◇第18話◇それぞれ、三人三様
長男の高校へ個人面談に行って来た。
それでなくとも、外出って時点で既に緊張で前日は眠剤入れても眠れなかったりするんだけど案の定で。
加えて学校……やっぱり苦手。
高校……行き着くまでが遠いし。
それでも出掛ける予定時間40分前には根性で布団から這い出し、化粧せぬまでも、せめてと身支度を見苦しからぬほどには整え、なんとか着いた時には汗ダクダク。
時間通りに着いたおかげで前の保護者の方がまだ、お話してらした。
椅子に座って流れ出る汗を拭う。
まもなく順番が着て先生とお話。
*
長男は三兄弟の中で一番満遍なく、性格とか考え方とか、精神的に強い部分も脆い部分もわたしに似ている気がする。
わたしも先生ウケは良かったし(別に意識してというわけでなく、小心モノなので校則違反の類をしなかっただけ)
本好き(というか活字中毒)で自分の世界持ってるタイプだった。
かといって、それなりにクラスに馴染み、茶髪やペチャンコカバンやスカート長いコ(懐かしい。昔は長い方が違反対象だったのに時代の流れというか流行の変化は面白い)とも普通に友達だったし。でも一緒にソレするかってわけでもなく。。。
自分の格好はマジメちゃんを絵に描いた様な姿(ポリシーというよりもカバンをペチャンコにすると本が入らないとか、スカート長くするのメンドクサイし……タバコは体質的にまず受け付けないとか、そんな理由)
変なところで頑固というか自分を持ってる(というと聞こえはいいんだけど)
年齢の割りに、しっかりしてると良く言われてた。
その癖、精神面で脆い一面っていうか、そこ攻められるとパニくる、みたいな滑稽さというか抜けた部分があって。
先生の話をお聞きしてると似てるなぁとシミジミ。
要するに曰く「何もこちらから言うことはありません」
違うのは成績くらいかな。
客観的にみても彼は成績がいい。
苦手教科は勿論あるんだけど、総合した時にわたしほど極端でないのが幸いしてると思う。
わたしは自慢じゃないけど中の下ってとこがせいぜいだったから。
(でもマジメっ子の外見とかにより、いつも成績が良いと変な誤解を受けて、それには大変困ったものだった)
彼の成績表を見たときには思わず後ろにひっくり返りそうになった。
一桁の順位の成績表なんて見たこと無かったもん。
*
ガリガリ勉強するっていうよりも彼の勉強法?は決まって途中で読書タイムが入る。
読書には勿論マンガも入る。
テレビのアニメなども、わたしも好きなので見忘れて親子で地団太踏むことはあっても、そんなもの見ないで勉強しなさいと言われることは、まず無い。
そもそも塾に行かせる余裕など無いし、進○ゼ○やらの通信教育モノも金銭的都合によりやってない。
わたし自身の成績が良くなかったせいもあるので、子供らにはみんな、成績のことでほとんど言ったことが無い。
自分の中で頑張ってればいいよってスタンスで、ずっときた。
だから長男にも
「とにかく勉強しすぎて身体壊したら何にもならないから」
ってそっちの方、注意する。
後は
(気持ちわかるけど)「本の読みすぎで夜更かしは止めろ!」
と、これも、あくる朝が、ぜーったいキツくなるから。
ウチでは、いい加減、本読むの止めなさいって注意するっていうと、皆さん口を揃えて「普通本を読みなさいって言わなきゃ読まないのに羨ましい」とか言われて、そう聞くとそんなもんかなぁと思うけど。
でも程度によると思うし……ウチは親子でその程度を越えてるからなぁ。
確かに本好きなことによって読解力とかは自然に育つので、程よい本好きは望ましいと思うけど。
*
褒められてるんだし!プレッシャーなんてかからないはずなのに話中に息苦しくなってきて、マズイ……と焦る。
慌てて何度も咳して誤魔化しつつ
「親がこんな調子なので、ご迷惑おかけしますが宜しくお願いします」
と、ご挨拶してなんとか終了。
***
まぁ、そういうわけで無事に自宅に帰りついた時にはフラフラ……汗で前が見えない。
シャワーするつもりだったけど気力も無く……。
着替えだけ、なんとか済ませたら力尽きてダウン。
やっと今日になってPC開けた次第。
仕事しなきゃ。
*
しかし、当たり前だけど三人三様だな~と息子達を見ていると思う。
確かに大兄ちゃんは成績などはいいしバランス的には良いと思うけど、考えすぎる部分もあるし、欠点がないわけじゃない。
むしろ、わたしに似てる分、気苦労しそうだし。
真ん中は大兄ちゃんの同年代の時期からすれば子供っぽい。
優しいけど裏を返せば、人に流されやすくもある。
要領が悪くて損をするタイプ。
学校の成績もほどほど。でもニカッと笑った顔をみると、こちらも笑ってしまうような部分はとても貴重な気質だと思う。
繊細すぎる子だけに、その優しい部分を残して、自分への強さも身につけてくれたら……と願う。
末っ子も超がつくほどの甘えん坊。
とにかく家では、くっつき虫。
でも外に向かっては良い子でいたいという傾向あり。
だから少しでも自分のあるべき姿が崩れると
(そんなふうに誰も思って無くても本人の中で)パニくる。
それに加えて筋金入りの頑固なので。
でもパニくった後、落ち着いたら自分で反省できるようになってきたのは成長のしるしかな?
それぞれ。
一人一人が兄弟といっても、一人の人間で人格。
同じである必要も比べる必要もないと思う。
大兄ちゃんがたまたま、学校の成績というシステムの中で上位にいたとしても、それは個性のひとつ。
それを下の二人には、わかって欲しい。
変な引け目みたいなものをもって自分は駄目なんて思って欲しくない。
っていうか心配すんな~
お母さんの成績表みたら安心するって。
子供達には
一人一人 自分らしく自分の道を探しながら、沢山迷いながら失敗を重ねながら、ただ、ひとを想う優しさと自分が生かされていることを感謝する気持ちを、しっかりと忘れずに生きていって欲しい。
みっともなくてもいい。
諦めそうになっても、しがみついていてくれたらいい。
誰がなんていおうと、そしたらお母ちゃん、褒めてやる。
いくつになってようが、抱きしめてやるさ。
こんなことしか言えない。できないお母ちゃんだけど。
あんたたちのこと全身全霊を込めて愛してる。
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*この頃のこと*
少し時は巡って……。
長男、高一の頃。
次男と末っ子は小学生でした。
本当に三人三様。
色々ありました。
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