第93話破局の後

破局の後

破局の後


あ~終わった。

純と知り合って皆で受験勉強しながら、純とより深い関係になって、どんどん純が好きになって行って、2人で旅行にも行って、婚約して、やっと2人認められたって思って・・ハハハまた振られたな~。

家に帰って、この事を親に報告すると、「そう、ご苦労様」と

「お兄、大丈夫?」

「ああ」

それだけだった、それだけで助かった。皆の前で泣きたくない。

この2ヶ月近く、結構泣いた、今でも夜は・・・、本当に好きだった。

結婚まで、そして一生一緒って・・・・・やっぱ高校からの付き合いって・・・無理だったのかな・・・・・・。

夜になると思い出して・・・・・・泣いて・・・・・・。

次の日に大学に行って、バイトの日はちょっと生意気な小学生がわいわいしているのに気分がまぎれて忘れられる・・・・・・そんな毎日、

どこかで踏ん切りがついたら、新しい恋人もできるのかな~なんて思いながらつまらない毎日、1週間ほどたって、恵ちゃんから、純が話したいと連絡が来た。

“いまさら何を” とそのまま返したら、“純がまだはっきりしていないから、もう1度話してほしい” とのことなので、純の家で、恵ちゃん立ち合いをお願い、という事になった。

まさか、またこの家に来るとは思ってもみなかった、高校時代の友達の家?今はそう思う事でなんとか冷静さを保ちながら、それでもあの頃を思い出すと・・・つらい・・まずいな・・

着いたけど、当然誰も出てこない、門でピンポン、恵ちゃんが「はい」

「高谷です。」

「どうぞお入りください」

玄関まで歩くと、鍵がガチャ、ドアが開いて恵ちゃんが出迎えてくれた。

「すみません、何度も」

「いえ、で、純は?」

「はい、リビングにいます」

「じゃあ、行きますか」

「どうぞ」

かつては良く通った家、1人でどこでも行けるけど、恵ちゃんの後ろについてリビングに、そこには純が、

「おじゃまします」

「かっちゃん・・・・・・」

「ひさしぶり」

「うん」

「あのね」

「ちょっと待って、恵ちゃんが座ってから」

「うん」恵ちゃんがお茶を持ってきて座る。

「今日はわざわざ、来ていただいてありがとうございます」

「いえいえ、いいですよ」

「かっちゃん、ごめんなさい、かっちゃんがいるのに他の男の人とデートしたり、一緒にいると楽しい、って言って」

「ううん、もういいよ、俺の時も須藤って彼氏と正式に別れてないのに俺とデートしたし、それに、その彼と一緒だと楽しいっていうのが本音だったろ?」

「そんな‥‥‥」

「で、それが言いたい事?」

「ううん、違う、あのね、私かっちゃんが好きなの、それは変わらないの」

「そう?でもこの2ヶ月くらい、俺に会いたかった?俺に会わなくても彼といて楽しかったんじゃない?」

「・・・・・・でも・・・・・・」

「純、あのさ、俺と付き合う前、純には須藤がいたけど俺の事が気になりだしたんだよね、その時って俺の事どう思った? 

俺の事を、高谷君からかっちゃんに変わったのって何を思ってそう変えたの?

純は、彼の事を、もうとっくに『のぼるさん』て名前で呼んでるよね、

のぼるさんといっぱいデートしてるよね、のぼるさんといると楽しいんだよね、それって俺の事好きになった時と同じじゃない。

違うのは知り会うきっかけが仕事と学校って事だけ、学校が終わってからデートと仕事が終わってからデートの違いだけじゃない。

よく考えて見なよ。

俺は須藤みたいな事したくない、工藤みたいにまとわりつきたくない、そんな事したら俺が純を好きで純と付き合ってた事実を汚してしまうから、だから、純、ちゃんとのぼるさんの事考えた方が良い。だから俺は・・・・・帰るね」

「まって、かっちゃんは私の事好きじゃないの?」

「好きだよ、好きに決まってるだろ、だから純の事を考えて来てるんだよ・・‥‥」

「なあ、もういいだろ 」

「・・・・・・」

「高谷さん、ありがとうございます。大丈夫ですか?」

恵ちゃんが割って入ってくれた、

これ以上2人で話していると泥沼になりそうだったから助かった。

「うん、俺、高校1年の時もおんなじように振られてるから、こういう経験あるしね、でも今日は恵ちゃんがいてくれたおかげでちゃんと話ができたよ、ありがとう

 純、2人を見た時、お似合いのカップルに見えた。俺が来たのに気がつかないくらい俺がおじゃまむしだった・・・それがどれだけつらかったか・・・・・・だから・・・・・・こんどこそさようなら」

「違う!そうじゃないの、待って、ねえ、お願い、かっちゃん、待ってよ、行かないでよ」

「純、俺が話した事、自分でよく考えるんだ。そして俺にした時のようにのぼるさんにもちゃんと自分の気持ちを言ってみなよ、そうしたら自分でも気が付くから」

そう言って、俺は急いで純の家を出て、バイクに乗って帰った。

なんで今更・・・・・・もしこのままよりを戻しても、仕事がないのに打合せとか言って毎日のように事務所に、結局、あの彼といちゃいちゃするところを見せられるのか、俺は黙って見てるだけか、そうしていつの間にか、本当に俺が無視されて、純があいつの事を好きになって・・・・・・・その時になって俺が邪魔になって、婚約したことを後悔して、そして別れるのは・・・・・・それを想おうと・・・・・・

その方がきつい、つらい・・・・・・、そうなったらもう立ち直る自信がない。

今だから、少しは冷静に接することができるんだ、きれいに別れられるんだ・・・・・。



またいつも日常、1人乗りの・・・・・・バイク復活。

自動車教習場にも通う時はバイク。

もうすぐ自動車も運転できる。

最近は父さんが自動車の雑誌をリビングに置いてくれる。

また自分の趣味で買い替えるんだろうか?今の車でも十分良いと思うんだけど・・・



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