第162話就職活動1/2

就職活動1/2 

就職活動1/2 


3年も終わり春休み、いよいよ本格的な就職活動。

そんな時、武村が話があると言ってきた。

今まで数回しか行ったことにない武村の家、ピンポンを押すと「高谷か?」

「うん」

「入れよ ガチャ」玄関を開けて入る。それから1分くらいたって武村が玄関に、

こいつの家の玄関の鍵、リモートっていうらしくリビングで開錠できる。

こいつの性格上、玄関で待ってる事はなく、俺が待ってると、

「まあ、上がれや」

「うん」リビングに、あいかわらず広い家だけど殺風景だな、

母親と弟が出て行ってから、父親と武村の2人だけ、家政婦さんが来て掃除とか洗濯とかしてるらしいけど。

「どうしたの?家に来いって」

「ああ、お前就職活動するのか?」

「うん、純と相談して」

「お前達の就職先、決まってるんだから、する必要ないぞ」

「えっ?」

「えっ? ってなんだ?」

「いや、俺の就職先だよ、なんで?」

「はあ? お前 うちにくるんだろ?」

「えっ?」

「え じゃないだろ、お前が言ったろ」

「言ってないよ」

「お前、俺にこの会社継いで父親追い出して、母親と弟呼び戻す って言ったろ」

「ああ 言ったけど でもそれと俺の就職とどう関係するんだ?」

「お前な~ 会社継いで、父親追い出すって俺1人でできるわけないだろ、俺はお前に言われてそうしようとしてるんだぞ、言い出したお前が一緒に会社に入って、一緒にそれやんなきゃダメだろ」

「いや 確かに言ったけど、俺が一緒になんて言ってないし、純とも相談しなきゃいけないし」

「純ならとっくに知ってるし、了解済だぞ」

「えっ 俺純から何も聞いてない」

「それはお前と純の問題だろ」

「まあ そうだけど・・・」

「純と相談してみるよ」

「そうしてくれ」

「ああ」

「おお」そう言って、武村の家を出て、純に連絡する。

もともと この後純の家に行く(帰る)予定だったから 純は家で待って、

「ねえ 何があったの?」

「うん 純の部屋で話すよ」

「うん」

部屋に入って

「ねえ 武村から俺が武村の会社に入るって聞いてた?」

「うん、おととい かっちゃんが快諾した って」

「えっ?」

「なんかおかしいと思って、今日いっちゃんのところから戻ったら聞こうと思ってたの」

「俺、さっき言われた、それに純はとっくに承諾しているって」  

「やっぱり」2人ユニゾる

「そうよね、2人とも そんな大事な話だったら、相談もしないで返事する訳ないもの」

「そうだよね、純が承諾したって 聞いて あれ?と思ったんだよ」

「あいつらしいな」

「ほんと いっちゃん ったら」

「ねえ じゃあ 私も一緒って 聞いた?」

「いや・・・あ~ お前達 って言ってたから そういう事か~」

「そっか~」

「恵ちゃんだね」

「そうね」

「恵、呼んでくる」そう言って1階の恵ちゃんの部屋へ

俺も一緒に降りてリビングで待っていると

「お義兄さん、こんにちは」

「恵ちゃん、ちょっといい?」

「どうしたんですか?」

「恵、いっちゃんから私達の就職の話 聞いてる?」

「うん、いっちゃんが2人にお願いする、って」

「やっぱり」

「どうかしたんですか?」

「あのね、いっちゃん、私達をだましたの」

「えっ?」

「俺はついさっき。

武村の家に行ってきたんだけど、俺の就職は純が承諾済 って」

「そう、私には かっちゃんが快諾したって、だから私も同じ職場って」

「そうなんですか、私には2人にちゃんとお願いするって・・・もう。

ちょっと待ってくださいね」そう言って武村に電話し始めた

「いっちゃん、ちゃんとお願いしたの? $%&“#$だめじゃない#$%&‘’&(‘ お姉ちゃんと高谷さん、目の前にいるわよ&’(#$%&もう」そう言って電話を切って

「すみません、お義兄さんの前にでると、素直に言えないみたいで」

「そうなんだ」

「はい、でもお義兄さんの事はすっごく信用してるんです。それに尊敬もしてるんですよ」

「えっ?尊敬?」

「はい、自暴自棄になってた時救ってくれたのはお義兄さんだって、それに大学に入れたのも、それも思ってもみなかったところに って。

お義父さんが仕事先で息子の自慢をしているんですって、将来の後継ぎだって、そして、それもお義兄さんのおかげだって。

それにポンコツお姉ちゃんの面倒もちゃんと見てるし、しっかり守ってやってるって」

「何それ、私がポンコツ?」

「お姉ちゃん!前科があるんだよ、自覚してないの?! お義兄さんがいなかったら、今頃いろんな男に騙されて、とんでもない事になってたよ!」

「うーっ・・・ごめんなさい・・・」

落ち込んだ純を抱き寄せ、頭を撫でる

「そっかーー恵ちゃんからそう言われるとな~」

ピンポン、竹村がやってきた。

恵ちゃんが玄関に、俺達2人は恵ちゃんの後ろについて、そのまま1階リビングに。



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