第142話平穏ではない学生生活-9

 平穏ではない学生生活-9


目を覚ますと、となりにぴったりくっついて寝ている純、昨日の今日だし、土曜日だから、ずーっと純の寝顔を見ていると、起きたらしく、薄目を開けてにっこり微笑む。

「かっちゃん」と言って俺にスリスリしてくる。

俺も思わず唇にキスをすると、純が両手を俺の首にまわし積極的なキス・・・

また1つになって、純から俺を誘うような、そんな声が、

離れようとするとあま~い声で誘ってくるので・・・また・・・・・

ベッドから出たのは、お昼を疾うに過ぎていた。

結局土曜日は1日中ベッドの中(仲)、

月曜からどうすれば良いか・・・・。

本当の純の心の声を聞かせてやりたいけど、あいつのあの自信満々な、完全に自己陶酔ナルには、どうせ自分の都合の良いように解釈するだろう、普通じゃダメだよな。

どうすれば良いか・・・ずーっと2人で悩んでいた。

ほんとうにどうしようもない奴だ、あんなにプライドが高くて、自己中というか、幼稚というか、おバカさ加減に驚いた。

ずーっと甘やかされて育ったんだろう、イケメンで中学受験に成功して、まわりからもちやほやされて、結果あんな人間になっただろう。

解決策が見つかるまで、しばらく純1人では、うちの大学には来ないで、時間はかかるけれど俺が純の大学に行く事した。

竹下さんが一緒の時は、竹下さんがあいつから純を守ってくれるって言ってくれたので、お願いしたけれど・・・・・・。

それでもあいつは2人のところに来て、純に「本当の声が聴けた?答えを待っているからね」と言って去って行ったそうだ。

「ねえ、村井さん、本当の声って何?」

「あの人、気持ち悪いの、私の本心は、かっちゃんじゃなくてあいつの事が気になっているんだって言うの、かっちゃんという恋人がいるから、申し訳なくて、本心をごまかしているんだって、だから自分の心の本当の声を聴いてみればそれがわかる。って言ってくるの」

「何、それ、しぶすぎてキショいんだけど」

「うん」

「だから、1人の時は来ないようにしているのね」

「そう、何言ってもダメみたい」

「うわ~、イケメンも拗らせると大変ね」

「そうよね、でもね、そんなにイケメンには見えないの、かっちゃんの方がずーとイケメン」

「まあ、そうね、それほどじゃないわよね、もともと私の趣味じゃないし、それより、高谷君ってよく見るとかわいいし、あの性格でしょ、あのキショよりずーっとイケメンよね」

「ちょっと、なんで竹下さんがかっちゃんをそんな風に言うの?」

「えっ? いいじゃない、本当の事なんだから」

「ダメ、絶対ダメよ、かっちゃんは私のものなんだから」

「そうね、今は村井さんのものかもね」

「今だけじゃない、ずーっと私のもの!」

「フフフそうね」

「何、その笑い、ねえ何考えてるの?絶対ダメだよ、ねえわかってる?」

「ハイハイ、そうです、かっちゃんは純ちゃんのものですー」

「なんか、バカにされた気分」

「そう? そんな事ないですよー」

「んーっ、もう」

仲が良いのか悪いのか、毎度こんな感じで、竹下さんは純をからかっているんだろうけど純は途中からむきになちゃって・・・それがかわいいんだけど。

こんな2人のやりとりを聞いていると、心が和むし、なんだかんだ言って、竹下さんが一緒にいてくれると、俺も安心、助かる。

それから2人で色々考えても、結局自分たちだけでは、なにも思いつかず、人生の経験者に相談してみることにした。

お義母さんに全部話して、その結果、とりあえずこの前の事でお世話になった興信所を紹介してもらうために弁護士先生と会う事になった。

会って事情を説明すると、う~んと唸りながら考えて、

「なかなかそういう人は、悪さをしていない可能性が高いんだよ、そういうナル君はね、周りは皆自分を良く想っている、好意をもっている。と勘違いしてるからね。

そういう自己陶酔型はね、おそらく君の彼女も、彼にとっては『本当は、僕の方が気になっているはするかもしれないけど、おそらくそこまでだと思うよ、犯罪行為に走ることはないんじゃないかな、ストーカーされてるかもしれないといって警察に相談するのと、直接本人に意思表示をすることが大事と言われ、言葉に出して、はっきり断ることはした方が良いと、それでも変わらなかったら、その時は一緒に警察に行ってあげると言われたので、直接あいつに会って、はっきり言うことにした。

 あいつの連絡先は聞いていないし、純の連絡先も教えていないから(あいつの前ではスマホを見せなかったから)こっちから連絡はできないけど、純が竹下さんと2人で来た時、あいつはきっと絡んでくる。

その時を狙って、純の意思をはっきり示し、拒否する事にした。

最初は2人で、と思っていたけど、おそらくまた彼氏の前では本当の事が言えないんだ、みたいに言ってくるだろうから、純1人で会う事に。

場所と時間を決め、俺はあいつに見つからないようにそのカフェの外で隠れて様子を見る。

純はスマホをONのままで、純がカフェを出てきたときあいつが何をしてきても純を守れるように待機。

水曜日、やっぱり絡んできた。

純は『明日、○○時 カフェ△で、この前のお返事します』

そのカフェは大学の側で、おしゃれでカップルや女子大生達でにぎわっているカフェ、あいつはそれを聞いて、思いっきり舞い上がっていた。


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