【気が向いた時に更新】俺の意味怖

世も末コウセン

第1話『しゃぶしゃぶ』

「久しぶりに忘年会を企画します。今回は話題のしゃぶしゃぶに行きたいと思っております!」

と僕はグループラインで高校の同級生に招集をかけた。

通知音オン勢が「いけまーす」「その日は無理やわ。ごめん」等のメッセージを打ってくる。

その中で一段と異彩を放っていたメッセージがあった。

「私も行きます!代金はあつし君が払ってくれるの?」と、食いつくように会話に入ってきた舞美まみ

あまり高校の時は話さなかったけど、噂では一流企業の秘書をしているそうじゃないか。僕は彼女の話を一回聞いてみたくなった。

「いいよー。来な来な」

と軽はずみなメッセージを送る僕。

このメッセージの後、集合時間と場所を決めてこの日のラインはここで終わった。


次の日ーー。

待ち合わせの時間になっても、現れない舞美。

「どうしたんだ?」

「遅いね」

「道にでも、迷ってるんじゃ無いのか?」

周りの同級生達も首を傾げている。

「お!ラインだ」

僕のコチャに送られてきたメッセージは謎という言葉でしか表せない物だった。

「……」

まず、そう送られてきた。

「え?」

「どうしたよ?」

僕は同級生とこの後のメッセージを待つことにした。


2分後ーー。

新たなメッセージが送られてきた。

「どうして?奢ってくれるんじゃなかったの?ねぇ?」

とまだ飯も食っていないのにも関わらずそんなメッセージが送られてくる。

「はぁ?」

「どうしちゃったの?」

僕達がスマホの画面を見続けて待っていたそのとき。

急にボイスメッセージが送られてきた。

「流す?」

「「流す」」

同級生勢員が同じ意見だったので、僕はボイスメッセージを押す。

「ザーー。」最初の5、6秒あたりまでは砂嵐のような音が聞こえる。

「あなたが悪いんだよ?私は待っていたのに?どこへ行ってたの?」

憎たらしいと言う思いがスピーカー越しにでも伝わってくる。

「やばいんじゃ無いか?」

ウンウンと皆が頷く。

「ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ…」

何回「ねぇ」と言われただろう?おそらく、50回は言われた。

「ギャーーーー!入ってこないで!あなた誰?やめて!ギャーーーーー」

急に叫びだす舞美。

「…」

恐怖で体が震えてきている僕達。

「グサ」

生々しい音がスピーカー越しに聴こえてくる。

「ポタン。ポタン。ポタン………」

と言う水音でボイスメッセージが終わった。


後日ーー。


前日は結局しゃぶしゃぶどころではなかった。

僕達は家に帰って布団の中で震えていた。

「えー。ニュースをお伝えします。先日、自宅マンションで四宮舞美さんの遺体がみつかりました。警察は自殺の線で調査を進めています。」

(えっ?)

僕はグループラインを開く。

やはり予想通りラインは大盛り上がり。

「どう言う事?」

「わからない」

「はぁ?」

「自殺したの?」

「あのボイスメッセージに何か秘密とかがあるんじゃ?」

と各々の思っている事がドンドン送られてくる。

僕はボイスメッセージの内容を確認しているともしやと思った。

その仮説が頭の中で一つの線で結ばれる。

「あ…あ…」

僕は恐怖で足がすくんだ。

「早く、早く警察に連絡しなきゃ。」

僕はそう言って電話を手に取った。


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