◇第11話◇がんばれぇ~まけんなぁ~ちからのかぎり~生きてやれぇ~
スイッチ無理やり固定、ON
でも、すぐにブレイカーが落ちる。
続きゃしない、OFF 暗。
再度とにかくまたON、ガッチガチにありとあらゆるもので固定する。
ダメだ、またOFF。
ONとOFF、バチンバチンと落ちては上げて、また落ちて。
そんなふうに繰り返して、でも、とにかく日々を生きる。
ニンゲンって結構シブトイもんだ。
どうしようもないこと。
解決しないこと。
頭痛いこと。
繰り返すこと。
ジブンでなくジブン以外の途方に暮れるようなこと。
むしろ一旦、どんな無茶無理してでもヤケッパチの意地でも執念でも、走り出しちまえば、その方が楽。それまでがキツイ。
どうしてもニンゲン、少しでも痛くない方、苦しくない方に逃げたくなる。
できれば、ずっと耳を塞ぎ、何も見ずに丸くなって頭ん中、真っ白にしてたいと思う。
ヘタレなジブンなんて尚更そう。
何処かで休まなきゃ確実に壊れる大ヘタレ。
だから、本格的に壊れるわけにはいかないからってイイワケして、その休息をジブンに許す。
休息所はアッタカイし安らげる。
でも休息所は、あくまでも一時の休息所で、ずっと其処で休んでいられるわけじゃない。
戻るべき場所は戦場だ。
多分、そのギャップが一番辛いんだろうと思う。
何度繰り返しても身体もココロも慣れないもんな、これ。
でもでも、そんなふうに繰り返して、とにかく日々を生きる。
ニンゲンって結構シブトイもんだ。
疲弊している。そう、ただ静かに疲れきっている。
それでも、地球は回っていて。
時間は今も過ぎている。
どうしようもないこと、というのは確かにある。
哀しいことも苦しいことも、劇的でもなんでもなく拍子抜けするくらいに淡々と、そこら中に転がってる。
その静謐な残酷さの中を生きている。
それが突きつけられている現実ってものだと、わたしはそう思っている。
どうしようもないことは、ある。
どれだけ泣き叫ぼうと変えられないことは、ある。
そんなのは百も承知で。身に沁みて。
でも、だから、足掻いて反抗してケンカ売って。
じゃなきゃ、なんか悔しすぎるから。
ちっぽけな吹けば飛ぶようなヘタレの意地ってヤツ。
ただ、何しろヘタレだから、そこがカッコよくいかないわけで。
迷走、逆走、敵前逃亡もアリ。
それでもただひたすらに、生き抜くことに固執する。
それが精一杯の情けなさ。
情けないけど、そりゃ今始まったことじゃないもんな。
とにかく助走だ。
次の休息所までは、まだまだ長い。
休息所が、いつまであるのかさえも、往きついてみなきゃわからないけれど……。
それでも、それ信じることが力になるなら。
◆◆◆
昔の『笑う犬の生活』ってお笑いの番組で
「小須田部長の引越し』ってコント?あったの。
知ってる(覚えてる)ヒトいるかなぁ。
小須田部長にウッチャンナンチャンのウッチャンが扮して
ネプチューンの原田さんと絡んでるシリーズコント。
ビデオ屋さんで!ひっさびさに見つけてレンタル落ちしたのを安かったんで買ってきたんだけど。
これが何度見ても笑えて子供共々、再度またまたハマッてる。
で その小須田部長が無茶なというか、ムチャクチャな人事異動で、いろんな所に行かされて、その引越し準備に原田さんが手伝いにきて……っていうのがコントの流れなんだけど。
その毎回のコントの最後で小須田部長が泣きながら歌う?歌がこれ
「がんばれぇ~まけんなぁ~ちからのかぎり~生きてやれぇ~」
もーめちゃめちゃツボで笑えるんだけど、だけど、なんか、ココロの奥がセツナク疼くんだよねぇ……。
デフォルメされた笑いの中に、何かさ、真理がある感じ。
なんて
小難しく言わずに笑ってみればいいんだけどね。
小須田部長、情けないしカッコ悪い(お笑いのキャラだから当然だけど)
でも、なんかすごく、すごく好きだぞ。
みょーにこの歌、改めて聴けば聴くほど(っていっても、たったの一節だけど)胸に沁みるんだわ。
「がんばれぇ~まけんなぁ~ちからのかぎり~生きてやれぇ~」
ひとり、小さな声で口ずさんでるジブンがいたりする。真夜中。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
*この頃のこと*
ビデオ屋さんとか書いてる。
まだ、レンタルビデオ店があった頃の話(自宅の近所にも個人経営の小さなお店がありました。もう無くなってしまったけど)懐かしいなぁ。
今はもう廃れて無くなったもの、どんどん新しく進化していったもの。。。
必死で自分を鼓舞してたなぁと。
『笑う犬』シリーズも小須田部長も、今でも大好きです(笑)
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