関係ないが。他に好きな人なんていない紗江だけが好きだった、いや今でも好きなんだ。振られた今でも。
さて、帰るかと立ち上がり、鞄を持ち教室を出る。
下駄箱で靴に履き替え、校舎を出ると校門で小柄な女子が寄り掛かっていた。
話しかける気にもならなかったので話し掛けることもせず、通り抜けようとしたら、俺に気付き声をかけてきた。
「振られたんですね。先に帰っていったので」
彼女に向き合い、
「俺が彼女に告白したことを知ってるのか」
「はい、偶然耳にして、それでなんですが私と付き合ってください!」
顔を赤くして、告白してきた。
「その気持ちは嬉しいけど、ごめん」
「そう...ですか」
一筋の涙を流して走り出していった彼女。
心苦しいけど仕方ないんだ、と小声で言う。その言葉は消えていく。
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