第94話大学生活

大学生活 

 大学生活 


あれからようやく半月、もう冬かあ 

冬の1人ボッチは寂しいね、特に失恋した後って。

以前よりも大学に残ってブラブラする時間が増え、商学研究会にも頻繁に顔を出すようになって、友達もできた。

俺は幽霊部員扱いだった。

秋になって顔を出し始めたころ、最初は皆、『誰?』って思われていたみたいだけど、最近は 挨拶してくれるようになった。

うちの学部の1年生はなんと700人でそのうち約300人は女子、知らなかったけど、そんなにいたのだ。

商学研究会にもほぼ同じ割合で女子がいる。

こんな固いサークルって思うけど、それがタカジョってやつ?

授業の履修がうまくいかず2限と4限になってしまい、お昼の後に90分時間があまる

2限が終わってそのまま研究会の部室に行こうとすると、同じ研究会で同じ2年の女子2人に会った。

「高谷くん これから部室? 」

「うん、一緒にお昼食べに行く奴を探しに」

「じゃあ、一緒にお昼に行かない?」

「いいね~」

「じゃあ行こうか」

「うん」

「どこ行く?」

「高谷君は何か食べたいものある?」

「ううん、別になんでもOK」

「じゃあ、油そばでも良い?」

「いいけど油そば?」

「そう、なんかそういう気分なのよ」

そう言って3人で油そばを食べ、唇がギンギンに光り輝き、満足してお店を出る

3人で部室に行くと、柴田栞先輩が挨拶してくれた。

「おお、高谷、西尾、長澤か」

 柴田先輩はキリっとしたイケメン女子、でも黒髪ロングで小顔であごがキリっとした色白美人。

「はい」

「こんな時間にどうした?」

「俺は次が4限なんでそれまでここに」

「私達も4限なんで」

「そうか、私も4限の授業があるから、それまでここにいようと思ってな」そう言って俺を見て

「なあ、高谷、お前ここ数ヶ月、頻繁に来るようになったけど、どういう心境の変化だ?」

「いや~、高校の時からつきあってた彼女に振られまして、時間がたっぷりあまったので・・・」

「なんだ、何かやりたいことがあった訳じゃないんだ」

「はい」

「えっ? 高谷君って彼女いたの?」

「いや~、つい最近、振られちゃったけどね」

「そうなんだ」

「そうか、ふられたのか」

「はあ、あのやっと治りかけた傷口をまた開くような‥‥‥」

「いや~、悪い悪い、そうか、じゃあ今度なぐさめてやろうか」

「はあ」

「別に取って食おうってわけじゃなくて、単純に遊んでやろうって事だよ」

「はい、よろしくおねがいします」

「じゃあ、私達も遊んであげる」

「うん、ありがとう」

そうこうして時間が来たので4人で部室から出て、11号館へ西尾さんと長澤さんは違う講義なので途中で別れ、俺は教室へ、柴田先輩が一緒にいるので

「柴田先輩は次の授業な何を取れているのですか?」

「金融概論だよ」

「それ、俺と同じですね」

「そうか、2年の授業受けるのか、じゃあ一緒に受けるか」

「はい」

2人で教室に入ると、結構回りの視線、柴田先輩はかなりの有名人、当然こんな感じだからタカコレ(うちはミスコンはなくてタカコレ)では1年でグランプリ、だから目立つ。

身長はおそらく173~4cmくらい、俺と同じ、そんなに胸は大きくないがしっかり出てるしスタイル抜群、黒髪ロングで目がちょっとつり上がってちょっときついイメージ

そのクールさが良いっていう男子学生は多く、俺はたまたま同じサークルで今回同じ講義だったから一緒だけどそうでなければ話す機会なんかない。

純と別れてから、研究会に顔を出すようになって一番多く話した人。

ある時、先輩だから敬語で話していると「高谷、別に敬語じゃなくて良いぞ」

「はい、でも柴田先輩ってどうしてそういう言葉使いなんですか?何か武道をやってたとか」

「ああ、兄が2人いてな、3人で合気道をやってたんだ、それに小さいころから兄たちと一緒に遊んでいた事もあって、こういう言葉使いになって、自分でももう少し女らしくはなしたいんだがな」

「そうなんですか」

「変か?」

「まあ、見た目とのギャップと言いますか、ちょっと不思議ですけど、別に変ではないと思います。むしろ俺はそういうの好きです。」

「そうか、高谷がそれでいいなら良しとするよ」

「そうですか」

「ああ」

「なあ高谷」

「はい」

「これから毎週、部室に来ないか?」

「はい?」

「だから部室に来て一緒に講義を受けないかなって」

「はい」

おそらく男除けのつもりなんだろうけど、俺はこんな美人と一緒だからうれしい。

授業が終わりエントランスまで降りると、長澤さんと西尾さんも授業が終わったみたいで、「柴田先輩、高谷君」

「おお」

「皆今日はこれからどうするの?」

「今日は何もないんで、このまま帰ろうかと思ってる」

「ふ~ん、ねえ、どこか行かない?」

「えっ?」

「それ、私も良いかな」

「柴田先輩も来てくれるんですか、うれしいです。もちろんですよ、やった~」

そう言って4人で、カラオケに、皆で大騒ぎして結構な時間になったのでそのまま別れた。

こういう大学生活って・・・・普通なんだろうな・・・・

次の日もお昼に部室、またまた西尾さんと長澤さんがいた。

「どうも」

「あっ 高谷君、 こんにちは、昨日はどうもね、楽しかったね、また行こうよ」

「うん、パーッと気分が晴れたっていうか楽しかった またお願いします」

今日は3人とも同じ講義で3限だからあまり時間がないので3人で学食、そのまま11号館で授業。

授業が終わって、エントランスで3人、また部室に行こうと歩いていると、1か所、人だかりでわいわいしている。

長澤さんが「なんかね、芸能人がきてるみたい」

西尾さん「今日は何かあるの?」

「ううん、1人で来て、ベンチに座っているのを皆が見つけてあんな風になってるみたい」

「誰?」

 「この前バラエティに出てたモデルの村井純?」

・・・・・・そっかーモデル以外もしてるんだ、最初の頃はそういう事はしないって言ってたよな~、彼氏がマネージャーだから?変わったな~ 

そう思って歩いていると

その群衆の中から「かっちゃん」

俺?・・・頼む、もうかかわりたくない、

せっかく忘れかけていたのに・・・・

そこには真剣な顔をした『あの村井さん』が立っていた。



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