第140話平穏ではない学生生活-7
平穏ではない学生生活-7
平穏ではない学生生活-7
「高谷君、何そんなにムキになってるんだ?少し落ち着いてくれないかな」
「それは、あんたが純を掴んだからですよ、その手を離してくださいよ」
「ああ」そう言って純の腕を離す
「純」そう呼ぶと、純は急いで俺のところに来てそのまま後ろに回って、がっしり俺の腕に絡んでいる。
あいつは、余裕?の顔で
「本当は、純ちゃん1人の時に話して、その後高谷君とも話すつもりだったけど、まあしょうがない、2人に話そうか」自信に満ちた顔をして話始める。
「高谷君、純ちゃん、君たち2人は一応恋人として、付き合っているんだよね、
それはお互い本当に好きだからかな? 本当は他に気になる人がいるけれど、付き合っている相手に悪いから、気が付かないふりをしているんじゃない?
純ちゃん?本当は他に気になっている人がいるんじゃない?
でも高谷君に悪いから、気がつかないふりをしてごまかしているんだ」
なんだこのスマイル、ニヤニヤにしか見えない、俺達の事を気にせず1人でしゃべっている姿、おかしいよ、自己陶酔?
「だから、自分の心に聞いてみると良いよ、今付き合っている彼氏のことを気にせず、本当の声を聴いてみるんだ。
高谷君もその答えに素直に従うんだ、その事を純ちゃん宣言するんだ。
そうしないと純ちゃんは本当の気持ちを伝える事ができない。
だから純ちゃんの幸せを考えてほしいんだ」
「純ちゃん、僕を拒否しているけど、それって、本当は僕の事が気になってるんじゃない?その事に気がつかないよう、その気持ちが大きくならないように僕を拒否しているんじゃない?」俺の方を見て
「高谷君も、そのことに気づいているんじゃない?
だから僕が純ちゃんに近づくのをイヤがっているんじゃないのかな?」
ここまで来ると・・・ある意味すごい人
相手を気にせずそのまま続けて話始めるところは、演劇部の1人芝居か?
「まあ、こんな場所だし、今日はこのへんにしておくよ、でもね純ちゃん、ちゃんと自分の心の本当の声を聴いてみた方が良いよ、来週にでもまた会おう、その時にその声が聴けたら良いんだけどね、じゃあ」そう言って、さわやかイケメンスマイルを見せ、校門の方を向いて、背中で片手をひらひらさせながら歩いて行った。
本当なのか?まさか そう思って純の方を向くと
「かっちゃん」そう言っておれに抱き着き、顔を俺の胸にうずめる。
「大丈夫?」
「うん、怖かった・・・気持ち悪かったよ~」
「ああ、あいつ、純ちゃんって」
「うん、今日突然、そう呼ばれて・・・」しばらくして
「かっちゃんが助けてくれた・・・、
いっつもかっちゃんは私が困っているところに来て、私を助けてくれるの」
「そんなんじゃないよ、俺がしっかりしてないから、純がいつもこんな目に会うんだ、俺が・・・」
「違うよ、私がポンコツだから、こんなことになるんだよ、私が1人でちゃんと断る事ができれば、かっちゃんにこんな事させなくて済むのに、ごめんね、いっつもかっちゃんに、こんな事させて」
「違うよ、純は悪くない」
そこに、後ろから聞きなれた声が
「おい、いつまでくっついているんだ?」
2人、振り向くとそこに、
「武村」「いっちゃん」
「おまえら、ここでそんなにいちゃつくな、人がくるぞ」
「ああ」「うん」
「大丈夫か?」
「うん、でもどうして?」
「ああ、純から相談を受けてたんだ」
「そっか」
「いっちゃん、ありがと」
「礼なら高谷に言えよ、俺は何もしてないから」
「武村、ありがと」
「ああ、お前らもう少しお互いの事、話し合え」
「ああ、そうするよ」
「うん」
「じゃあな、あっ、貸しな」
「うん」
武村は、軽く手を挙げて そのまま14号館の方に行ってしまった。
俺はそのまま、純に
「武村に相談したんだ」
「うん」
「そっか」
「だって、いっつもかっちゃんにばっかり迷惑かけて、私1人で解決したかったから」
「そんな事ない、純の問題は俺の問題なんだからね、必ず相談して」
「うん」
ケリを付けるつもりが、かえってややこしくなったようで、モヤモヤが残る。
まさかあんな考えの人間が・・・
とりあえず、今日はこのまま部室に顔をだして、柴田先輩たちにこの話をしてから、一旦家に帰って、2人バイクでバイトに行った。
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