◇第21話◇残暑猛暑
子供と出かけた先で倒れて、救急車で病院に運ばれてしまった。
少し怠いとは思っていたのだが、急激に気分が悪くなり、滝のような冷や汗で目の前が真っ白になりグッタリ動けず。
このところの暑さが持病のある身には堪えていたけど、自分で考えてた以上に弱っていたらしい。
脱水症状と血圧低下が酷かったので、点滴を二本入れて貰い、なんとか治まってきたので帰宅。入院にならずに本当に良かった。
しかし、今年のこの暑さは尋常ではない。ニュースで年配の方や持病のある方が体調を崩されたり亡くなったりというのを聞く度に、他人事ではないと思ってはいたけど、実際に救急車のお世話になってみると余計に身に沁みる。
意識が遠くなっていく時、ああ、人間の最期なんて、こんなにぷっつりと途切れるような呆気ないものなのかもしれないとか頭の隅で泡ぶくみたいに考えたりもして。
今 氷枕した布団の中で携帯から、この日記を書いている。
この瞬間に生きていることは決して当たり前なわけじゃないんだってことを改めて思った。
自分の命の持ち時間について思い煩うこともなく、人生を無邪気に過ごしていた幸福な日々は、もう遥か遠い。
◆
そして……次の日。
体調は相変わらず、はっきりしない。
というか胃が重く、食欲がなくて、体重も減っている。
持病の数値は以前の入院時ほど悪くはないが、それでもあきらかに良くない数字。
持病+猛暑による夏バテ?や更年期障害?欝の具合も重なって?自分の身体ながら、わけがわからない状態。
今年の夏は自分も、そして周囲もいつも以上に病院の日々で。
自身もあちこちにガタがきている分、カバーしきれてない検査もあり、
それが体調の悪さとあいまって不安要素となっていて……。
色々な親や子供らの気にかかることもあり、精神的になかなか一息つけない現状。
根性とかも人様に比べてあるわけでもなく、潔さとか人としての矜持とかも。
所詮はハリボテの情けなさ。
要するに結局、わたしはみっともないほどに臆病者だから。
痛いこととか苦しいこととか怖いこととかに
耐える自信がないんだ。
どれだけ生きることに疲れたり、きつくても、やっぱりまだ死にたくないって思う。
身近な人達の ”死” に至るまでの時間を側でみてきたから、尚更に怖くてしかたない。
死というものを否応なしに突きつけられた時に、そこにいきつくまでの道を、わたしはちゃんと辿れるんだろうか。
もう思い残すことはないと、強がりですら言えそうにない自分。
ここまできてもまだ未練……なんだろう。
わたしらしいといえば、わたしらしい。
そのくせ変なところでアマノジャクだから、身辺整理とかは最期までしそうにない。
あとから、思いもよらないものが出てきて、ショックやらビックリやらあるかもしれないが、一見なんにもなさそうで、おとなしやかなのに、実はぐちゃぐちゃありましたってのも、それはそれでらしいんじゃないか、なんて(笑)
キレイでも正しくもないもん。わたし。
なんてことを日曜の早朝に、ごちゃごちゃと書いたりしてる。
早く涼しくなってくれたらいいなぁ。
どうせ、もうすぐまた持病の定期検査とかにいかなきゃだけど
体調不良の原因だと思えるものが、ひとつでも減ってくれたら、他の検査する余裕も少しできそうだし。
◆
色んなこと……。
あの時のあれが最後だった、なんてなりませんように、って、この頃いつも思ってる。
強く、強く、これもまた、未練。
いつか、おしまいの日はくるだろうけど、このままで、おしまいってのは嫌だ。
もう少し、一息つきたい。
怯えない日々が欲しい。
諦め悪くて、いつだって全然潔くない。
ほんとカッコ悪いったらありゃしない。
ああ
わたしは
どこまでいっても
やっぱり
臆病者。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
*この頃のこと*
この日記、10数年前なのに、読み返しながら自分でも、今書いた日記?と錯覚しそうになりました💦
出先で救急車のお世話になったことは、この後も何度かありました(大汗)
反対にいえばこの頃から、色々余病もわかってきたともいえるのでしょうが。
それでも、あの頃から10数年経った今も、ヘロヘロになりながらも生き残っていますからね。
改めて、有難いことです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます