◇第50話◇明日は明日の……
ふぅ……と息をひとつ吐いて。
とにかく朝、子供たちを無事に送り出すと、それだけでホッとする。
それでなくとも寝起きの良くない彼らを、いかに起こしていかに朝食(らしきもの)を食べさせるか……は、わたしにとって充分な難問。
だから何とかでも、それがツツガナク済むと随分キモチが軽くなるんだ。
気は緩められないけど。
嵐ってものは急にくるから。
でも明日は明日。
明日の風向きは明日じゃないとわからない。
そう自分に言い聞かせる。
元々先のことを考えて安全確保しておきたい性格。
慎重と言うと聞こえがいいけど要は超小心・臆病。
でもとにかく、今はそれを丸めて押し込んで、とりあえず深呼吸しよう。
全部、それでイイことにしよう。
それでいこ!
結局、わたしはやっぱりタクマシイんだろうな。
転んで擦り傷、切り傷、打ち身に捻挫。
のたうち回って、ばた狂っても。
自分で起き上がって立ち上がらなきゃ所詮しょうがないってことだけは刻みついてる。
埃と涙と泥でコテコテになった全身、大の字で寝転んだまま。
空、見る。
青かったり、雲がいっぱいだったり、雨に叩き付けられたり……。
どっちにしても、この手もこの足も、この身体は自分にしか動かせないので仕方ない。
ノッソリと起き上がるのは、これで何度目かはもう忘れたし、これほど繰り返しても、また明日か明後日かもっと先か、また数え切れないほど、これを繰り返すんだろうけど。
悟り……当分どころか、多分死ぬまで開けやしません。
でもヘタレ代表として、こうなったら、めいっぱい矛盾いっぱいに、ニンゲンクサク生きてやろうじゃないか、なんて……。
生きてるってメチャクチャしんどいけど、やっぱり奇跡だって思います。
次に何が起こるかわからない知らないってこと。
イイコトもワルイコトもヨコロビもカナシミも、ひっくるめてやっぱりスゴイって思います。
こうして息をしていられること。
足掻くだけ足掻くことが目標です。
アシタハアシタノカゼガフク
とりあえず、わたし、今日を生きてます。
明日も生きたいと思ってます。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
*この頃のこと*
ああ、同じようなことを言ってるなぁと思います。
まだまだ、息子達が落ち着かなかった頃。
ひたすら犬掻きで、息継ぎもろくにできずに溺れながら泳いでいたようなあの頃。
息子達も大きくなり、昔よりは落ち着いたけど、それでも今は今の健康問題や介護問題もある。
でも、そんなものなんでしょうね。
大切だと思うものがあれば、心配にもなるし、悩みもする。
そして、10数年後の今のわたしは、やっぱり今日を生きていて……
明日も生きたいと思っています。
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